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ナゴヤドーム(2)

 やっと、SMAPナゴヤドームコンサートが終わった。やっとと言うのは、さすがの私も少々閉口したからだ。日・火・水と最寄の駅まで車で送っていき、火・水は仕事が終わってから、迎えに行った。4日連続で、12時近くまで家を空け、帰ってきたらきたで、疲れただの、眠いだのと、しゃがれた声で言われても、馬鹿じゃないのと言うしかなかった。確かに妻が、どこではしゃいでいようが、私には関係ないのだが、それでも、どこか面白くない気持ちは残ってしまう。まあ、幸せそうな顔をしているから、勘弁しといてやるかとは思うが・・
 しかし、SMAPのファンというのはかなり年齢層に幅があるものだなと実感した。夜、迎えに行くと、バンバカグッズを持った様々な年恰好の女性達が大量に降りてくる。なんでも、キムタクが「5万人のファンのみんなありがとう」と叫んでいるらしいから、ドームには1晩で5万人近くが集まるのだろう。それがコンサート終了後に一斉に帰宅するのだから、地下鉄の駅などは人でごった返して、危険な状態らしい。退場制限が掛かって、アリーナ席などは、外に出るのに1時間以上かかった日もあったらしい。さすがにそれだけの人数が集まれば、年齢層も多種多様で、今年などは結構な年配の女性とともに、小学生の姿も多く見られたそうだ。SMAPのメンバーの年齢が上がってくるにつれ、ファンの年齢も上がり、子持ちの奥様が子供づれでやってくることが多くなったのだろう。まあ、我が家のように、母娘で同じ対象に黄色い声援をあげるってのも、親子関係としては幸せなのかもしれないが。
 妻によれば、火曜日のコンサートの前に、シンツヨ(慎吾と剛)が愛知万博に行き、帰りに名古屋の栄で味噌煮込みを食べてきたとMCで話したそうだが、ちょうどそのとき栄で買い物をしていた妻達は、絶好のチャンスを逃したと悔しそうに話していた。そのとき、調子に乗った妻が「木曜日にスマさんたちが万博に本当に行くなら、私も行こうかな」などと暴言を吐いたので、いくらの私も「いい加減しとけよ」と思わず叱責した。すると、「やっぱり?」などとおどけた調子で答えた妻を見て、今が本当に最高の気分なんだろうな、と羨ましくなった。こんなときに「お前なあ、これだけ毎日SMAP三昧してりゃあ、もういいだろう」などと説教垂れたところで何にもならない。
 説教なんてものは、いくらこちらが力を込めて、説得力満点で話したところで、相手の心に響かなければ何にもならない、それどころか、反発を食らうだけだ。説教するには、それにふさわしい状況というものがあるし、相手の精神状態、立場というものも考え合わせなければならない。そんなことお構いなしに、文句を並べ立てたところで、馬の耳に念仏、何にもなりはしない。そんなものは、感情の押し付けに過ぎず、言うものは自己満足を味わえるかもしれないが、聞くほうからすれば、いらぬ世話としか受け取れない。酔っ払ったオヤジがくどくど繰り返すようなもので、誰が最後まで聞いていよう。いくら、あなたのためだと言われても、誰も信じない。邪魔なだけだ。
 私も長い間、子供達と接してきて、少しはその辺の事情は分かっているつもりだが、それでも時々空回りしてしまう。私の場合は、いくら無駄と分かっていても、説教するのが仕事だから、やむをえないとは思うが、自己嫌悪に陥ることも少なくない。そんなときは、もっと楽しくやろうよ、力を抜いてリラックスしようよと自分に言い聞かせるのだが・・・
 世の中の人全てが、妻が今週見せていた顔をして暮らしていけたら、平和で楽しいだろうな、と思う。そんな世界だったら、誰も文句を言わないし、毎日笑って暮らせるだろう。「イマジン」の世界ってそんなのだったっけ。
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