JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

145MHz変形3エレ八木

2017年05月14日 | 八木アンテナ



 昨年の山岳運用では何度か第一電波の2m用5エレ八木を使い、ホイップ系アンテナとの違いを実感しました。しかし、長さが1m超あり、ザックにすっぽり収納とはいきません。重さも500g程あります。ラディックスのデイパック3エレも何度か使ったものの、同様に重く、すぐに使わなくなってしまいました。利得はそこそこで良いので、軽くかさばらず、簡単に設営、撤収できて、手軽に使える山岳用八木アンテナ。数年前に作ったバランスライト3エレをベースに作り直してみました。



<材料>
・52cmのロッドアンテナ4本
・57cmのロッドアンテナ2本
・塩ビパイプ50cm2本と継手1個
・プラスティック仕切り板
・BNCコネクター
・丸端子2個、他

 バランスライト3エレからの変更点は、給電部を同軸ケーブル直結でなく、BNCコネクターに変更したこと、継手をT型からI型にしたこと。ケーブルの引き回しもエレメントに対し直角になるように変更しました。これによってケーブル引き回しによる不安定な動作は軽減されるかな?、と。ブームの寸法が変わってしまったため、各エレメント寸法、エレメント間隔もすべて見直しとなりました。


給電部



導波器

同軸引き回し


 アナライザーで測定しながらエレメント寸法の調整を繰り返したものの、バンド内SWR1.5前後といま一つ。ふと、テレビ用アンテナでよく見かける「く」の字に折り曲げた反射器が思い浮かび、試してみたところ、嘘のようにSWRが低下、ベタ落ちとなりました。曲げる角度はかなりブロードで、アバウトで大丈夫なようです。一応120度ほど。再現性も悪くありません。アマ無線用の市販アンテナでは見かけない形状ながら、直接給電の場合は、こういう方法も有効なのかもしれません。変形3エレ八木。



<エレメント寸法>
D:上下46cm
Ra:上下52cm
Rf:上下57cm

<エレメント間隔>
D―Ra 36.5cm
Ra―Rf 36.0cm


通常の3エレ


変形3エレ


全体のブーム長74cm、分割した収納寸法44cm、これなら小型ザックにもすっぽり納まります。重さ270g。




 三脚に固定しベランダでワッチしてみました。タイミングよく種山高原移動局(岩手県気仙郡住田町)の信号が52で聞こえてきました。同じベランダ設置の7/8モービルホイップではノイズにかき消され変調を聞き取れません。距離130km程。ベランダは南向きなのでちょうど反対方向となります。回したところ、真西がもっとも安定して入感。青葉山あたりの反射を拾っているのか、南や東方向に回すとまったく入感しなくなります。ハンディ機5Wで何度かお呼びしましたが、「厳しいですね」とのことで交信ならず、でした。パワーの違いもありますが、受信ほど送信は良くないのかもしれません。山ではどうなのか、次の移動で試してみます。




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DCR3エレ効果

2014年06月22日 | 八木アンテナ


 大規模修繕とかで、わが集合住宅はぐるりと工事用足場が組まれ、鳥籠状態になってしまっています。アンテナも撤去してほしいとの要請で、わずかにBK-10に取り付けたモービルホイップMA351-03M (長さ60cm)のみを残して、取り外すこととなりました。こんな状態ではありますが、自宅から石巻上品山や仙台市内モービル局との交信はなんとかできています。


 昨日、ミヤギBA102局の信号が入感、相手局は泉区モービルのようですが、まったく復調しません。そこで、急ぎ、室内にラディックス3エレを設置(いつものカメラ三脚)。すると、BA102局の信号は明らかに強くなりアンテナマーク0→2本に。でも相手局はやはり聞こえません。今度は、3エレを手持ちして、北側の部屋に移動。すると、突然音声が入り、メリット5で入感。かなり弱く、少し方向と位置をずらすと聞こえなくなります。この状態で、MA351-03MをDPR6に直付けにしてみたところ、まったく入感せず。3エレ効果あり、です。


