JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

泉ヶ岳

2011年05月17日 | 奥山 移動運用
 仙台市民にとって水源の一つでもあり、憩いの山でもある泉ヶ岳。年に数回は登っているはずですが、なぜか昨年は一度も登っておらず、今年も雪が固まりかけてこれからという時に震災となり、登る機会はありませんでした。

 開局して始めて移動運用したのもこの山です。リグは、ハンディ機DJ--S47で、その時は外部アンテナという発想は持ち合わせておらず、付属ホイップで後先も考えずCQを出したところ、いきなりパイルアップで大混乱。その頃、ホームからは毎晩のように仙台市周辺の数局とラグチューしていたと思いますが、この時は、福島や宮城県北部の各局に呼んでいただいて、山頂の威力を実感した記憶があります。それからしばらく、足繁くこの山に通いました。そして、いつからともなく物足らなくなって通わなくなってしまった、今思うと、そんな山です。


 標高は1175m。奥羽山脈の船形連峰から東に派生した尾根の突端の山。仙台平野に突き出ているため、西以外は何も遮るものがありません。もし、この山頂にレピーターを設置すれば、QRPでも宮城県内くまなくカバーするのは間違いないと思います。さらに福島県浜通および中通の北部、岩手県盛岡市あたりまで飛んでいきます。1エリアの信号が聞こえたことが1度だけありましたが、交信には至りませんでした。意外に西も悪くなく、山形県村山、置賜、庄内地方(いづれも固定局)とも何度か交信できています。でも標高が1000mちょっとなので、過大な期待はできません。自分の経験では、地形や位置にもよりますが、標高1500mを超えると飛びの世界が変わるような気がします。思いもよらないところから呼ばれる機会が多くなります。それはやはり奥羽山系の主脈の山々ということになるので、1000m程度だとそういう意外感は少ないです。

 そんな泉ヶ岳ですが、仙台から地下鉄とバスで手軽に登山口まで行ける、それなりに高山の雰囲気が味わえる、様々なルートがあって変化に富んでいる、等々貴重な存在ではあります。


岡沼からの泉ヶ岳


スキー場最上部より 



 さて、この日は、前日からの影響が残って強風の予報となっていました。一応、風対策として三脚には工夫を施しておきました。と言っても、有り合わせのビニール線を50cmの輪にして、三脚の先端にそれぞれ取付けておいただけです。これに石を挟んで固定すれば、多少の風で倒れることはないだろうとの目論み。




 始発のバスに乗って、8時に泉ヶ岳駐車場着。今日は、無線運用が目的なので、最短ルートである滑降コースで山頂へ。案の定、山頂はとてつもない風が吹いて、時折突風で立っていられない程。これはいくらなんでも厳しいのでは?とも思いましたが、天気自体は問題なく、風が弱まるのも時間の問題?ということで、まずは石拾い。ちょうどよい石を見つけて、三脚のヒモに固定。設置は上々です。

 アンテナは、430MHzと145MHzの両方を試してみたかったので、ログペリにしました。重めのアンテナなのでどうしようか迷ったのですが、不安的中。想定外というか、単に想定が甘かったというべきか、三脚は持ちこたえるのですが、雲台が耐えてくれません。ログペリの重みと突風で雲台部分から倒れてしまうのです。ログペリ単体を手持ちしてみたところ、風の抵抗が半端ではありません。これでは無理。いったん撤収して、風が弱まるまで、ロッドアンテナ(RH770)での運用に切り替えることにしました。


 さっそくワッチしてVFOを回してみると、145.200で「JF0・・・」のコールサインが聞こえてきました。え?0? この山で0エリアとの交信実績はなく、これまで信号が聞こえたこともありません。なので、ここから0エリアは当局の設備では不可能と思い込んでいました。それがロッドアンテナで入感とは・・・。よく聞いてみると、コンテストでショートQSOの最中でした。聞こえるのはこの局のみで、交信相手はまったく入感ありません。少し待って応答してみると、一発でコールバック、コンテスト相場で59のレポートをいただきました。こちらからは52。QTHは新潟県長岡市。何かFBなアンテナでもお使いですか?とのことなので、5Wハンディ機にロッドアンテナと伝えたところ、驚ろかれてしまいました。こちらもびっくり。距離約200Km。蔵王とその奥の飯豊連峰の両方がまともに壁となる位置関係。山岳回折でしょうか?安定した信号で、その後も52~55でずっと聞こえておりました。思わぬサプライズ。泉ヶ岳+RH770、侮りがたし。


5エレログペリ 145と430で送信可能



 しばらくロッドアンテナで交信を楽しんだ後、風がいくぶん弱まってきたところを見計らって、再度、ログペリを設置してみました。風の抵抗を受けない方向を選んで固定。回さず、そのまま使うことにしました。向きは南西、ちょうど0エリア方向。CQを何度か出しても、やはり0エリアから応答はありません。先ほどの局とはよほど相性が良かったということでしょう。


 震災後、しばらくぶりに福島、山形、宮城各局にQSOいただきました。蔵王、鬼面山、霊山、片曽根山、戸神山、蕃山など移動局もみられました。少しずつ賑やかさを取り戻しつつあるようです。

 それにしても、先週は雷、今回は強風・・・思うようにはいきません。






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