JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

秣岳 天馬尾根

2010年06月15日 | 奥山 移動運用
 栗駒山から北西に、標高1400m程のなだらかな稜線が伸びていますが、これが天馬尾根です。そのピークが秣岳(まぐさだけ)。標高は1424m。QTHは秋田県雄勝郡東成瀬村。


秣岳山頂より栗駒山


 尾根全体が草原となって、随所に湿原もみられる、静かな山上の別天地。実は、移動運用を始めるに際して、最初に思い浮かんだのはこの山でした。この草原に腰を下ろして無線ができたらどんなにすばらしいか、と・・・。なかなか実現しないでいるうちに、岩手宮城内陸地震が起こってしまいました。

 2週間前、一関市から須川温泉までの道路が復旧したとの知らせを聞きました。地震から丸2年、今回、やっと思いがかないました。

 天馬尾根へは、須川温泉を登山口に、昭和湖、栗駒山への分岐を右折、秣岳を経て国道に下る、そして長い車道歩きで須川温泉に戻る、というコースが一般的かと思います。途中の岩頭からは、栗駒山中の秘境、龍泉ヶ原の湿原も一望できます。変化に富んた秀逸な周遊コースですが、いかんせん時間がかかります。今回は、天馬尾根からの無線運用が目的なので、秋田側から直登することにしました。

 この日は、朝からどんよりとした空模様。一関に着いた頃には弱い霧雨となっていました。どうなることかと思いながら、復旧した山岳道路を上っていくと、徐々に明るくなり、須川温泉では雲一つない晴天に。梅雨時、宮城県は雨、秋田、山形は晴れ、もしくは下界は雨で山上は晴れ、というパターンが多くなります。天気は梅雨モードに突入したようです。

 8時20分登山開始。ブナ林の道を一気に高度を上げて、約1時間で秣岳山頂に到着。尾根の最高地点なので見晴らしは申し分ありません。北に焼石連峰、西に鳥海山、新庄神室連峰、すぐ間近に虎毛山、高松岳。そして正面には圧倒的な存在感で栗駒山。ただ、ここは狭い山頂なので、落ち着いて無線運用するには適しませんね。さらに20分程進んで、天馬尾根の中間地点にある通称「岩のピーク」にて運用することにしました。草原に突き出た小ピークで、雰囲気の良さは山頂以上です。


須川湖方面


岩のピーク


 今回も装備はJ型アンテナとDJ-S17(145MHz 4W エネループ)。

 南東に栗駒山が立ちはだかっているので、どんな反射があるのか、見当つきません。ワッチしてみると、蔵王移動局が聞こえてきました。何度か交信いただいている局で59振切れで入感。後でお声掛けすることにして、さっそくCQを出してみました。北は岩手県九戸村、盛岡市、能代市、横手市、仙北郡など。西は酒田市、山形市、寒河江市、小国町など。南は福島県伊達市、福島市、郡山市。QTH(東成瀬村)が珍しいこともあり、宮城、山形、秋田、岩手県各局からほぼ途切れなくお声がかかりました。



 伝搬としては、まんべんなくどの方角にも飛んでいる印象です。仙台方面は、栗駒山が壁となって良くないと予想しましたが、何の障害物もないという感じの信号でした。こちらの信号も東成瀬村からハンディ機とは思えないとのレポートを各局からいただきました。北もFBです。九戸村(移動局)、盛岡市ともに59。ただ、7エリアのほぼ中央部に位置することや、標高がさほど高くないためかどうか、7以外の遠方との交信はありませんでした。




 この日は、仙台の局と交信中に比較的強い地震がありました。福島県沖を震源として仙台市内でも震度4だったそうです。こちらは地震と言われなければ感じない程度の揺れでした。大きな地震の前後に異常伝搬が起こるという話を聞きますが、今回に限って言えばそういうこともなかったようです。


 下山後、須川温泉下の「くりこま山荘」にて入浴。露天風呂からは、先ほどまでQRVしていた天馬尾根の稜線が、眼前に迫っておりました。



天馬尾根しろがね草原から虎毛山




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