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代表作並べ全容紹介 「藤戸竹喜の世界展」開幕 国立アイヌ民族博物館 白老

2024-06-30 | アイヌ民族関連

苫小牧民報2024.06.29

白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)で29日、第8回特別展「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」が開幕した。北海道を代表する木彫家の1人、藤戸竹喜氏(1934~2018年)の代表作91点を並べ、初期から晩年に至るまでの全容を紹介する。8月25日まで。

 藤戸氏はオホーツク管内美幌町出身。熊彫りの名工の父竹夫氏に12歳から学び、15歳の時には職人として店頭で彫り始めたという。30歳で阿寒湖畔(現釧路市阿寒町)に民芸品店「熊の家」とアトリエを構えて独立。先住民族の伝統技術を受け継ぎ、クマやオオカミ、キツネ、シャチ、ラッコ、エビ、カニなどの生き物から先人の威厳あふれる肖像彫刻まで作域を広げ、独自の作風を確立した。2015年に北海道文化賞受賞、16年に文化庁の地域文化功労者表彰を受けた。

内覧会で作品の解説をする五十嵐さん

 作品は藤戸氏の人生を追いながら、六つのテーマで並べられている。JR札幌駅西コンコースに設置された晩年の作「エカシ像 ク・リムセ(弓の舞)」(2014年)や35歳の時に制作した「樹霊観音像」(1969年)など生命への敬意と深い愛情を思わせる躍動的な表現は、国内外から高く評価されている。

 同館は開幕前日の28日、報道陣に会場を公開。佐々木館長(66)は彫像を通じて「藤戸さんの技と心に接してほしい」とあいさつ。来賓で妻の茂子さん(75)は「北の大自然を舞台に、生き生きと闊歩(かっぽ)した命の物語を伝えている。展示が全ての命の鎮魂の一助となれば」と述べた。

 展示を企画・監修したフリーのキュレーター五十嵐聡美さん(60)は「藤戸氏はアイヌとしての誇りに生きた作家。文化復興拠点ウポポイでの企画展は、彼の作品と人生を多くの人に知ってもらえる大切な機会になる」と語った。

 開館時間は、7月19日まで午前9時~午後6時、7月20日~8月25日は午前9時~午後8時。月曜休館(月曜が祝日または休日の場合は翌日以降の平日)だが、7月8、9、15日、8月12、13日は開館。観覧料は大人300円、高校生200円、中学生以下無料。ほかにウポポイの入場料が必要となる。

 詳細はウポポイのホームページ(https://ainu-upopoy.jp/)。

https://hokkaido-nl.jp/article/34480


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アマゾン奥地の先住民族の生活は、“ある日突然インターネットを使えるようになった”ことで一変した

2024-06-30 | 先住民族関連

クーリエ6/29(土) 10:00配信

最寄りの都市で購入したスマホに見入るマルボ族の人々

イーロン・マスク率いるスペースXの通信衛星サービス「スターリンク」は、アマゾンの孤立した部族にインターネットをもたらし、彼らを外の世界と結びつけた。その一方で、インターネットが引き起こす問題をめぐり、部族内部では意見が対立している。

【動画】アマゾンの奥地でインターネットに熱中する「先住民族のいま」

2023年9月、突如としてインターネットを使えるようになったマルボ族が直面する変化と課題を、米紙「ニューヨーク・タイムズ紙」が取材した。

演説が長引くにつれ、人々の視線はスマホ画面へと逸れていった。インスタをスクロールする10代の若者たち。ガールフレンドにメールを送信する男性。そして、グループ初の女性リーダーが演説中だというのに、スマホに群がりサッカー中継を観戦する男性たち。

どこにでもあるような、ありふれた光景だ。だが、これが起きているのは、地球上で最も隔絶された地域の一つにある、先住民族の集落なのだ。

マルボ族は長年、アマゾンの熱帯雨林の奥地を流れるイトゥイ川沿いに、何百キロにもわたって点在する共同小屋で暮らしてきた。彼らは独自の言語を話し、森の精霊とつながるために幻覚剤のアヤワスカを飲み、クモザルを捕まえてスープの材料にしたりペットにしたりする。

