北海道新聞02/16 09:45
道が15日発表した2018年度予算案は、若者の道内定着の促進や1次産業の担い手育成など「人づくり」に重点配分した。深刻な人口減少や企業の人手不足といった課題の克服に向け、成果を上げたい考えだ。
道は15年に策定した北海道創生総合戦略に基づき、16年度予算で特別枠の「創生加速化事業」に36億円、17年度予算は「地域創生進化事業」に38億円を計上し、人口減対策を進めてきた。18年度は「北海道未来創生事業」と名付け、42億5千万円まで拡充した。
実際、道外への転出者が道内への転入者を上回る「転出超過」は、16年に前年から約2千人少ない6874人、17年に6569人と3年連続で減少。わずかとはいえ流出に歯止めがかかり、明るい兆しも見える。
道が重視する人づくりは、意欲のある人材に集中投資し、PRすれば事業効果は大きい。民間の協力も得やすく、若者の海外留学を応援する「未来チャレンジ基金」には3千万円以上の寄付が集まった。道は海外で活躍する若者支援事業費として前年度比3割増の2700万円を計上した。
また、若者の道外流出を食い止めるため、道立高校と企業、大学が連携して産業教育やインターンシップを行う新規事業に3100万円、沿岸漁業への就業促進に300万円を盛り込んでいる。
一方、17年度から始めた第2子以降の保育料無料化は、保育所に入る子どもの人数が想定を上回り、18年度は前年度比4割増の8億9700万円にまで膨らんだ。道幹部は「子育て支援は一度やるとレベルを下げられない。今後も財政を圧迫する」との見方を示す。
■各振興局の主な事業
道は北海道創生総合戦略に基づき地域戦略に取り組む14総合振興局・振興局の主な事業を発表した。地域政策推進事業として2億7400万円を盛り込んだ。主な事業は次の通り。
▽空知 企業誘致や若者の地元定着を図り、安心で住みよいまちづくり
▽石狩 台湾などアジア諸国・地域に向けた会員制交流サイト(SNS)情報の発信など交流人口の拡大
▽後志 高収益作物の生産拡大や地材地消の促進による農林水産物の高付加価値化・ブランド化
▽胆振 アイヌ文化などの地域資源を生かした「6次観光」の推進
▽日高 アイヌ民族の魅力を生かした交流人口の増加とアイヌ文化の伝承に向けた機運醸成
▽渡島 縄文文化の認知度向上、世界遺産登録に向けた機運醸成や観光資源としての活用推進
▽檜山 北海道新幹線で来道した観光客向けの2次交通対策や観光メニューの実証実験の実施
▽上川 松浦武四郎が訪れた天塩川周辺地域の歴史・文化を生かした魅力発信
▽留萌 農業の人手不足に対する大学との連携による新規就農対策
▽宗谷 都市部の農業系大学生などを対象とした就農体験インターンシップ実施
▽オホーツク 地域の魅力発信や受け入れ態勢の整備
▽十勝 食やアウトドア体験を盛り込んだ滞在型観光モデルの構築
▽釧路 スポーツと釧路地方の食を融合させた地域活性化
▽根室 北方領土に関する学習型観光ルートの開拓など領土返還要求運動の機運醸成
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/164852
道が15日発表した2018年度予算案は、若者の道内定着の促進や1次産業の担い手育成など「人づくり」に重点配分した。深刻な人口減少や企業の人手不足といった課題の克服に向け、成果を上げたい考えだ。
道は15年に策定した北海道創生総合戦略に基づき、16年度予算で特別枠の「創生加速化事業」に36億円、17年度予算は「地域創生進化事業」に38億円を計上し、人口減対策を進めてきた。18年度は「北海道未来創生事業」と名付け、42億5千万円まで拡充した。
実際、道外への転出者が道内への転入者を上回る「転出超過」は、16年に前年から約2千人少ない6874人、17年に6569人と3年連続で減少。わずかとはいえ流出に歯止めがかかり、明るい兆しも見える。
道が重視する人づくりは、意欲のある人材に集中投資し、PRすれば事業効果は大きい。民間の協力も得やすく、若者の海外留学を応援する「未来チャレンジ基金」には3千万円以上の寄付が集まった。道は海外で活躍する若者支援事業費として前年度比3割増の2700万円を計上した。
また、若者の道外流出を食い止めるため、道立高校と企業、大学が連携して産業教育やインターンシップを行う新規事業に3100万円、沿岸漁業への就業促進に300万円を盛り込んでいる。
一方、17年度から始めた第2子以降の保育料無料化は、保育所に入る子どもの人数が想定を上回り、18年度は前年度比4割増の8億9700万円にまで膨らんだ。道幹部は「子育て支援は一度やるとレベルを下げられない。今後も財政を圧迫する」との見方を示す。
■各振興局の主な事業
道は北海道創生総合戦略に基づき地域戦略に取り組む14総合振興局・振興局の主な事業を発表した。地域政策推進事業として2億7400万円を盛り込んだ。主な事業は次の通り。
▽空知 企業誘致や若者の地元定着を図り、安心で住みよいまちづくり
▽石狩 台湾などアジア諸国・地域に向けた会員制交流サイト(SNS)情報の発信など交流人口の拡大
▽後志 高収益作物の生産拡大や地材地消の促進による農林水産物の高付加価値化・ブランド化
▽胆振 アイヌ文化などの地域資源を生かした「6次観光」の推進
▽日高 アイヌ民族の魅力を生かした交流人口の増加とアイヌ文化の伝承に向けた機運醸成
▽渡島 縄文文化の認知度向上、世界遺産登録に向けた機運醸成や観光資源としての活用推進
▽檜山 北海道新幹線で来道した観光客向けの2次交通対策や観光メニューの実証実験の実施
▽上川 松浦武四郎が訪れた天塩川周辺地域の歴史・文化を生かした魅力発信
▽留萌 農業の人手不足に対する大学との連携による新規就農対策
▽宗谷 都市部の農業系大学生などを対象とした就農体験インターンシップ実施
▽オホーツク 地域の魅力発信や受け入れ態勢の整備
▽十勝 食やアウトドア体験を盛り込んだ滞在型観光モデルの構築
▽釧路 スポーツと釧路地方の食を融合させた地域活性化
▽根室 北方領土に関する学習型観光ルートの開拓など領土返還要求運動の機運醸成
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/164852