JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

手作りテスラコイル

2018年10月16日 | テスラコイル



 挙動不明なところの多いテスラコイル。キットでなく、一度手作りしてみた方が全体の構造がよくわかるのでは、ということで作ってみました。キットにある音声入力機能を削ぎ落すと、恐ろしいほどシンプルな回路となります。




 製作に入る前に、実際、これで動作するのかどうか、また他のデバイスではどうなのか、ミノムシクリップで回路を組んでみました。結果、きちんと発振します。ただ、この際に何度かショートさせてしまい、トランジスターを3個壊してしまいました。一発で壊れます。ショート等しなくとも、音もなく壊れてしまうこともあります。1次コイル大電流、2次コイル高電圧なので、要注意です。

〈材料〉
・トランジスター BU406
・ヒートシンク
・抵抗 10kΩ
・フィルムコンデンサー 1μF
・LED
・スイッチ




 トランジスターは他にBD243Cと2SC5200を試してみました。2SC5200は放電してくれたものの小さめ。BD243Cはこの回路では動作しませんでした。海外サイトには2N2222AやTIP31Cなどを使った回路が紹介されており、抵抗は22kΩが多く、1MΩなどというのもあります。BU406との組み合わせでは10kΩで放電が大きくなりました。コンデンサーはこの容量でなくとも、また電解コンデンサーでも大丈夫です。手持ちのもので試した結果、上記の組み合わせに落ち着きました。

 〈コイル〉
 2次コイルは外径5cm、長さ10cmのアクリルパイプに0.2mm銅線を巻きました。3/4ほど巻いたところで線材が足らなくなり、0.12mm銅線をつないで巻きました。巻いている最中、またしても力の入れ過ぎで断線。極細線の手巻きは難しいです。合計500回巻き。インダクタンス1500μH前後。長過ぎず適度なコイル形状、このアクリルパイプ(aitendoにて購入)は使えます。1次コイルについては、太い縒り線(サガ電子のワイヤーエレメント)を3回巻きとしました。




 〈製作〉
 10cm四方の木台に部品を取り付ける穴をあけ、銅パイプを差し込み裏面配線としました。わずかな部品なのでゲルマラジオの製作とほとんど同じです。基板を使うほどでもありません。1次コイルは逆にしてしまうと動作しないので、コイル向きに合わせて接続。最後に2次コイルの巻き始めの接点をつなぎ、完成。









 電源スイッチを入れると、LEDランプが点灯し、2次コイル先端から勢いよく放電が始まりました。配線が短い分、ミノムシクリップで組んだ時よりも放電が大きくなったように感じました。2cm前後のアーク。前回の2段重ねコイルとさほど遜色ありません。大きめのヒートシンクを付けたものの、1分ほどでトランジスターは熱々です。破損の心配をしながら1回の動作を3分程度に抑え、入れたり切ったりしていますが、今のところ大丈夫なようです。







 
 今回は初めてなので、巻き上げたコイルで事前に回路を組み、動作確認してから製作に入る、という手順を踏みました。その過程で新たにわかったこともあり、やはり自作してみる意味はあるな、と感じました。トランジスター2石とかICを使った本格的なものとか、SSTC回路は国内、海外とも製作例が多く、参考になり刺激も受けています。自分は今回のようなシンプルなものが好みで、ちょっとした回路の変更で結果に違いがみられたりするところに興味があります。デバイスもいろいろと試し、また作ってみます。
 







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