ブラジルに数百ある先住民族の一つで、約2000人いるとされるマルボ族は、隔絶された環境で、何百年もこのような生活様式を守り続けてきた。

ところが、2023年9月、米宇宙企業のスペースXが提供する通信衛星サービス「スターリンク」によって、彼らは突然、高速インターネットを使えるようになったのだ。

「インターネットのせいで、若者が怠け者に」

スターリンクは2022年にブラジルに参入して以来、世界最大の熱帯雨林全域に普及し、地球上で最後のオフライン地帯の一つにインターネットをもたらした。

隔絶された小さな文明がいきなり世界に開かれたら、何が起こるのか──「ニューヨーク・タイムズ」紙はそれを知るために、アマゾン奥地にあるマルボ族の集落を訪れた。

「インターネットが開通したときは、みんな大喜びでした」。ツァイナマ・マルボ(73)は、マロカと呼ばれる、部族の人々が寝食を共にする高さ15メートルの小屋の土床に座ってそう話す。

遠く離れた家族や友人とビデオ通話で話すことができたり、緊急時に助けを呼べたりと、インターネットは確実に利益をもたらしてくれた。「でも、いまは状況が悪化しています」

彼女は体に塗る黒い染料の原料となる、ジェニパポの実を練り潰していた。身に付けているのはカタツムリの殻を繋ぎ合わせたネックレスだ。最近、若者たちはこうした染料やアクセサリー作りに興味を示さなくなったという。

「インターネットのせいで、若者は怠け者になってしまいました。白人のやり方を学んでいるのです」

だが、彼女は少し間を置いてからこう付け加えた。「でも、どうか私たちのインターネットを取り上げないでください」スターリンクと共に激変する世界スターリンクの導入からわずか9ヵ月で、マルボ族はすでに米国の家庭を長年悩ませてきたのと同じ問題に直面している。スマホに釘付けのティーンエイジャー、ゴシップだらけのグループチャット、依存性のあるSNS、ネット上の見知らぬ人々、暴力的なゲーム、詐欺、フェイクニュース、そして未成年者のポルノ視聴などだ。

インターネットが容赦なく普及するなかで、現代社会はこうした問題に何十年も取り組んできた。しかし、世代を超えて近代化を拒んできたマルボ族のような先住民族はいま、インターネットの可能性と脅威に同時に直面しており、自らのアイデンティティや文化にネットが及ぼす影響をめぐって、議論が巻き起こっている。

そうした議論の火付け役となったスターリンクは、かつてアマゾンのような僻地では考えられなかったサービスを提供することで、世界の衛星インターネット市場を瞬く間に席巻した。

スペースXは6000基の低軌道衛星を打ち上げることで、サハラ砂漠やモンゴルの草原、太平洋の小さな島々など、地球上のほぼ全域に、一般家庭よりも高速のインターネット通信を実現したのだ。

ビジネスは急拡大している。同社を率いるイーロン・マスクは最近、スターリンクが99ヵ国で300万人以上の顧客を獲得したと発表した。アナリストの推定では、年間売上高は前年から約80%増の66億ドル(約1兆500億円)に達する見込みだ。

だが、おそらくスターリンクが最も変革をもたらしたのは、以前はインターネット網の範囲外だったアマゾンなどの地域だろう。現在、ブラジルのアマゾン地域では6万6000件の契約が締結されており、同地域の自治体の93%にスターリンクの影響が及んでいる。

ネットのおかげで、森林地帯に住む人々に、新たな職や教育の機会が開かれた。その一方で、アマゾンで活動する違法伐採業者や採掘業者に、当局の追及を逃れるための新たな通信手段を与えることとなった。

マルボの部族長の一人、40歳のエノケ・マルボ(マルボ族はみな同じ名字を持つ)は、スターリンクの可能性にすぐに気づいたと語る。森の外で何年も暮らしてきたエノケは、インターネットが部族に新たな自治権をもたらすと確信していた。インターネットがあれば、活発なコミュニケーションが可能になり、自分たちの情報を発信し、独自の物語を伝えられるはずだと彼は考えた。