 ミヤギBA102局の移動地はいつもの仙台市内常連場所。ベランダに設置したMA351-03Mで何度か交信していますが、5Wでも限界ぎりぎりで、多少の断続を繰り返しながら交信をつないでいく、そんな状態でした。モービル局との交信終了を見計らって室内3エレにてお呼びしてみると、「今日は安定してますよ」とのこと。気を良くして1Wにパワーダウン。それでも「何の変化もない」とのレポート。やはり3エレ効果あり。


この状態でよく飛んでいくものです


 これまでモービルホイップとの違いがさほど感じられず、3~4回山岳運用で使って仕舞いこんでしまっていたラディックスのDCR用3エレ八木。カタログ利得(8.15dbi)なりの効果はあるのだな、と実感した次第です。これからは山での使用頻度を上げてみようと思います。

 
 (おまけ)
 この3エレ、購入時のビニールケースのまま持ち運んでいたのですが、底が破れやすいですね。ビニールに張り付いて出し入れもしにくい。軽くて丈夫な袋はないかと探していたところ、アマゾンでこんなのを見つけました。「DABADAトレッキングボール収納袋」(型番DA1014)。長さ75cm、幅13cm。重さ20g。価格500円。3エレ本体と3mの同軸ケーブル一式が収納可。ナイロンなので張り付かず、出し入れ楽です。2mアローラインや自作アンテナの収納にも良さそうで気に入りました。




収納状態

 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1200MHz 5エレプリンテナ

2013年02月11日 | 八木アンテナ


 FCZ研究所の1200MHz用5エレプリンテナを作ってみました。大阪のキャリブレーションというところから通販で購入しました。キット価格1180円。良心的ですね。2種類あるらしく、購入したのは、BNC-Rというタイプです。

 1200MHz用の測定器類は何も持ち合わせなく、アンテナを自作しても調整ができません。このキットは、その名の通り、プリント基板がブームとなっており、そこにUバランがプリント配線されています。無調整でも何とかいけるのでは。5エレなので、そこそこゲインも期待できます。



 キットの内容は、基板、真ちゅう線(エレメント材料)、BNCコネクタ、バックビーズ(エレメント先端につけるケガ防止材)、組み立て説明書。

 説明書に実物大の図面が付いており、エレメント寸法など図面通りに作りました。
 
 はじめに、BNCコネクターを固定するため、基板をカットします。金ヤスリで少しづつ基板を削っていきます。慣れないこの作業にもっとも時間がかかりました。いかにもど素人の削り方ですが、なんとかコネクターを納めることができました。次にバラン側とアース側をそれぞれハンダ付け。基板への固定も兼ねているので、特にアース側は両面からしっかりとハンダ付けしておきました。





 続いてエレメントの取付け。丸まった状態になっているので、きれいに伸ばすように書いてあるのですが、うまくまっすぐにはなりません。少し曲がったまま、図面通りの寸法にカット。
D3 97mm
D2 100mm
D1 107mm
Ra 129mm
Rf 140mm


Uバランと給電部


 ラジエータ(Ra)はフォールデットダイポール型となっており、折り曲げてプリント基板のUバランにハンダ付けします。裏側(アース側)もハンダ付け。続いて各エレメント。取付位置は基板にプリントされています。それぞれ基板裏側にハンダ付けして完成。見た目以上に強度もありそうです。説明書に裏側の図面があるとよりわかりやすいと思いました。


完成 プリントのある表面(上) 裏面(下)



 本当はここで調整に入るべきでところですが、残念ながら何も持ち合わせておりません。145や430なら、バンド内をワッチして、信号の強弱で調整もありえますが、1200は信号の片りんすら聞こえず。とりあえず、電界強度計で、電波が出ているかどうか確認してみることにしました。パワー0.3W。恐る恐るPTTを押してみると・・・・。しっかりと振れてくれました。付属ホイップと比較すると、大きく振れる位置や振れ方に違いがありますが、八木ならではのパワーは感じられます。

 <使用>
 10エレループ+1WでCQを出したところ、市内のOM局(固定)より声をかけていただきました。RS52-55。相手局はモービルホイップ。何度かお付き合いいただいており、ホーム同士で弱めながら安定して交信できています。さっそくプリンテナに切り替え、呼んでみると41-51に低下。こちらは弱くなったとはいえ、すべて了解可能。相手局からは信号が低下し、ところどころ了解できなくなるとのレポートでした。厳しいようです。

