毎日新聞2018年2月21日 東京朝刊
探険家で武蔵野美術大学教授の関野吉晴さん(69)が「地球永住計画」と銘打つ公開講座をJR三鷹駅近くの同大の三鷹ルーム(東京都武蔵野市)で開いている。「命を育む地球を壊さず、生き続けるためにはどうしたらいいか」をテーマに各分野の専門家らとの対談などを行っており、先月は京都大学学長で霊長類学者の山極寿一さん(66)が登壇した。
ゴリラ研究の第一人者で知られる山極さんは「複数の家族でコミュニティーをつくり、共同保育や食物の分配をすることはゴリラなど他の類人猿には見られない人間の特徴だ」と解説した。また、いにしえの時代から人間は五感を通じてさまざまな命と触れ合ってきたが、「情報通信技術などの発達で今は自然を見る目が単調になっている」と指摘。サイバー空間と現実社会が融合する「超スマート社会」が到来すれば「人間の脳の機能さえAI(人工知能)に代替されるようになり、人間自体、生物であることを忘れていくのではないか」と危惧した。
アマゾンなどの先住民族の伝統文化に詳しい関野さんは「さらに暮らしが便利になりAIが優秀になっても私たちは自然の恵みがないと生きていけない。機械文明に依存する現代の生活を顧みる必要がある」と話していた。講座の問い合わせは「地球永住計画」(080・5019・0153)。【明珍美紀】
https://mainichi.jp/articles/20180221/ddm/013/040/023000c
探険家で武蔵野美術大学教授の関野吉晴さん(69)が「地球永住計画」と銘打つ公開講座をJR三鷹駅近くの同大の三鷹ルーム(東京都武蔵野市)で開いている。「命を育む地球を壊さず、生き続けるためにはどうしたらいいか」をテーマに各分野の専門家らとの対談などを行っており、先月は京都大学学長で霊長類学者の山極寿一さん(66)が登壇した。
ゴリラ研究の第一人者で知られる山極さんは「複数の家族でコミュニティーをつくり、共同保育や食物の分配をすることはゴリラなど他の類人猿には見られない人間の特徴だ」と解説した。また、いにしえの時代から人間は五感を通じてさまざまな命と触れ合ってきたが、「情報通信技術などの発達で今は自然を見る目が単調になっている」と指摘。サイバー空間と現実社会が融合する「超スマート社会」が到来すれば「人間の脳の機能さえAI(人工知能)に代替されるようになり、人間自体、生物であることを忘れていくのではないか」と危惧した。
アマゾンなどの先住民族の伝統文化に詳しい関野さんは「さらに暮らしが便利になりAIが優秀になっても私たちは自然の恵みがないと生きていけない。機械文明に依存する現代の生活を顧みる必要がある」と話していた。講座の問い合わせは「地球永住計画」(080・5019・0153)。【明珍美紀】
https://mainichi.jp/articles/20180221/ddm/013/040/023000c