先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

おしゃべり地球カフェ/ニュージーランド 先住民族に敬意を表して

2011-08-27 | 先住民族関連
四国新聞 2011/08/26 09:41

 KiaOra(キアオラ)。7月4日から10日までニュージーランドはマオリ語週間でした。普段あまり聞きませんが、その期間はニュースや天気予報までマオリ語を取り入れています。先住民族マオリ人の言葉で、ニュージーランドの公用語の一つです。国内の地名や道路名にも使われているので、目にすることは多いのですが、実際、マオリ語で生活している人数は減少しています。
 マオリ人が人口に占める割合は約15%(ヨーロッパ系は約65%)で、95%のマオリ人が北島に住んでいます。北島中央に位置するロトルアはマオリ文化の中心地で、地面に穴を掘り、中に焼き石と食材を入れた籠を入れて蒸し焼きにするハンギ料理やKoru(コル)という渦巻き状のモチーフを使った彫刻や入れ墨が代表的な文化です。
 ニュージーランド建国当時、新天地に移り住んだイギリス人とマオリ人の間には、長い歴史の中でさまざまな問題がありました。いまも未解決のまま残っているものもありますが、このマオリ語週間というイベントで先住民族を敬う行いには好感が持てます。一方、英語で事足りる暮らしの中で、自分たちの言語を絶やさず残してきたマオリ人にも敬意を表します。
 マオリ語は音節が母音で終わりローマ字読みに近いことから、日本人には比較的簡単に発音できます。小学校の必須科目でマオリ文化も合わせて習います。各学校(小学校から高校まで)には、Kapahaka(カパハカ)グループがあり、希望者はマオリ伝統の歌やパフォーマンスを習うこともできます。一番有名なパフォーマンスHaka(ハカ)は、元来マオリ人が戦の前に士気を高め、相手を威嚇するためのものでした。今はラグビーオールブラックスの試合前のイベントになっています。
 Aotearoa(アオテアロア)は白く長い雲のたなびく地、という意味です。美しい響きとすてきな表現ですが、何のことだと思いますか?
 答えはニュージーランドです。オークランド空港の到着ゲートには大きくHaereMae(ハエレマエ)と書かれたボードが私たちを温かく迎えてくれます。ようこそという意味ですが、この「ハエレマエ」が讃岐弁の「ハイリマイ」に発音がよく似てるんですよ。全くつながりのない言語なのに、偶然にも意味まで似ていて…マオリ語に親しみを感じてしまいました。(高松市出身、主婦 モリス節子)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/20110826000140

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心の叫びを歌に! 違星北斗

2011-08-27 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2011年08月26日
【北の文人 立ち話 高山美香】
■アイヌ民族復興へ一途
 アイヌ歌人、違星(いぼし)北斗(滝次郎)は、余市町で漁業を営む父と教育熱心な母との間に誕生。明るく活発な少年でしたが、和人の子供が通う小学校に入るとひどい差別を受けます。理不尽ないじめに、「手当たり次第、物をたたき割って暴れ死にたくなった」というつらい青年時代を送りました。
 しかし、ある時、一人の和人教師からアイヌ民族を気遣う優しい言葉をかけられ「こんな人もいるんだ」と考えが一変。北斗は積極的に和人の中に入り、また、アイヌ青年の修養会「茶話笑学会」を結成。俳句も作り始めました。
 23歳の時、事務職を得て上京。アイヌ語研究者、金田一京助宅を訪問し、「アイヌ神謡集」を残した知里幸恵の存在を知り衝撃を受けます。東京生活は充実していましたが、自分だけ幸せならいいのかと悩み、アイヌの手で民族復興をと帰郷を決意。民族への思いを短歌にし小樽新聞社に投稿、選者の並木凡平から「心から絞った叫び」と絶賛されます。
 薬売りとして道内中のアイヌコタンを巡りアイヌの地位向上を訴えて歩きますが、「昼飯も食はずに夜も尚歩く売れない薬で旅する辛さ」。結局、志半ばで病に倒れてしまいますが、最後まで民族復興を願い歌い続けました。
 「世の中は何が何やら知らねども死ぬことだけは確かなりけり」 享年27歳でした。
   ◇
 違星北斗(1902~29)。余市町生まれ。小学校を出て地元で働くが、25年に上京後にアイヌ民族問題に目覚め帰郷。短歌作りを始め同人誌を創刊。薬の行商をしながら創作とアイヌ復興の活動を続けた。死後に遺稿集「コタン」が出された。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000961108260001

