高山(たかやま)、標高1805m。福島県福島市。吾妻連峰の南端に位置する独立の峰で、特に南方向によく開けたロケーションです。ここの山頂には、2枚の巨大な反射板が設置されていて、山頂の雰囲気を著しく損ねていることや、反射板が何らかの影響をおよぼして、面白い電波伝搬が楽しめるのではないか、ということについては、以前にも書きました。前回は、2度とも145MHzでの運用で1エリア各局と交信できましたが、反射と言えば430。巨大反射板を背に430MHzで運用してみたらどんなだろうとの好奇心で三たび登ってみました。
この日、日本海側は晴れ、太平洋側は東からの湿った空気が流れ込んで曇りの予報。この山は、前回、前々回とも天気に恵まれず、時にガスまじりの突風で飛ばされそうになりながら交信を続けたことが脳裏をよぎりました。行くだけ行ってみようと仙台を朝4時に出発。福島市内はどんよりして、山の稜線は見えません。今回も悪天候?不安なまま、磐梯吾妻スカイラインを上がると、徐々に明るくなり、なんと雲間から真っ赤な日の出が。浄土平に着く頃には青空が広がっていました。眼下は一面の雲海。
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浄土平付近より
鳥子平からは、勝手知った登山道をひたすら登り、午前7時前に巨大反射板のある山頂に到着。正面に箕輪山と安達太良連峰が飛び込んできました。西には磐梯山、北は東吾妻山と鎌沼、一切経など・・・。南側が切れ落ちて、真下には麦平の湿原や野地温泉などが見えています。眺望に恵まれ、高度感にも優れた申し分のない山頂です。なのに、無粋な反射板が・・・。そういう理由もあってか、登山の対象にはなりにくいのかもしれません。この日、5時間近く山頂に居座ったのですが、誰一人登ってくる人はいませんでした。
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高山山頂
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巨大反射板
さて、さっそく無線の準備。場所は2枚ある反射板の真後、山頂の西端。リグは、アルインコのDJ-S47、430MHzモノバンドハンディ機(4.5W)。しばらくぶりの登場となります。アンテナはスイスクワッド。山岳移動を始めた頃はよくこのコンビで運用しました。スイスクワッドは神奈川ハムセンターからスタック(2個一組)で購入したもので、山ではシングルで使います。10×15センチ程の立方体なので小型ザックにもすっぽり入って、現地での組み立ては不要。
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スイスクワッド
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ガンママッチがなぜかハンダ付けされているため、
リング(下)を装着して共振点を合わせることに。
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エツミのセットスクリューで三脚に装着
ワッチしたところ、まだ7時前というのに、何局か信号が入ってきます。山での運用は、この瞬間が一つの醍醐味ですね。とにもかくにも信号がたくさん聞こえること。その中に混じって遠方の信号も聞こえてくれば御の字。試しに、RH-770に変えて、反射板のまわりをうろついてみたところ、場所によってかなり強弱があります。反射板との距離によっても変わるようですが、それが本当に反射板の影響なのかどうかの確証までは得られませんでした。
ちょうど7時、はじめの場所に戻って、1エリアに向けて、CQを出したところ・・・応答なし。再度CQ・・・応答なし・・・?? やはり430は厳しいかな。それとも時間が早すぎ?はたまたリグが壊れた?3度目のCQ・・・。やっと福島市内から応答いただきました。「え、もう山頂ですか?」いつも山頂同士で交信いただいている局でこれから山仕度とのこと。続いて、埼玉県新座市の固定局。GPで20W、59-59。相手局が0.3Wに切り替えてみるとのことなので、こちらも0.8Wにして53-51。Sはまったく振れず、若干ノイズっぽくなりましたが、問題なく了解できました。ナビで調べていただいたところ、新座市とは安達太良と那須連峰を微妙にすり抜け、ほぼ見通しとのこと。興味深い交信をさせていただきました。距離約220Km。この後、茨城県稲敷市57-59、桜川市59-59、八千代町59-59、猿島町51-51、千葉県船橋市57-59、銚子市59-59、東京都東村山市55-55など各局と交信いただきました。相手局のロケーション、設備によりますが、おおむね200から240 Kmの範囲で良好に交信可能なようです。145でヘンテナを使った時に比べて、交信範囲は広いように感じました。当てずっぽうで、西に向けて山岳反射を試みたのが良かったような・・・。 ただ、0エリアからの応答はありませんでした。
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小休止して、今度は145MHz(DJ-S17)で運用してみました。アンテナはツインデルタループ。場所も少し移動して、山頂東側、反射板の側面。北は宮城県石巻市や大崎市、南は千葉県成田市、西は富山県黒部市の唐松岳山頂移動局と交信できました。唐松岳は運用される方が多いのか、蔵王南屏風岳、鳥海山中腹に続いて、これで3度目です。52-55。相手局はFT-817+ホイップとか。遠いと思っていましたが、帰宅後、地図で確認してみると、東京とあまり変わりません。距離約250 Km。この日の最長記録でした。
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ツインデルタループ(エレメント全長約4m)
今回は、久しぶりの430運用で、各局に交信いただき、思いがけない出会いもありました。430にしても145にしても5W弱のFMハンディ機と簡素なアンテナで1エリアとそこそこ安定して交信できる北限の山頂がこの高山なのかもしれません。蔵王周辺からではこうはいかないです。西吾妻や磐梯山、飯豊ならどうなんでしょうか? そのうち、試してみたいとは思うのですが・・・。
無線機持っての山岳徘徊、今シーズンもいつの間にやらもう半ばを過ぎたようです。
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鳥子平湿原
