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ケイト・ブッシュ

 10月26日にケイト・ブッシュの12年ぶりのアルバム ”Ariel ” が発売されることになった。19995年に最後のアルバム ”Red Shoes ”を発表してから、ここ10年ちかくは、母親業に専念していたようだが、私達ファンにとっては待望久しいニューアルバムがいよいよ発表されると思うと、否応なく胸が高鳴る。
 私がケイト・ブッシュを知るきっかけを与えたのは、妻の妹だ。彼女は、高校時代に2度イギリスへ短期留学したほどのイギリス好きで、よく聴いていたのが当時イギリス音楽界の注目を集めていたケイトだった。ケイトは私と同じ1958年生まれであり、その感性あふれる楽曲、透明感と重層感のあるヴォーカル、さらにはたぐい稀な美貌で、20才そこそこの私を瞬時に魅了してしまった。(余談だが、マイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナなど、1958年生まれの海外ミュージシャンは、ビッグな存在が多い)
 デビューアルバム”Kick Inside ”(日本版タイトル「嵐が丘」)、”Lion Heart””Never For Ever ”は、みな妹から借りてダビングし、車の中などで、いつも聞いていた。彼女の曲はどれも心に深く残るものばかりだが、一番のお気に入りを教えろと言われたら、私は "The man with the child in his eyes" 「少年の瞳を持った男」をためらいなくあげる。ピアノと共に、静かに切々と歌い上げられるこの曲には、ケイトの魅力が見事に凝縮されている。その歌詞の一部、
    I hear him, before I go to sleep
    And focus on the day that's been.
    I realise he's there,
    When I turn the light off and turn over.

    Nobody knows about my man.
    They think he's lost on some horizon.
    And suddenly I find myself
    Listening to a man I've never known before,

    Telling me about the sea,
    All his love, 'til eternity.

    Ooh, he's here again,
    The man with the child in his eyes.
    Ooh, he's here again,
    The man with the child in his eyes.

 歌詞の内容は、恋に悩む女性が自らの鬱屈を鎮めるために、心の中に生み出した男、少年の瞳を持った男が、彼女にやさしく話しかける、といったものだが、私は、 ”man with the child in his eyse ”という表現がこの上なく好きだ。決して、childish ではない、精神的に独立した一個の大人でありながらも、決して少年のように輝く瞳を失っていない男、そんな男になりたいと願って、私は生きてきたのだが、果たしてどうだろう。大人っぽい大きな子供、子供っぽい大人にはなったかもしれないが、恥ずかしながら、まだまだ、「少年の瞳を持った男」にはなりきれていないようだ。この年になって何を今さら、という気もするが、輝く瞳を持てるよう、まだまだ自分を磨いていかなければならない。
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