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道功労賞:元札医大学長・秋野さんに 夕張メロン組合など2団体も /北海道

2011-08-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年8月26日 地方版

 道は経済や社会、文化の発展に貢献した人や団体に贈られる道功労賞の受賞者を発表した。今年度の受賞は▽元札幌医科大学長で医療法人渓仁会理事長の秋野豊明氏(75)▽札幌こどもミュージカル育成会(札幌市西区、細川真理子代表)▽夕張メロン組合(夕張市沼ノ沢、工藤政則組合長)--の1個人2団体。10月25日に贈呈式がある。
 秋野氏は札医大の推薦入試に北海道枠を導入し、卒業生の道内定着率を高めて医師確保に尽力。学長退任後は渓仁会理事長として道内初のドクターヘリ事業を軌道に乗せ、広域救急医療に貢献した。
 札幌こどもミュージカル育成会は81年に設立。オリジナル作品の公演を続け、海外でアイヌ文化を紹介するなど北海道の文化や歴史を広く発信し、芸術振興に寄与した。
 夕張メロン組合は、新品種「夕張キング」を開発し、日本を代表するメロンブランドに育て上げたことなどが評価された。
 知事表彰では最高位に当たる道功労賞は、これまでに137人と12団体が受賞している。【高山純二】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110826ddlk01040056000c.html

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「アイヌ民族の心伝えたい」 千歳で市民向け講座

2011-08-27 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 08/25 15:00、08/26 15:09 更新)

【千歳】千歳アイヌ文化伝承保存会は9月から、アイヌ民族の言葉、刺しゅう、古式舞踊の市民向け講座を再開する。講座は、アイヌ文化伝承者として活躍した前会長の中本ムツ子さんが4月に亡くなり途絶えていた。中本さんの遺志を継いで再開することに、保存会は「自然を大切にするアイヌ民族の心なども伝えたい」と参加を呼びかけている。(渡辺淳一郎)
 保存会は、中本さんが中心となり1989年に発足。市内新星の蘭越生活館を拠点にアイヌ語、刺しゅう、古式舞踊の講座を定期的に開いてきた。
 中本さんは83歳で亡くなる直前まで講師を務めていた。「楽しく、元気に」がモットーだった。「生徒に『ムッちゃん』と呼ばれて親しまれ、中本さんの教室はいつも笑顔にあふれていた」。保存会の中村勝信事務局長(66)は振り返る。
 保存会のメンバーは7月上旬の会合で各講座の再開を決め、詳細を検討。中本さんの教え子らが講師を務めることにした。
 中本さんに10年以上師事し、アイヌ語講座を担当する胆振管内安平町の自営業山田雄司さん(40)は「中本さんは、命や平和を大切にするフチ(アイヌ語でおばあさんの意)たちの思いを大切にしていた。言葉以外のアイヌ民族の精神も知ってもらえればうれしい」と話す。
 講座の日程は、アイヌ語が9月25、29日、10月9日、刺しゅうが9月14、20日、10月4日の各3回ずつ。古式舞踊は10月9日。受講料は1回500円で、会場は東雲会館(東雲町1)。申し込み、開始時間などの問い合わせは平日の午前9時~午後4時に蘭越生活館(電)23・4964へ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/314096.html

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白老の水野さん、伝統工芸家に最年少で認定される

2011-08-27 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年8月25日(木)朝刊】

 アイヌ文化振興・研究推進機構(事務局札幌)が主催する第15回アイヌ工芸作品コンテスト「木工芸の伝統的作品部門」で、白老町東町の工芸家、水野練平さん(33)制作の「タシロ」(山刀)が最高賞の優秀賞に輝いた。優秀賞連続3回受賞は初めて。同機構認定の「伝統工芸家」の称号を最年少で得た。9月9日から同14日まで東京・有楽町朝日ギャラリーで開催の移動展に展示される。
 刃渡り21センチの「タシロ」は、硬い材質のイタヤカエデを使った柄とさやからなる。「いかにアイヌの伝統的な作り方をするかに一番心を注いだ」といい、さやは「割り材」という手法を用い、松ヤニで木材を張り合わせ、白老で採取したサクラの皮を「結束材」にした。
 柄、さやともに巴紋を基調に伝統的なアイヌ文様で仕上げた。前回受賞後から構想を練り、「いろんな資料を見て、昔ながらの作り方を相当考えた」という。
 「伝統工芸家」の称号を得て、次回コンテストからは一般公募の審査対象ではなくなり、いわば「会員作品」としての出品になる。「うれしく思っているが、まだまだ追いつけない人がたくさんいます。あくまでも伝統的かつ質の高いものを作っていきたい。アイヌ文化の振興に微力ながら役立てば」と創作意欲を新たにしている。
 水野さんのアイヌ工芸作品は白老観光協会のネット商店街に出品しているほか、個人でも注文を受け付けている。
 メールアドレスはmizunorenpei@gmail.com(富士雄志)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/08/25/20110825m_08.html

