JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

地デジ顛末

2011年02月23日 | 運用スタイルなど
 アマチュア無線とあまり関係のない話題ではありますが、今年の7月24日にアナログテレビ放送が停波するのだそうで、90数%は移行を完了したのだそうです。

 既にデジタルに移行した方は見たこともないと思いますが、アナログ波では数時間に1度、次のような放送が流れているのです。

「まだアナログで見てるんですか?」
「そのままにしておくと、近々たいへんなことになりますよ!」
「こうなるんです」
「ザーッ・・・・」(縞模様が入って何も映らなくなる)

 脅しともとれるすごいCM? いつの間にかアナログで見ている方が悪者にされて、じわじわと兵糧攻めにされている気分です。

 我が家のテレビは、17年前に購入したP社製の43型リアプロ(スクリーンに内部から投映するタイプ)で、何度か修理しながら使い続けてきました。当時、ブラウン管テレビは36型が最大で、43型のリアプロというのは最先端の機種だったように記憶しています。一般家庭でこんな大きなテレビを持っている人はあまり見かけませんでした。外光の反射がなく暗めの映像が映画鑑賞にはちょうど良いということで、分不相応にも大枚はたいて購入したのでした。

 脅迫CMに降参するのは癪ではあるけれど、17年もがんばってくれたことだし、遅ればせながら、デジタルテレビに買い替えても罰はあたらないだろうと、ほぼ九分九厘、某メーカーの機種に傾きかけていたのです。そもそも新しいものが好きでないXに一応相談してみたところ、案の定「まだ使えるものをゴミに出すのは忍びない」とか「最近の液晶はテカテカして好みでない」とか「7月24日に映らなくなる瞬間を見届けたい」などと、首を縦に振ってくれません。たしかに、長年苦楽を伴にした愛着あるテレビではあるし、今、リアプロを手に入れようとしても、新品はもうないわけで、そう思うと、なにか貴重な存在のように思えてこないでもありません。このまま白旗を上げて降参というのも芸がないし・・・。

 そんなわけで、リアプロはそのまま使い続けて、かつ、地デジに移行する方法として、当初まったく念頭になかったデジタルチューナーを取付けてみようかと思い立ちました。自分の周りではテレビを買い替えた話はあちこちで聞くのですが、チューナーを付けたという話は聞いたことがありません。

 調べてみるとずいぶん安いです。3千円台のものまであります。これならダメでもともと。あと何年持つかわかりませんが、リアプロ本体がいよいよ自己崩壊を遂げるまで命運を共にすることにしました。デジタルテレビを買わせようとの業界の策略に一矢報いることができて?精神的にも悪い気はしません。
 
 さっそく仙台駅前のY電器に見に行ったところ、10台程展示してありました。大きさは小さいもので文庫本、大きいものでも単行本程度。どれも驚くほど軽く、印象としては「おもちゃ」そのもの。こんなので本当に大丈夫なの??? ハードディスクが付いて録画できるのもありましたが、今回はテレビ本体がいつまで持つかわからないので、シンプルなものにしました。I社のHVT-BTLという機種で、今は珍しくなったS端子付きが決め手となりました。S端子以外にもパソコンモニター用のD-subなど数種類の端子が付いており、テレビが壊れても使い道はありそうです。購入価は9千円程。


説明書通りに接続して電源を入れると、自動的にチューニングが開始され、視聴可能なチャンネルを初期設定してくれます。リモコンも付属。

アンテナ、S端子、音声端子を接続


 さて、古いリアプロに映し出されるデジタル映像とはどんなものか? 最も心配したところですが、正直、驚きました。アナログ特有のちらつきがなく、精細感のあるクッキリとした映像が映し出されておりました。アナログ波に比べ明らかな画質の向上が実感できます。音の方はこれまでより効果音が抑えられて、その分音声が聞きやすくなったような印象で、まあまあです。このチューナー、「おもちゃ」ではありませんでした。17年前のテレビがこんな形でよみがえってくれるとは・・・そう考えるとデジタル技術も悪くはありません。役割を終えたかに見え、捨てられる寸前だった旧式のリアプロ。その真価をあらためて見いだしてやることができたような気がして、ささやかな満足感にも浸れました。


 先日、『森崎書店の日々』という映画を見たのですが、そのラスト近くで、こんな台詞が出てきます。「価値あるものを買うことよりも、自ら価値を生み出すことを考えなさい」(疎覚えで少し違ったかもしれません)。何でも買いたがる自分への戒めの言葉として、深く心に刻みたいと思います。

 以上が我が家の地デジ現在進行形です。




コメント
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