goo

娘が帰って来た。

 娘が帰って来た。明日から、スマコンに3連荘で参加するためだが、その後に何と、イタリアに友人と行く予定で、その荷造りもかねての帰省だそうだ。イタリアには、かねてから興味があるらしく、大学での語学履修の選択の際にもイタリア語を選択しようとしたくらいだから、結構本気なのかもしれない。何だか、サッカーのセリエAだとか、車のアルファロメオだとか、イタリア通のようなことを言っているから、私としては浅薄な知識で物を言うなよと叱責したくなるが、彼女としてはマニアのつもりらしいので、言い出せないでいる。元来理屈っぽいところがある娘だから、なかなか御しがたいのだが、それでも親の欲目か、可愛いところもあって、帰ってくる度に大歓迎してしまう。女親は男の子が可愛いのは、うちの妻を見ていても実感できる。それなら、男親が娘のほうを息子よりも可愛いがるかと言えば、そうは言い切れない気もするが、妻に言わせれば、私は娘に大甘らしい。確かに、今日の私の心の湧き立ちぶりからみれば、妻の指摘も納得できる。
 そもそも、私は第一子に男の子が欲しくてたまらなかったため、妻のお腹の中にいるのが女の子だと分かった時は思わず落胆の意を表してしまったが、生まれてくれば性別など関係なく、慈しみ育ててきたつもりである。幸いなことに、娘は、何をやらせてもそつなくこなすだけの能力を持ち合わせていたため、面と向かって罵声を浴びせたことはあまりない。彼女の望むことには何でも答えてきたつもりだが、当人にしてみれば不満を感じたことも多々あるだろう。だが、その親子の心のすれ違いこそが、子供を成長させるバネになるものだから、あえて親として至らなかったとは思わないし、むしろ、先回りして私の気持ちを押し付けてしまったことの方が多いような気がする。自分の身を振り返ってもそうだが、親子の関係なぞ、所詮は人間一人一人の関係に過ぎず、千差万別であって、これこそが理想なんてものはありはしない。要は、親子それぞれがどれだけ納得できる関係を築けるかにかかっているのだと思う。
 帰宅した娘に、今日は望外なサプライズが待っていた。私の父、娘にとっては祖父が自分の車(半年前に買ったばかりの日産マーチ)を成人のお祝いにやると言い出したのだ。なんでも株で儲かったため、農作業用にはいささか都合のよくないマーチを買い換えようと思い立ったらしく、娘にそれを譲ろうと決めたらしい。娘はその話を、祖父から聞いて狂喜乱舞したらしいが、その喜びようが祖父には嬉しかったらしく、始終ニコニコしていたという話だ。(私は例の如く、ビールをあおって寝ていたため、その辺りの事情は、詳らかではない)京都にその車を持っていくわけには行かないが、マイカーができた娘は本当に嬉しそうで、見ている私のほうも、心がうきたってきた。
 今日は敬老の日で、私の住む地区でも敬老の催しが開かれたが、子供達とのふれあいがうまく演出されているようなので、参加された方たちは楽しい時間を過ごされたことだろう。我が家ではそれに合わせたかのように、娘が帰省することで家族中に笑顔が広がった。彼女の力は絶大だなと、再認識したが、これから先色々と物議を醸す存在になるだろうなとも改めて思った。
 とりあえずは、イタリアから無事に帰ってきてもらいたい。かの国は、結構治安が悪いと聞きもするので、若干の不安があるだけに旅行のつつが無しを願うばかりである。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする