苫小牧民報2018/2/26配信
アイヌ語の録音作業に臨む摩耶さん(右)=21日、室蘭市文化センター
道南バス(本社室蘭市)は4月1日から、日高地方と苫小牧などを結ぶバス3路線で日本語に加えてアイヌ語による車内放送を流す。アイヌ文化の伝承活動が盛んな平取町内を運行する際にバス停留所名などを紹介し、アイヌ民族や文化に対する理解を深めてもらう。今月21日には室蘭市内で収録作業が行われ、平取町でアイヌ語を学ぶ高校生が地元の方言で録音。事業に関わった国や平取町関係者などが見守り、文化の発信に期待を寄せた。
同社、内閣官房アイヌ総合政策室北海道分室(札幌市)、平取町の3者が昨年9月に協議を開始。同町の二風谷アイヌ文化博物館に勤務する関根健司学芸員補、北海道大学アイヌ・先住民研究センター(札幌市)の北原次郎太准教授がそれぞれ協力した。
関根さんの長女で、アイヌ語弁論大会優勝の経験を持つ高校生3年生の摩耶さん(18)=平取町在住=が録音に参加。「チウレンカレプ ウイナ ヤン」(整理券をお取り下さい)や「イヤイライケレ」(ありがとうございました)など、同町沙流川地区の方言でバス停52カ所と乗車ルールなど17のアナウンスメッセージを表現した。
作業を見守った関根さんは「抑揚をあまり付けないように」などと助言。北原さんは「車内放送ではアイヌ語にない言葉もあり、もともとある言葉の応用や近い意味の言葉を取り入れた」と述べ、摩耶さんは「日常的に触れてきた言葉を通じ、少しでもアイヌ文化に興味を持ってもらいたい」と笑顔で話した。
平取町アイヌ施策推進課は、2020年に民族共生象徴空間が白老町に開設することで関心が高まっているとし、「多くの方にアイヌ文化に触れてほしい」とアピール。内閣官房アイヌ総合政策室の担当者はバス事業について「まずは平取町で1年間放送する。他地域の公共交通機関でも放送が自然に流れるよう取り組みたい」と話した。
対象路線は▽特急ひだか号(日高ターミナル―苫小牧駅前間)▽高速ひだか号(日高ターミナル―札幌駅前間)▽日高富川高校線(富川高校前―日高ターミナル間)。放送はいずれも1日当たり1~3便とし、平取町内の新日東―荷菜摘(になつみ)間で行う。車内にはリーフレットやポスターも設置し、利用者に積極的にPRする。
https://www.tomamin.co.jp/news/main/13275/
アイヌ語の録音作業に臨む摩耶さん(右)=21日、室蘭市文化センター
道南バス(本社室蘭市)は4月1日から、日高地方と苫小牧などを結ぶバス3路線で日本語に加えてアイヌ語による車内放送を流す。アイヌ文化の伝承活動が盛んな平取町内を運行する際にバス停留所名などを紹介し、アイヌ民族や文化に対する理解を深めてもらう。今月21日には室蘭市内で収録作業が行われ、平取町でアイヌ語を学ぶ高校生が地元の方言で録音。事業に関わった国や平取町関係者などが見守り、文化の発信に期待を寄せた。
同社、内閣官房アイヌ総合政策室北海道分室(札幌市)、平取町の3者が昨年9月に協議を開始。同町の二風谷アイヌ文化博物館に勤務する関根健司学芸員補、北海道大学アイヌ・先住民研究センター(札幌市)の北原次郎太准教授がそれぞれ協力した。
関根さんの長女で、アイヌ語弁論大会優勝の経験を持つ高校生3年生の摩耶さん(18)=平取町在住=が録音に参加。「チウレンカレプ ウイナ ヤン」(整理券をお取り下さい)や「イヤイライケレ」(ありがとうございました)など、同町沙流川地区の方言でバス停52カ所と乗車ルールなど17のアナウンスメッセージを表現した。
作業を見守った関根さんは「抑揚をあまり付けないように」などと助言。北原さんは「車内放送ではアイヌ語にない言葉もあり、もともとある言葉の応用や近い意味の言葉を取り入れた」と述べ、摩耶さんは「日常的に触れてきた言葉を通じ、少しでもアイヌ文化に興味を持ってもらいたい」と笑顔で話した。
平取町アイヌ施策推進課は、2020年に民族共生象徴空間が白老町に開設することで関心が高まっているとし、「多くの方にアイヌ文化に触れてほしい」とアピール。内閣官房アイヌ総合政策室の担当者はバス事業について「まずは平取町で1年間放送する。他地域の公共交通機関でも放送が自然に流れるよう取り組みたい」と話した。
対象路線は▽特急ひだか号(日高ターミナル―苫小牧駅前間)▽高速ひだか号(日高ターミナル―札幌駅前間)▽日高富川高校線(富川高校前―日高ターミナル間)。放送はいずれも1日当たり1~3便とし、平取町内の新日東―荷菜摘(になつみ)間で行う。車内にはリーフレットやポスターも設置し、利用者に積極的にPRする。
https://www.tomamin.co.jp/news/main/13275/