2023年、エノケとあるブラジル人活動家は、スターリンク導入の支援者を募るため、50秒間の動画を撮影した。エノケは伝統的なマルボ族の頭飾りを被ってマロカに腰を下ろし、動物の歯を繋げたネックレスをつけた幼児を横に座らせて、撮影にのぞんだ。

動画が公開されてから数日後、米オクラホマ州在住の女性から連絡があった。(続く)

マルボ族にインターネットをもたらした女性とは誰なのか? 後編では、インターネットによってマルボ族が直面するポルノ視聴などの問題、そしてそれが引き起こす内部対立を追う。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d9c0ad3cf27e79641756e1ec0d855f32ec5cfd04


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トレンディエースが人生観変えた台湾での思い出「台湾に行かなかったら監督にはなっていないだろうな…」

2024-06-30 | 先住民族関連

スポニチ2024/06/29 08:00

2007年のアジア野球選手権で、地元台湾メディアから取材を受ける西武・渡辺久信監督(右から2人目)(スポニチアネックス)

 西武・渡辺久信監督代行兼GM(58)から聞いた話だ。1930年、日本統治時代の台湾で「霧社事件」という悲惨な事件が起きた。日常的差別を受けていた中央山間部の先住民族が、運動会に参集した日本人などを標的として襲撃。その後、日本側の攻撃も行われ、双方に多くの犠牲者が出た。

 先日、渡辺監督代行は「日本人と台湾の先住民と両方に手向ける花束を2つ持って、現地に行ったことがあるんだよ」と話し始めた。西武、ヤクルトでプレーし、1999年から3年間、指導者の勉強も兼ねて台湾プロ野球・勇士でプレーした。その当時「霧社事件」を本で読み、シーズン中の2連休を利用し同地を訪れたそうだ。

 慰霊した後に、1泊3000円の安宿に宿泊し、飲食店に向かった。現地の台湾人がテーブルを囲んでいたが、そのうち、統治時代に習った日本語を話すことができる老人から「お前は日本人か?」と聞かれた。「そうだ」と答えると「ここがどんな場所か知っているのか?」と眼光鋭く言われたという。「だから来たんだ」と答えると、一人の若者が「ワタナベか?」とプロ野球選手であることに気づいた。その後、テーブルに誘われ、午前3時まで酒を酌み交わし、打ち解けたそうだ。

 霧社事件を描いた「セデック・バレ」という2011年の台湾映画がある。第1部、2部、合計4時間36分の超大作で、渡辺監督代行は夫人と一緒に映画館で観たそうだ。記者も先日、プライムビデオで観て、渡辺監督代行から台湾の現住部族の構成について追加で解説してもらった。

 トレンディエースや新人類と言われ「俺は指導者というタイプじゃなかった」という指揮官。現地の野球や文化に触れ人生観が変わった。「台湾に行かなかったら監督にはなっていないだろうな…」。たとえ不自由なことが多くても、異国での経験は人生を変える。(記者コラム・神田 佑)

https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/sports/sponichi-spngoo-20240629-0070.html


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日本、NZマオリに敗れる=先制も6トライ許す―ラグビー

2024-06-30 | 先住民族関連

時事通信2024-06-29 21:03

 ラグビーのリポビタンDチャレンジカップは29日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、日本代表はマオリ・オールブラックスとの第1戦に10―36で屈し、ジョーンズ・ヘッドコーチが復帰して2連敗となった。第2戦は7月6日に実施する。
 ジャパン・フィフティーンの名称で臨んだ日本は前半早々にフッカー原田(BL東京)のトライで先制したが、3トライを許して5―17で折り返し。後半も3トライを奪われた。
 相手はニュージーランド(NZ)先住民マオリ系の選手で構成され、試合はテストマッチではなく代表キャップ対象外。日本は7月13日にジョージア代表、同21日にイタリア代表とテストマッチを行う。 
[時事通信社]

https://sp.m.jiji.com/article/show/3273317


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あすNZ先住民族と交流会 カムイトウウポポ保存会、一般参加も

2024-06-30 | アイヌ民族関連

十勝毎日新聞2024/06/29 15:10

 アイヌ民族の古式舞踊や儀式などの伝承に取り組む帯広カムイトウウポポ保存会(酒井奈々子会長、会員28人)は、30日午後1時から帯広市生活館(柏林台東2)でニュージーランドの先住民族マオリの人々を招...

●この記事は会員限定です。

https://kachimai.jp/article/index.php?no=20240629151053


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ヒマラヤトラノオ開花 北方植物園 高山植物、花咲く頃に

2024-06-30 | アイヌ民族関連

稚内プレス2024 年 6 月 29 日

 百年記念塔下にある稚内市北方植物園で、ヒマラヤや礼文などに自生する高山植物が見頃を迎え、訪れた旅行者や市民の目を楽しませている。
 園内10カ所以上ある花壇に100種の高山植物や山野草が植栽され、ヒマラヤに自生する花を集めた花壇では今週から中国雲南省からヒマラヤにかけた地域に分布する高山植物で穂状の花が特徴的なヒマラヤトラノオが開花。ほかの花壇には高山の岩場に生える白い花が特徴のギンロバイ、アイヌが薬用に使用していたカラフトニンジンなど野草を見ることができる。
 今月後半に入ってからは日中の気温でも10度前後の寒い日が続いていたが、平年並みの気温に戻った26日以降から開花した花の数も増え、朝から気温が上昇した29日午前中、レンタカーやキャンピングカーで旅をしている旅行者が植物園に立ち寄り、貴重な花を観賞していた。
 植物園を管理している稚内山野草同好会は新たな花が咲く度にホームページで開花情報を発信。「参考にして見学を」とPRしている。

https://wakkanaipress.com/2024/06/29/70772/


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失われた台湾文化、再現へ 刺しゅう技術 「平埔族」来日 参考館で調査 天理 /奈良

2024-06-30 | 先住民族関連

毎日新聞2024/6/30 地方版 有料記事 669文字

 かつて台湾の先住民族「平埔(へいほ)族」の民族衣装に施されていた色鮮やかな刺しゅうの技術を再興させようと、現地の専門家でつくる調査団が来日し、平埔族関連の資料を豊富に所蔵する天理大付属天理参考館(天理市守目堂町)で25日から3日間にわたって資料調査を行った。調査団は「歴史の過程で民族の文化は失われたが、天理で先祖が残してくれた大量の刺しゅう品に出会えてうれしい」と喜んでいた。

 平埔族は台湾の平地に暮らす先住部族の総称。台湾では17世紀以降、大陸から移ってきた漢族の影響を受けて漢化が進み、今では独自の文化や言語がほとんど失われてしまった。

 調査団のメンバーは台湾南部の平埔族5人。すたれてしまった刺しゅう技術を再興して民族衣装を復元しようと、刺しゅうの素材や文様、縫い方などの解明を進めている。ただ、台湾にも残された資料が少ないことから、質量ともに日台屈指の収蔵品を誇る参考館に協力を依頼し、今回の調査が実現した。

・・・・・

【望月靖祥】

https://mainichi.jp/articles/20240630/ddl/k29/040/168000c


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「難民キャンプの若者がギャング化」 少数民族ロヒンギャがミャンマーを追われ7年、現在の境遇は?