この日、日本海側は晴れ、太平洋側は東からの湿った空気が流れ込んで曇りの予報。この山は、前回、前々回とも天気に恵まれず、時にガスまじりの突風で飛ばされそうになりながら交信を続けたことが脳裏をよぎりました。行くだけ行ってみようと仙台を朝4時に出発。福島市内はどんよりして、山の稜線は見えません。今回も悪天候?不安なまま、磐梯吾妻スカイラインを上がると、徐々に明るくなり、なんと雲間から真っ赤な日の出が。浄土平に着く頃には青空が広がっていました。眼下は一面の雲海。
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浄土平付近より
鳥子平からは、勝手知った登山道をひたすら登り、午前7時前に巨大反射板のある山頂に到着。正面に箕輪山と安達太良連峰が飛び込んできました。西には磐梯山、北は東吾妻山と鎌沼、一切経など・・・。南側が切れ落ちて、真下には麦平の湿原や野地温泉などが見えています。眺望に恵まれ、高度感にも優れた申し分のない山頂です。なのに、無粋な反射板が・・・。そういう理由もあってか、登山の対象にはなりにくいのかもしれません。この日、5時間近く山頂に居座ったのですが、誰一人登ってくる人はいませんでした。
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高山山頂
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巨大反射板
さて、さっそく無線の準備。場所は2枚ある反射板の真後、山頂の西端。リグは、アルインコのDJ-S47、430MHzモノバンドハンディ機(4.5W)。しばらくぶりの登場となります。アンテナはスイスクワッド。山岳移動を始めた頃はよくこのコンビで運用しました。スイスクワッドは神奈川ハムセンターからスタック(2個一組)で購入したもので、山ではシングルで使います。10×15センチ程の立方体なので小型ザックにもすっぽり入って、現地での組み立ては不要。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/7d/4550de9f793f85c822cc7ff2d0c75d39.jpg)
スイスクワッド
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/08/dfe91e7a459d3db8ae18f14ef57481e9.jpg)
ガンママッチがなぜかハンダ付けされているため、
リング(下)を装着して共振点を合わせることに。
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エツミのセットスクリューで三脚に装着
ワッチしたところ、まだ7時前というのに、何局か信号が入ってきます。山での運用は、この瞬間が一つの醍醐味ですね。とにもかくにも信号がたくさん聞こえること。その中に混じって遠方の信号も聞こえてくれば御の字。試しに、RH-770に変えて、反射板のまわりをうろついてみたところ、場所によってかなり強弱があります。反射板との距離によっても変わるようですが、それが本当に反射板の影響なのかどうかの確証までは得られませんでした。
ちょうど7時、はじめの場所に戻って、1エリアに向けて、CQを出したところ・・・応答なし。再度CQ・・・応答なし・・・?? やはり430は厳しいかな。それとも時間が早すぎ?はたまたリグが壊れた?3度目のCQ・・・。やっと福島市内から応答いただきました。「え、もう山頂ですか?」いつも山頂同士で交信いただいている局でこれから山仕度とのこと。続いて、埼玉県新座市の固定局。GPで20W、59-59。相手局が0.3Wに切り替えてみるとのことなので、こちらも0.8Wにして53-51。Sはまったく振れず、若干ノイズっぽくなりましたが、問題なく了解できました。ナビで調べていただいたところ、新座市とは安達太良と那須連峰を微妙にすり抜け、ほぼ見通しとのこと。興味深い交信をさせていただきました。距離約220Km。この後、茨城県稲敷市57-59、桜川市59-59、八千代町59-59、猿島町51-51、千葉県船橋市57-59、銚子市59-59、東京都東村山市55-55など各局と交信いただきました。相手局のロケーション、設備によりますが、おおむね200から240 Kmの範囲で良好に交信可能なようです。145でヘンテナを使った時に比べて、交信範囲は広いように感じました。当てずっぽうで、西に向けて山岳反射を試みたのが良かったような・・・。 ただ、0エリアからの応答はありませんでした。
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小休止して、今度は145MHz(DJ-S17)で運用してみました。アンテナはツインデルタループ。場所も少し移動して、山頂東側、反射板の側面。北は宮城県石巻市や大崎市、南は千葉県成田市、西は富山県黒部市の唐松岳山頂移動局と交信できました。唐松岳は運用される方が多いのか、蔵王南屏風岳、鳥海山中腹に続いて、これで3度目です。52-55。相手局はFT-817+ホイップとか。遠いと思っていましたが、帰宅後、地図で確認してみると、東京とあまり変わりません。距離約250 Km。この日の最長記録でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/d7/3789b0cf47aa2f96c8c1d66fb5d74362.jpg)
ツインデルタループ(エレメント全長約4m)
今回は、久しぶりの430運用で、各局に交信いただき、思いがけない出会いもありました。430にしても145にしても5W弱のFMハンディ機と簡素なアンテナで1エリアとそこそこ安定して交信できる北限の山頂がこの高山なのかもしれません。蔵王周辺からではこうはいかないです。西吾妻や磐梯山、飯豊ならどうなんでしょうか? そのうち、試してみたいとは思うのですが・・・。
無線機持っての山岳徘徊、今シーズンもいつの間にやらもう半ばを過ぎたようです。
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鳥子平湿原
通信手段の発達した現代ですが、やっぱり無線の楽しみのひとつは「意外な出会い」であることを実感いたしました♪
これからも時々ブログにお邪魔させていただきますが、またいつか交信の方もよろしくお願いします。
いつもは2mのみで、430での運用は久しぶりだったのですが、FLZさんとここで交信できるとは思ってもいませんでした。
高山より南の山であれば何とかなりそうな手応えをいただきました。ハンディ機とご覧いただいたようなコンパクトな空中線でこれだけ楽しめれば御の字です。機会があればまた430で声を出したいと思います。微弱な信号でも届いておりましたらよろしくお願いします。