JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

ハンディ機 VX-3

2012年07月01日 | 移動運用装備


 出張の際、これまではハンディ機(DJ-S57)、予備バッテリー、外部アンテナ一式に加え、万が一の大地震に備えて小型の携帯ラジオも持ち歩いていたので、それなりの重さになってしまいます。

 先々月、仕事の合間に寄った秋葉原でVX-3を衝動買いしてしまいました。小さいのは分かっていたのですが、実物を触ってみると、予想以上に軽く、これらなら持ち歩いてもどんなに楽かと。しかもラジオ兼用。


DJ-S57と比べ大きさ、重さとも半分以下


 重さ130g。ハンディ機自体も小さいですが、それを可能としているのはなんといってもバッテリーですね。その軽さには驚きました。電圧3.7V。付属のリチウムバッテリーで1.0W出力(145MHzは1.5W)。容量1000mAh。3.7Vタイプのハンディ機は、他にアイコムのIC-P7とアルインコのDJ-S12(42)など数種類あり、どれも同様の出力となっています。これまでも0.5W~2W程度で運用することが多かったことを考えると、十分実用になるのでは? あとは、この小ささでどの程度の受信性能が望めるのか?ですね。


 さっそく、先週、1エリアのホテル運用で使ってみました。定宿としている千代田区のホテル21階。今回は、DJ-S57も持参し受信性能比較を兼ねての運用。



 その結果。 アマチュアバンドの受信に関して、次のような感触を得ました。
 評価できる点
 1)音質はこもりがなく、明瞭度が高い。
 2)音量も、室内で運用するには十分。
 3)430MHzで約3時間運用(終わりの1時間弱は0.1W)でき、バッテリー持ちは良い。
 4)本体は温かくなる程度で、熱くはならない。

 評価できない点
 1)430、145ともに「ザー」というバックノイズが高め。
 2)そのためにS/Nが良くない。
 3)受信感度そのものもDJ-S57に比べて劣る(430、145とも)。
 4)DJ-S57ではアンテナの位置をさほど動かさなくとも聞こえるが、
   VX-3は強く入る位置を慎重に探さないと聞こえないケースがあった。

 ということで、DJ-S57で了解できる信号が、VX-3では信号が弱く、かつノイズに消されて了解できないケースがみられました。DJ-S57はS/Nが良く、変調が浮き上がってきます。55程度の強い信号では、VX-3でまったく問題なく、ノイズも気になりません。この小さな筐体に広帯域受信とかラジオとか目いっぱい詰め込んでいる分、アマチュアバンドの回路もシンプルな構成になっているのかもしれません。


 送信に関しては、1Wで群馬県野郡神流町から55、都内および埼玉、千葉各局から59。つくば市移動局と0.1Wで51のレポートをいただきました。アンテナはRH-770をマグネット基台に取り付け、細い同軸ケーブルでハンディ機につなぐ、いつものスタイルです。聞こえている局とは0.1Wでも交信できました。高さが確保できれば、送信に関しては、これで十分なような気がします。


<ラジオ>
 AM放送の受信が良くないと聞いていましたが、その通りでした。ホテル21階でもまともに受信できるのは1局のみでした。954KHz、たぶんNHK。55程度。FM放送は良く聞こえます。アンテナを外した状態でも59でした。災害時はFMしか役に立たないかもしれません。仙台の自宅では、NHK第一、第二は59、東北放送は57程度で、実用に問題ありません。山ではどうか、次回試してみます。


NHK第一 59フルスケール 仙台の自宅室内にて


<特小無線受信>
 購入してからわかったのですが、VX-3には、あらかじめ特定小電力無線の周波数が登録されていて、簡単に受信できるようになっています。これは便利。次の特小実験では、VX-3にスイスクワッドでもつないで、受信実験してみたいと思います。

<バッテリー>
 まだ1回の運用ではありますが、バッテリーの持ちは悪くない印象です。しかも汎用のNP-60なので簡単に手に入ります。自分もアマゾンで2個購入しました。ついでに充電器も。それで1800円程。予備バッテリーの重さは1個当たりわずか20g。安い、軽い、持ちが良い。このハンディ機の最大の利点と言えるかもしれません。これなら、NP-60を2個直列にして、5Wハンディ機の軽量化に応用できるのでは?


予備バッテリーと充電器 



 そんなわけで、これからは出張ご用達ということで、ホテル運用はこれ1台にしたいと思います。防水が施されていないので山での使用は限られますが、0.1WQRP運用や特小実験のお伴、そしてラジオにと、これから楽しみです。



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5 コメント

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Unknown (JA7RTG)
2012-07-02 16:32:07
受信感度が悪い&バックノイズ大ですか。私も買おうかな・・・と思ってそれなりに評判情報を集めていましたが、TCXさんのレポートを読んで、購入を取りやめます。やはり、シングルバンド機には、敵わないようですね。それと、アンテナが問題なんでしょうね。

特小機買い替えました。(TCXさんと同じく衝動買い?)特小愛好者の皆さんが絶賛しているIC-4088に変えました。以前のリグと比べて、バックノイズが少なく、非常に聞きやすい音質です。感度も5dB(3.2倍程度)良さそうです。
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JA7RTG様 (jo7tcx)
2012-07-02 19:22:30
この小ささを考えると健闘しているとは思いますが、アマチュアバンドに関しては、受信感度、了解度ともに本職にはかなわないという印象です。それを納得した上で、軽さを求めるという目的では良いリグかと思います。出張にはこれでよしとします。山ではサブ機的な存在でしょうね。

特小もアンテナの長さだけでなく、性能の違いがありそうですね。これまでの経験でも、10mW微弱信号+ノイズ=了解すれすれ、ということが何度もありましたので、IC-4088期待できそうですね。次回、特小機(DJ-R20D)とVX-3の受信比較などもしてみたいと思います。
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Unknown (JA7RTG)
2012-07-02 19:42:42
ハイ、IC-4088は楽しみです。150Km越えのテストは行っておりませんが、先日、那須茶臼岳<==>女神山間の交信を行いました。(84Km 見通し)前のリグでもこの間の交信はできていましたが、ノイズが前のリグに比べてダントツに少ないです。(残念ながら、4088には、Sメータがついていません。この点が残念です。でも、耳S感度では、58~59のような気がしました。)

VX-3の受信感度実験面白そうですね。
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Unknown (JO7UBB)
2012-07-02 23:12:09
VX-3ですか!?FBですね!
当局も買うかと思ったことがありましたね。悩んだ末に同じくAMラジオも聞こえるというケンウッドTH-77を買いました。でもAMは、よほど環境が良くないと使えないですね。
今年に入ってから、仕事で東京に3、4回行き、その都度ハンディ機を持参して行きますが、予約するホテルがビル群の間だったりして、QSOはしたことないしAMも受信出来ず、ただ充電してくるだけでした(笑)
ちなみに954はTBSラジオですね。家でも夜はお世話になってます。
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Unknown (jo7tcx)
2012-07-03 07:32:38
今回の受信比較で、ハンディ機でもノイズ処理の違いはかなりあることがわかりました。了解度を上げるには重要な部分ですね。


JO7UBB様

お久しぶりです。954はTBSでしたか。ということはNHKすら受信できなかったということになりますね。自分もいろんなホテルをさまよって、安くてロケの良い宿をいくつかみつけました。月1回は東京出張ありますので、そのうちホテル間でQSOできるといいですね。
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