日本裁判官ネットワークブログ
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 私は、40期で、任官してもう19年目になります。思えば、18年余があっという間に過ぎました。59期の方々が、任官内定と聞くと、自分の任官のころが懐かしく思い出されます。
 でも、一番感じるのは、この18年余で変わった任官をめぐる環境の違いです。私の任官したのは、昭和63年で、世はバブル期。翌年は、バブルの絶頂期。就職はどの分野もきわめて好調で、研修所の卒業試験も合格留保や不合格は1人もでず、任官拒否も1人もなく、皆順風満帆な任官だったと思います。それと比較すると、最近は波乱万丈。景気回復があるとはいえ、世の中は、競争社会や格差社会の激化で厳しい就職状況。研修所の卒業試験も合格留保の合計が107人。任官拒否も10人近くで、厳しい船出ですね。先輩裁判官は、皆偉そうにいうかもしれませんが、少年時代から、右肩下がりの社会状況の中で、厳しい社会を生き抜いてきた後輩裁判官の皆さんの方が、実はとても苦労されていると思います。ある意味で、敬意を払うべきかと思っています。
 今、任官内定者の方々は、任官内定でほっとされているのないではないかと思います。そういう時期は誰にでもあり、今を味わうのはとても大事なことです。仕事が始まれば、いろいろ新たな苦労が待っています。でも、裁判官の仕事は、人と社会を見つめ、真実を探求し、そして静かに社会正義を実現していくとてもやりがいのある仕事です。ともに切磋琢磨しましょう。(瑞祥)

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