Hiro君の手作りジャズライブ・京都 Blog

寺崎純(p)を中心とする京都のプレーヤーと大阪、神戸を主戦場とするジャズメンとのブッキングを、行いたいと考えています。

韋駄天ポップス・ジャズ講座・17”鈴掛の径”

2011年05月08日 22時37分13秒 | Weblog

さて、今回は、貴方のお好きな"鈴掛の径”鈴木章治氏の十八番ですね。彼がPeanuts Huchoと録音、売れに売れたそうです。クラリネットの曲というと、この曲を頭に浮かべる人も多いと思います。鈴木氏自身も何度も録音しています。一部ハーモニーを換えたりして。今回は、オリジナルのコード進行での説明を致します。

お手本は、
http://www.youtube.com/watch?v=hwL4K_c8YbY&feature=related
音はよくありませんが、ハーモニーがオリジナルなので、これに致しました。

http://www.youtube.com/watch?v=hwL4K_c8YbY&feature=relatedの方は音は良いのですが、一部コード進行が換えてあります。

さて、Peanuts Huckoが考えたという有名なイントロに続き、テーマが演奏されます。この部分について考えましょう。

全てA minor scaleで記載します。(実際の演奏はDm,クラではEmのキーになります。)

A|Am | E7 | Am | A7 { Dm |A7 |Dm ||Dm |
B|E7 |E7 |Am | Am | B7 | F7  | E7|E7|
A|Am | E7 | Am | A7 { Dm |A7 |Dm ||Dm |
C|E7 |E7 |Am | Am | Am/Dm | E7|Am|Am|

32小節、ABACもしくはABAB形式と言っていいですが、元々この曲、ハワイアンだったそうで、そんなに難しいコードはありません。
それでも、韋駄天流に解釈するところがあります。
其れは第1~4小節と、第5~8小節の関係です。
前者を、下属短調に転調したと考えれば、同部のアドリブは簡単(同じⅠ-Ⅴ-Ⅰ)になります。実はDmは下属短調のtonic chordですが、素早く元のキーのsubdominant chordに戻っています。
Youtubeの後者では、この部が転調無しにⅣ(Subdominant)ーⅤ(Dominant)ーⅣ(Subdominant)となっています。鈴木氏も、何度も演奏して、飽きて、このコード進行に換えたんじゃないかと思っています。dominantからsubdominant chordに移行するのは、そんなに普通じゃありません。

又、Bの後4小節、このコード進行(Ⅱ-平行長調のⅣ-元の短調のⅤ(dominant chord)はMinor scaleでよく出てくるパターンです。そのまま覚えましょう。またCはBと第1~4小節が一緒です。

この曲のミソは、転調、それから Bの後ろ4小節にあります。(Fをたった一小節だけ平行長調に移調した、と考えても良いかもしれません。)この部を意識してアドリブすると、一皮むけるかも知れませんね。

Cの一番最後のAmは前回同様、又アドリブに回すときにはEに換えます。お忘れ無く。

 

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韋駄天ポップス・ジャズ講座・16”素敵な貴方 Bei Mir bist du schon”

2011年05月08日 22時13分08秒 | Weblog

貴方の好きな”素敵な貴方”、本当は、ハ長調の曲についてお話しするのが順番としては良いのですが、今、この曲をやっている貴方のために敢えて解説いたします。曲はA minor scaleイ短調です。さて、この曲を最初に取り上げる理由は、たった一つ。この曲がたった3つの和音、それも、主要3和音で構成されている曲だからです。主要3和音は、Am,Dm、Eの三つです。A,B各部は8小節(Bars)からなっていて、計32小節。曲は32小節。AABAの二部形式。Bはさび(Bridge)です。縦線二本で囲まれた部が1小節を表します。

其れではコードを書いてみましょう。
A:|Am|Am|Am|Am|E|E|Am |E|
A:|Am|Am|Am|Am|E|E|Am(・Dm) |Am|
B:|Dm|Dm|Am|Am|Dm|Dm|E(・F7)|E|
A:|Am||Am|Am|Am|E|E|Am |Am|

お手本は
Bei Mir Bist Du Schoen - Janis Siegel
http://www.youtube.com/watch?v=cWvuB1vSsAc&feature=related

コードは一部、簡略化してあります。曲のつなぎのために入れているコード、転調のために入れているコードがあるからです。今は、余り深く考えなくて良いでしょう。さて、何と簡単な曲でしょう!

でも、アドリブをする時には、以下を熟考してください。
使うスケールは、Aの前半ではMerodic minor scale,後半ではHarmonic scaleを使います。BではNatural minor scaleを使います。そうです。F#をつかうか、Fを使うか。G#をつかうか、Gをつかうか。
この曲のミソは、楽典的には使うminor scaleが、部分で違うという点と思っていただいて良いと思います。

其れでは、コード進行を、実際にピアノで弾いてみましょう。AmはⅠ(tonic chord)、Dmは、Ⅳ(subdominant chord)\EはⅤ(dominant chord)です。もし、長調、短調が解らなければ、C,F,GとCm,Fm、GをⅠ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰと続けて弾いてみて、違いを体得しましょう。(おおっとー、同名長調と短調がでてきましたーー!!。ついで、C,F,GとAm,Dm,Gを同様に弾いてみましょう。(オオットー、平行長調と平行短調が出てきましたー!!忘れた人は転調の記事を読みましょう。)

もう一つ、アドリブを回す時、比較的早いテンポの曲の時には、32小節を一つの単位として、楽器毎に回します。また、回す時には最後の小節をAmでなく、Eに換えて、まだ終わってませんよー!!と言う意味にします。このことは多くの場合に当てはまりますので、是非覚えておいてください。

アドリブは、コードの音を中心に上下するUp and Down法(と勝手に命名!)、スケールのようにつなげる、Continuous change法(と勝手に命名!)を上手く組み合わせ、音符の長さも色々工夫してしましょうね。その為には、上手な人の音使い、リズム使いを学びましょう。そう、耳で聴きましょう。勿論、アドリブを採譜した譜面を見るのも有用だそうです。(まだ、遣ってません、グスン。)

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韋駄天ポップス・ジャズ講座・15”おおっと、突然クラッシックです!!”