 とはいえ、アンテナとして機能していることは確認できました。SWRなど追い込めれば良いのでしょうが、これ以上のことはできません。全長17.5cm、重さ約28g。5エレでこのコンパクトさ。まずは1エリア出張の際にでも、使ってみようと思います。




コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バランスライト3エレ

2010年06月28日 | 八木アンテナ
 山岳移動に特化した軽量でバランスに優れた3エレ(145MHz)。ラディックスのデイパック八木を参考にしました。通常、このバンドの八木はブームもエレメントも1m前後ですが、デイパック八木はすべて2分割できて、コンパクトに収納できるように工夫されたタイプです。4、5回山で使いました。性能的には申し分ありません。ただ、重さが600グラム以上あるのと、前方に比重がかかるため、三脚とのバランスに難があります。組み立てもいちいち蝶ナットで締め付ける必要があり、ナットを無くしてしまったりしたら、お手上げですね。これら問題点をクリアして、かつ、性能が同等のものをめざしてみました。




《材料》

・全長56センチのロッドアンテナ6本
・塩ビパイプ50センチ3本
・塩ビパイプのT型継ぎ手1個
・ブラスティック仕切り板1枚
・丸端子2個
・同軸ケーブル
・3ミリ径のボルト、ナットなど




《製作》

 基本はオーソドックスな3エレそのものです(略図参考)。一応、手順は次の通り。
・塩ビパイプに3ミリの穴をそれぞれ3カ所あけて、貫通させる。
・ブラスティク仕切り板を3センチにカットして、3カ所に3ミリの穴をあける。
・塩ビパイプの穴に導波器、反射器のロッドアンテナをボルトで固定する。
・同軸ケーブルの芯線、網線にそれぞれ丸端子をハンダ付けしておく。
・プラスティック仕切り板の両端の穴にロッドアンテナ、同軸の丸端子をボルトで固定。
 これが給電部。直接給電。いつものパッチンコアを取付けました。
・給電部の仕切り板を塩ビパイプにボルトで固定。これで輻射器完成。
・あとは2本の塩ビパイプをT型継ぎ手で連結して組み立ては完成。


給電部 プラスティック仕切り板にボルトで固定


給電部取付け 


完成


収納状態



《調整》

 ロッドアンテナの長さで調整します。はじめ、ラディックスとまったく同じ長さに合わせてみたのですが、中心周波数、SWRとも今ひとつでした。同じ寸法でも、エレメントの太さとか材質などで変わってしまうようです。そこで、輻射器は上下49センチに固定して、導波器と反射器の長さをいろいろと試してみました。その結果は、導波器が上下46センチ、反射器が上下56センチで、一応満足できる状態になりました。


AA-200での測定画像



 八木アンテナの調整というのは、きりがないです。中心周波数、SWR、FB比、帯域、パターンに加え、たぶん利得も微妙に変化します。どれを優先させるかは、好みと目的で決めるしかありませんね。当局の場合は、145.100~145.300の間で運用することがほとんどなので、その辺りに中心があって、かつ145.000を含めてSWR1.3以下であればOKということにしています。


《設営》

 T型継ぎ手に塩ビパイプを差し込み、カメラ三脚に取付けるだけです。三脚の真上に重心があり、安定感はまずまずです。また、アンテナ本体に同軸ケーブル2m、ポール50センチを加えた総重量は約400グラムとなりました。


《送受信実験》

 まず送信。いつもの定位置から出力0.8Wにてトリフィールドメーターで目盛を読み取ったところ、8まで振れました。モービルホイップ等に比べると明らかに強いですが、この値はHB9CVやモクソンアンテナと同等です。前方利得は3エレとしては少し弱めかもしれません。続いてベランダで受信。常置場所に設置している3エレ(固定用、こちらもラディックス製)と比較してみました。あくまで耳での感覚ですが、ほとんど変わりなく、違いはわかりませんでした。受信はまずまずかと・・・。


 雨の休日が続いて、なかなか山に行けません。次回の山行までもう少し調整してみます。仙台(旧東北帝大)ともゆかりの深い八木アンテナ、その振る舞いは一筋縄ではいかないようです。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする