私が唯一(唯二?)、無手勝流、韋駄天流で独習したピアノ練習曲、一つは”エリーゼのために”、もう一つがショパンのワルツ第10番Op.69No2。、名曲だと思います。Bmで、嫌な調の曲だなーとは思ったけど、何故か、原調のママ練習しました。ピアノを弾ける人の前で弾いて、指使いがメチャクチャ、と馬鹿にされましたけど。ナハハ。
さて、この曲で、コード進行、ベースライン、コード表記についてちょっと説明してみましょう。何もコード進行を学ぶことは、ジャズだけ、ポップスだけの為ではありません。クラッシックを弾いている貴方!!にも音楽の理解、暗記法として良いと思います。但し、そんなことに時間を費やすのなら、指の練習をしなさい、新しい曲に移りなさい、と言う指導法が優先しているんだろうと思います。でも、ホントに其れで良いのかについては、いささか疑問ではありますが。
さて、ハ長調(イ短調)に直して、譜面を書いてみましょう。全部書くのは大変なので、一部だけ。
教材はYoutubeにあふれていますが、お勧めは
http://www.youtube.com/watch?v=cxG-kOTMgaA
楽譜まで書いてあります。って、こんなの、いいんかな?
この曲の形式はAABA、それから展開部って言うのかな?があり、その後、基に戻る。
AA(Am:A minor)からB(サビ。英語ではBridgeと言います)平行長調(C major)に移調、再びAの部分に戻ります。ここはAmのスケールです。その次、同名長調(A)に転調、ついで同名短調(Am)に転調、再びAABAに戻り、お終いと相成ります。(早速、前回学んだことが出てきましたねー!!)。この項では、AABAの最初のAの部分の説明とコードの提示をいたします。小難しい二段組の楽譜でも、コードで書けば簡単明瞭、ベースラインまでお勉強できるという韋駄天流解釈です。
さて、楽譜の上に書いてある文字がコードを表しています。ついでピアノ譜では上が右手、下が左手となっています。*1について、ほぼ同様のメロディーに、全く同じコードですが、ベースの音(ずんちゃっちゃのずんの音)に注目してください。最初は、B-G#となっています。次はB-Eとなっている、少なくとも違う音が出ていることに注意してください。つまり、最初はG#、次はEとなっています。
ここで、ベースの音について、しっかり理解しましょう。コードにはルート音(根音)があり、コードEでは3和音はE,G#,Bですが、コードの特性を一番強く表すのは、根音、この場合はEの音です。次に完全5度上のB、ついでG#となります(ルートから長3度上)。ショパンは、この曲で、最初は一番ドミナントコードの地味なG#を使い、次は、一番はっきり特性を表すE(根音)を使っています。さらっと演奏されていますが、その違いを味わってください。
また、Bm7♭5などという難しいコードがありますが、ここはDm(7 or 6)でかまいません。もう一つ、Diminished7と言う、減七コードが出ていますが、まあ、こんなものだと思っていてください。
古典派の音楽は、実は3和音を理解していれば、大体問題なくこなせる曲となります。4和音、ここでは、Bm7♭5、Diminished7と言うコードが4和音として出てきますが、あからさまに3和音とは違うので、そこだけ勉強すれば良いし、前者に関してはDmの理解で十分だからです。Diminished7は、バッハのトッカータとフーガでも出てきます。
さて、もう一つ、*2にBm7♭5/A,E/Aという二つのコードに注目してください。これらは分数コードと言い、ベースの音は、分子にかかれている音(ここではB,E)を使わず、Aを使うという意味です。これはこれからしばしばみうけます。頭にちょっとだけ入れておいてください。
と、たった12小節からも色々学ぶことは多いですね。素敵なピアノを習った女性に聞いてみたら、其れ何??と言われたことは前に紹介しましたが、ピアノのお勉強では、そんなことは一切お構いなしのようです。ただ、私が小学生の頃、メチャクチャピアノの上手な同級生がいましたが、彼は、ちゃんとそういうことを体得していたように思います。人それぞれです。でも、漫然とピアノのお稽古をしているだけでは、こういう発想は出てこないことに注意してください。最初にクラッシックから教材をとったのは、大した意味はありません。コード進行からは、古典派の音楽は極めて単純な音楽だと言いたかっただけです。バロック音楽などはもっとシンプルと言って良いでしょうね。韋駄天講座では、ショパンの名曲もシンプルな解説が可能です。また、音楽の勉強にクラッシックは実は大切な教材になります。どう勉強するか、目を使うか、耳を使うかが、大きな切り口の差になると言うことです。
さて、これからは、ポップス、スタンダードに例をとり、解説していきましょう。