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監視船の尖閣領海侵入・日本抗議…中国で「琉球取り戻せ」の声も

2011-08-27 | 先住民族関連
サーチナ  2011/08/25(木)

 尖閣諸島の久場島北北東で24日、中国の漁業監視船2隻が日本領海内に侵入し、日本が中国に抗議した件で、中国のインターネットでは日本に反発する書き込みが相次いだ。
■尖閣諸島問題 - サーチナ・トピックス
  中国では「釣魚島(尖閣諸島)は古くからの自国領。日本に奪われた」と考える人が圧倒的に多く、疑問を感じているとしても意見発表は極めて難しい。
  中国の漁業監視船の日本領海への侵入、日本側の抗議、中国政府の「釣魚島は自国領。漁業監視船の巡視は当然の活動」との見解表明など一連の報道を受け、日本に反発する声があらためて高まった。
  「愛国論調」を“売り物”にする環球網には「軍艦2隻を常駐させよ。(日本の)抗議など構うな」、「中国側がやっと強気になった。うれしいぞ」、「日本も抗議ができるんだな」、「核兵器打ち込めば問題解決」などのコメントが並んだ。
  中国では「沖縄も本来は中国領」との考えが強く、「琉球(りゅうきゅう)群島を取り戻せ」、「日本が持てるのは(北海道、本州、四国、九州の)4島だけ。残りの島は戦勝国の言い分による。琉球は中国に復帰させよ。独立でもよい」などの書き込みも目立つ。
**********
◆解説◆
  中国人は、かつて「中華皇帝」に対して朝貢を行っていた地域すべてを「本来は自国領」と考える傾向がある。朝貢とは、「中華皇帝」の権威と、全世界を統治する「潜在的権利」を認めるもので、中華皇帝の実質的な支配を意味するものではなかった
  中国の周辺地域の統治者の多くは、中国に朝貢すれば自らの統治の「正当性」を認められ、経済面などでも便宜を図ってもらえるので、進んで朝貢した。現在で言えば、韓国/北朝鮮、ベトナム、チベット、沖縄などが中国に朝貢を続けた。
  沖縄は「琉球王国」として実質的に独立した存在だったが、江戸時代初期に薩摩藩が侵攻して服属させた。しかしその後も中国に対して朝貢を続けた。
  明治維新以降、日本政府は琉球王国の「名義上の二重所属」という状態を解消し、国際法上も自国領と認められる動きを続けた。1871年に台湾に漂着した琉球人が殺害された。日本政府は清(しん)国に抗議したが、清国政府は「台湾原住民にまで統治が及ばない」などと説明したので、日本は「ならば、自国で解決する」と回答して台湾に出兵。大久保利通は日本の出兵と台湾占拠にあわてた清国政府との交渉で琉球人を日本人と認めさせ、賠償金を得ることに成功した。日本が「台湾人は中国国民、琉球人は日本国民」との解釈を、中国政府に認めさせたことになる。
  日清戦争の結果、清国は台湾を日本に「割譲」、沖縄(琉球)についてはあらためて「日本の主権を認める」ことになった。
  中国の古い歴史書では沖縄が「大琉球」、台湾は「小琉球」と書かれている場合がある。中華を中心とした「文明化の度合い」を大小で表現したと考えられている。台湾については、先住民以外に中国人が本格的に住みだしたのは明朝期。台湾を支配したオランダ人が、労働力として福建省などから中国人を入れた。明朝の臣として清朝に抵抗した鄭成功がオランダ人から台湾を奪取し、後に清朝が支配することになった。台湾先住民が中華皇帝に「朝貢」したことはない。(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0825&f=politics_0825_007.shtml

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先端技術で「文化の融合」 京大教授、掛け軸を制作印刷用画面を開く