2024-06-30 | 先住民族関連

東京新聞2024/6/30

 ミャンマーで迫害を受けたイスラム教徒少数民族ロヒンギャの大規模な難民発生から7年近くたつ。隣国バングラデシュにいる約100万人の難民はどのような境遇にあるのか。帰還の見通しは。発生直後から難民キャンプを訪れ、調査している立教大の日下部尚徳准教授(南アジア地域研究)に聞いた。(北川成史)

 日下部尚徳(くさかべ・なおのり) 1980年生まれ。専門は南アジア地域研究。著書に「わたし8歳、職業、家事使用人。」(合同出版)、「ロヒンギャ問題とは何か」(共編著、明石書店)など。

2018年2月に日下部氏が訪れたバングラデシュ南東部コックスバザールの難民キャンプ(同氏提供)

© 東京新聞 提供

◆することがない若者がキャンプにあふれている

 「『夜に出歩けなくなった』『誰も守ってくれない』など、難民の間で不安が強まっている」。2月にバングラデシュ南東部コックスバザールの難民キャンプを訪れた日下部氏は語る。

 大きな要因は治安の悪化だ。バングラデシュのロヒンギャ難民への対応は帰還が前提。キャンプでは基礎的な教育しか認めていない。することがない若者がキャンプにあふれている。「麻薬の密売に関わるなど、一部の若者がギャング化し、抗争も発生している」

 食料などの支援は1人月1000タカ(約1300円)相当にとどまる。現金を得ようと、難民がキャンプを抜け出し、不法就労や支援物資の売却をするため、地元住民の就労機会の減少や物価の不安定化につながり、軋轢(あつれき)を生んでいる。

◆バングラデシュ国民の間に「難民への反感」広がる

 日下部氏は「2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、バングラデシュで燃料価格が高騰し、インフレが進行した。生活が苦しい中で『なぜロヒンギャに金をかけるのか』と国民全体に反感が広がっている」と懸念する。

 18、19年にミャンマーとバングラデシュの両政府は難民帰還を計画したが、ミャンマーでの安全面の不安から対象者の辞退が相次ぎ、頓挫した。一方でキャンプの周りには柵が設置され、隔離の度合いは増した。

 「世論を意識し、バングラデシュ政府は思い切った施策をとりにくい。今年1月の総選挙でもロヒンギャは話題にされなかった」と日下部氏。関係者の溝が深まる状況を「負のスパイラル」と言い表す。

◆クーデターでさらに厳しい状況に

 ミャンマーで21年に起きたクーデターが、事態をさらに複雑にしている。実権を握った国軍はロヒンギャ迫害の主体だ。加えて現在、同国西部ラカイン州で国軍と少数民族ラカイン人の武装勢力との戦闘が激化し、ロヒンギャも巻き込まれている。国軍がロヒンギャを徴兵し「人間の盾」にしているという情報もある。

 「現状で帰還は現実的ではない。ミャンマーで民族融和や平和構築を進めない限り、難しい」

 キャンプの過密対策として、バングラデシュは難民10万人をベンガル湾の離島バシャン・チョールに移す計画を立てた。これまで移住者は約3万5000人。「島には移動の自由がなく、いわば片道切符なので、希望者が頭打ちだ。抜本策ではない」とくぎを刺す。

 ロヒンギャ難民の滞在が長引く可能性を念頭に「バングラデシュ政府は業種を絞ってでも、就労を認めるべきだ」と主張。同国との友好関係を生かし、日本政府も働きかけるよう望む。

 「国際社会の目はウクライナやパレスチナ自治区ガザに向いている」。日下部氏はロヒンギャへの支援の弱まりを危惧し、訴える。

 「陰に隠れた地域紛争の被害者が、よりひどい状況に置かれている。憎悪を生み、過激化する素地となりかねない。国際社会が『忘れていない』という姿勢を見せていくことが重要だ」

 ロヒンギャ 仏教徒が9割とされるミャンマーで西部ラカイン州を中心に暮らすイスラム教徒少数民族。英国の植民地時代以降に来た移民だとして、ミャンマーで自動的に国籍を与えられる先住民族とみなされず、多くが無国籍状態に。2017年8月、ラカイン州でロヒンギャの武装勢力と国軍など治安部隊が衝突。膨大な人数のロヒンギャがバングラデシュに逃れた。

https://www.msn.com/ja-jp/news/world/難民キャンプの若者がギャング化-少数民族ロヒンギャがミャンマーを追われ7年-現在の境遇は/ar-BB1p634B?ocid=BingNewsVerp


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