2011年05月08日 16時29分27秒 | Weblog

私が唯一(唯二?)、無手勝流、韋駄天流で独習したピアノ練習曲、一つは”エリーゼのために”、もう一つがショパンのワルツ第10番Op.69No2。、名曲だと思います。Bmで、嫌な調の曲だなーとは思ったけど、何故か、原調のママ練習しました。ピアノを弾ける人の前で弾いて、指使いがメチャクチャ、と馬鹿にされましたけど。ナハハ。

さて、この曲で、コード進行、ベースライン、コード表記についてちょっと説明してみましょう。何もコード進行を学ぶことは、ジャズだけ、ポップスだけの為ではありません。クラッシックを弾いている貴方!!にも音楽の理解、暗記法として良いと思います。但し、そんなことに時間を費やすのなら、指の練習をしなさい、新しい曲に移りなさい、と言う指導法が優先しているんだろうと思います。でも、ホントに其れで良いのかについては、いささか疑問ではありますが。

さて、ハ長調(イ短調)に直して、譜面を書いてみましょう。全部書くのは大変なので、一部だけ。

教材はYoutubeにあふれていますが、お勧めは

http://www.youtube.com/watch?v=cxG-kOTMgaA

楽譜まで書いてあります。って、こんなの、いいんかな?

この曲の形式はAABA、それから展開部って言うのかな?があり、その後、基に戻る。

AA(Am:A minor)からB(サビ。英語ではBridgeと言います)平行長調(C major)に移調、再びAの部分に戻ります。ここはAmのスケールです。その次、同名長調(A)に転調、ついで同名短調(Am)に転調、再びAABAに戻り、お終いと相成ります。(早速、前回学んだことが出てきましたねー!!)。この項では、AABAの最初のAの部分の説明とコードの提示をいたします。小難しい二段組の楽譜でも、コードで書けば簡単明瞭、ベースラインまでお勉強できるという韋駄天流解釈です。

さて、楽譜の上に書いてある文字がコードを表しています。ついでピアノ譜では上が右手、下が左手となっています。*1について、ほぼ同様のメロディーに、全く同じコードですが、ベースの音(ずんちゃっちゃのずんの音)に注目してください。最初は、B-G#となっています。次はB-Eとなっている、少なくとも違う音が出ていることに注意してください。つまり、最初はG#、次はEとなっています。

ここで、ベースの音について、しっかり理解しましょう。コードにはルート音(根音)があり、コードEでは3和音はE,G#,Bですが、コードの特性を一番強く表すのは、根音、この場合はEの音です。次に完全5度上のB、ついでG#となります(ルートから長3度上)。ショパンは、この曲で、最初は一番ドミナントコードの地味なG#を使い、次は、一番はっきり特性を表すE(根音)を使っています。さらっと演奏されていますが、その違いを味わってください。

また、Bm7♭5などという難しいコードがありますが、ここはDm(7 or 6)でかまいません。もう一つ、Diminished7と言う、減七コードが出ていますが、まあ、こんなものだと思っていてください。

古典派の音楽は、実は3和音を理解していれば、大体問題なくこなせる曲となります。4和音、ここでは、Bm7♭5、Diminished7と言うコードが4和音として出てきますが、あからさまに3和音とは違うので、そこだけ勉強すれば良いし、前者に関してはDmの理解で十分だからです。Diminished7は、バッハのトッカータとフーガでも出てきます。

さて、もう一つ、*2にBm7♭5/A,E/Aという二つのコードに注目してください。これらは分数コードと言い、ベースの音は、分子にかかれている音(ここではB,E)を使わず、Aを使うという意味です。これはこれからしばしばみうけます。頭にちょっとだけ入れておいてください。

と、たった12小節からも色々学ぶことは多いですね。素敵なピアノを習った女性に聞いてみたら、其れ何??と言われたことは前に紹介しましたが、ピアノのお勉強では、そんなことは一切お構いなしのようです。ただ、私が小学生の頃、メチャクチャピアノの上手な同級生がいましたが、彼は、ちゃんとそういうことを体得していたように思います。人それぞれです。でも、漫然とピアノのお稽古をしているだけでは、こういう発想は出てこないことに注意してください。最初にクラッシックから教材をとったのは、大した意味はありません。コード進行からは、古典派の音楽は極めて単純な音楽だと言いたかっただけです。バロック音楽などはもっとシンプルと言って良いでしょうね。韋駄天講座では、ショパンの名曲もシンプルな解説が可能です。また、音楽の勉強にクラッシックは実は大切な教材になります。どう勉強するか、目を使うか、耳を使うかが、大きな切り口の差になると言うことです。

さて、これからは、ポップス、スタンダードに例をとり、解説していきましょう。

 

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