北海道新聞2024年8月2日 14:00(8月2日 23:16更新)
リンゴの一大生産地だった平岸で、そのリンゴの名前を冠した地域FM局があります。FMアップル。スタジオには、大学生や地域住民などいろいろな人が出入りしています。(報道センター 水上孝一郎)
連載<ディープに歩こう 札幌・平岸、美園>は住みやすいマチ、札幌・平岸、美園をディープに歩きます。初回はすべての方に全文公開しています。「ディープに歩こう」の一覧はこちら
「マンゴーのブリュレチーズケーキは食べたことない組み合わせ。めっちゃ相性が最高で、おいしかったです」
7月下旬、札幌市豊平区の地域FM「FMアップル」(平岸2の5)のスタジオで、いずれも北海学園大2年の片野愛美さん(19)、子出藤(ねでふじ)あさみさん(20)、大鳥居沙紀さん(19)がマイクに向かっていた。
■大学生が地域のお店を紹介
生放送で平岸の飲食店を紹介する「北海学園大学Tea Time(ティータイム)」(毎月第4火曜午後3時~)。若者がラジオに触れるきっかけをと同局が企画、昨年11月に始まった。同大放送研究会の学生が取材から放送まで担当する。
片野さんは「聴いている人が足を運びたくなる言葉選びを意識している。反省も多いけど楽しい」と笑顔を見せる。
同局は1997年開局。リンゴの一大産地だった平岸で、リンゴのように親しまれる存在でありたい-。そうした願いをアップルに込めた。
月~金曜の毎日、「モーニング・アップル」(午前8時~)、「アップルパレード」(同10時~)、「アップルスマイル」(午後2時~)とリンゴの名前を冠して地域情報を発信する三つの帯番組を放送。イベント案内、ヒグマや不審者の出没情報など、きめ細かく発信する。北海学園大生の放送は、アップルスマイルの1コーナーだ。
学生だけではなく、住民や商店主、地元の企業で働く人らが、番組に出演するため、平岸通沿いのビル2階にあるスタジオに出入りする。
地域情報に加え、お笑い、Kポップなどの音楽、アイヌ民族の文化、食と農業など、幅広いテーマの番組がある。
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<メモ>FMアップルは愛称で、正式名称は「エフエムとよひら」。当時、平岸に本社を置いていた北海道テレビ放送(HTB)や地元の商店主らが出資し、1997年4月に開局した。道内10番目、市内2番目の地域FM局だった。現在、全ての番組を自主制作しており、約6割は生放送。
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連載<ディープに歩こう 札幌・平岸、美園>の11回目は、平岸高校でデザインを学ぶ生徒たちの青春に迫ります。