Scale(音階)、Chord(和音)が大部解って来ましたね。
今までは、和音は3音による構成のものを述べてきました。でも、ジャズでは4音構成の和音が基本になります。勿論、ロックでも、ポップスでも4和音は頻用されます。
さて、韋駄天講座の本番です。
簡単な和音で出来ていると思われる、文部省唱歌、演歌、ポップスの曲を選んで、コードを聞き分けるトレーニングを開始することです。この際、どんな調の曲も、全部ハ長調で考えましょう。最近(ホントは昔から)のエレキピアノはキートランスポーズというメカがあり、転調はどこにでも出来ます。(昔、小柳徹子さんが、高名な音楽家、團伊玖磨氏に、どんな曲もハ長調に直して弾くと簡単だ、とか何とか言って、呆れられたと言っていましたが、これです。かの有名なサックスプレーヤー、ウェイン・ショーターもデビュー時は4つくらいの調しか吹けなかったと聞いたことがあります。)Ⅰ,Ⅱ、Ⅲ・・・・、と数値化すれば、更に類型化しやすいかもしれません。もう一つ注意すべき事があります。、以前、少し教えた、ピアノの正統派の教育を受けた人は、手の格好が同じなら、同じ和音が弾けると考えるようですが、実は違います。低音部でドミソを弾くと、音は濁ります。高音部では濁らないのです。何故でしょうか。これは倍音列で説明できると考えていますが、これは後ほど。指使いを教えるためのピアノの連弾の癖が残っているんでしょうね。実際に出た音に関しては、教師も生徒も実は注意を払っていないと言う事実の裏返しのように思えます。兎も角、自分の弾いた音を聞く暇も心の余裕も無いトレーニングをしてきた結果が、時々正統派の方々から垣間見えます。もう一つ、3和音以外にもう一つ音が聞こえる?そうです、其れが4つの音で構成される和音です。
たとえば、"チューリップの花”などかんたんですよね。"春のうららの隅田川”は少し難しくなります。
Beatlesの曲は譜面も売っているし、自分でコードを分析した後、間違いをチェックするというのも良いと思います。”Love me do"”I saw her standing there"など、初期の曲は比較的簡単なコード進行です。解らなかった時、適切にアドバイスしてくれる人がいれば尚良いと思います。どうしても、解らない和音を適切に教えてくれる人、そういう人を見つけるのが実は大変なんです。
慣れてくれば、スタンダードのコード進行など、結構ネットに落ちていますので、其れを使えば、ただで独習が出来ます。時には、楽譜の間違いに気づく事もあります。(昔は、いい加減な譜面が多かったので、自分で修正して演奏していた記憶があります。ポップスの話ですが。)
重要なことは、譜面から音楽に入るのは止めることです。このあたりが韋駄天流です。と、えらそうなことを書いていますが、実は、こういうトレーニングをすれば、一年も経てば、ある程度解るようになる、とあるジャズ教則本には、書いてあったと思います。そこを強調しているだけですが、その重要性を理解するまでは、ばかばかしいと感じる人が多く、そこにトライするまでに、多くの人はめんどくさいので止めてしまうのでは、と、私は考えています。又、初歩的なことは簡単に説明するだけで、解らない人は解らないまま終わってしまうと言う結果になっているのではとも考えています。
本格的にプロの演奏家になる人は、正統派音楽の訓練は勿論必要です。音符が多くて真っ黒な譜面を読み、初見で吹く能力が必要でしょう。譜面が読めないと、スタジオワークが出来なくなります。曲の習得にも時間がかかります。それだけでなく、ハーモニーの感覚をトレーニングする必要があります。感性の鍛錬も大切でしょう。でも、プロになる人が、こんな講座は読みません。音楽をエンジョイすればいい人は、耳から入りましょう。但し、コードを聞き分ける、コード進行を頭に入れるという、正統派音楽教育に欠けていたトレーニングをしましょう、と言うのが、この項、あるいは全体の主旨なんです。コード進行は、実は、類型が限られていて、何百とあるわけではありません。(実際に数えたことはありませんが。)従って、コード進行で曲を把握すると、曲の記憶法にもなります。ここで注意すべきは、コード進行を丸尾ぼえするのではなく、曲のメロディーをイメージする時、同時にハーモニーもイメージ出来るようになる訓練をすることです。
まだ、終わっていませんが、もう少し、詳しく、コード、コード進行のことを理解していただければ、実は、プロのプレーヤーの演奏を耳できいて(Transcribeといいます)演奏する、其れを継続、蓄積することで可成り演奏できるようになります。次回は4和音です。
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