2011-08-27 | 先住民族関連
【京都新聞 2011年08月25日 15時15分 】

デジタル絵画掛け軸「トーテムポール」 コンピューターを使って禅や漫才を表現するなど斬新な作品を手がけてきたメディアアーティストの土佐尚子京都大教授が、新作のデジタル絵画掛け軸を制作した。
 日本の土偶や埴輪(はにわ)を北米の先住民が立てたトーテムポールのように配置したり、さまざまな宗教の神を1枚の絵に同時に描くなど、デジタル技術を駆使して「文化の融合」を表現した。
 絵画を縦42センチ、横17センチの紙に印刷して掛け軸に仕立てており、床の間で先端技術の粋を味わうことができる。9月3日からシンガポールで開く個展に出品する。
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20110825000056

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富士通、豪電力会社から3年間のICTインフラサポート契約を受注

2011-08-27 | 先住民族関連
日経プレスリリース 2011/08/25

オーストラリアHorizon Power社から3年間のICTインフラサポート契約を受注
西オーストラリア州広域への電力供給ICTインフラサポートを実施
 [オーストラリア、シドニー発8月11日]富士通オーストラリア(注1)は、西オーストラリア州政府が所有する電力会社、Horizon Power社(注2)と、3年間のICTインフラサポート契約を締結しました。Horizon Power社は、西オーストラリア州のおよそ230万平方キロメートルのエリアに分散する、42,500以上の契約者である顧客に、電力の生成、調達、配電、販売のサービスを提供しています。富士通は、この電力サービスを提供するシステム全体のICTインフラサポートを実施します。
 富士通が実施するのは、Horizon Power社の従業員と電力サービスの利用者向けのICTインフラサポートで、具体的には、IT資産管理、構成管理(注3)、サーバ、ストレージ、データベース、ネットワークなどのハードウェア運用・保守、および、IP電話やEメール、会議システムなどの通信サービス管理の他、ヘルプデスク、および出張によるエンドユーザサポートと、サービス提供状況の管理と報告が含まれています。
 富士通へのサービス委託について、Horizon Power社の技術部門(Knowledge and Technology)の統括マネージャー、James Deacon氏は、次のように述べています。「当社は、顧客が分散しているそれぞれの地域でより効果的にサービスを提供する必要があります。地域ごとに多様な機材が混在しているIT資産を効率的に管理するために、専門知識を有する豊富な人材を提供できるパートナーが必要でした。富士通は、多くの実績に裏打ちされたICTインフラサポートを提示してくれたばかりか、西オーストラリアで非常に重要な存在である先住民族向けに、さまざまな雇用機会を提示して、我々のパートナーとなる意欲を見せてくれました。」
 富士通オーストラリアのCEO、Mike Fosterは、次のように語っています。「富士通は、これまでに整備してきた体制を活用して、エネルギー供給システムのインフラ保守ノウハウと、シームレスなICTインフラサポートを提供し、Horizon Power社が広大な西オーストラリア全域に、質の高いサービスを提供できるよう、全面的な支援を行っていきます。」 以上
【注釈】
注1 富士通オーストラリア:
 富士通株式会社の全額出資子会社。CEO:Mike Foster、従業員約5,000人、オーストラリアとニュージーランドのICT市場において売上高第三位。コンピュータプラットフォーム、ネットワーク機器関連サービス、保守、ソリューションビジネスを提供。
注2 Horizon Power社:
 西オーストラリア州政府所有の電力会社。西オーストラリア州で、電力の生成、調達、供給、販売を行っており、住宅、企業、工場などにエネルギーソリューションを提供している。ピルバラ、キンバリー、ガスコイン、 ミッドウェスト、ゴールドフィールズ・エスペランスなどの地域(およそ230万平方キロメートル)に、42,500以上の契約顧客を持つ。
注3 構成管理(Configuration management):
 システムの構成や成果物を管理することにより、ITリソース間の依存関係やシステム内の状況を管理すること。
【関連リンク】
・Horizon Power http://www.horizonpower.com.au/
・富士通オーストラリア http://www.fujitsu.com/au/
● 関連リンク 富士通(株) ホームページ
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=289527&lindID=1

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「現代のガンディー」ハザレ氏へ批判も:インド社会の多様な声

2011-08-27 | 先住民族関連
インド新聞 08/25/2011 07:41 AM .

 今、インドの新聞やテレビは、汚職防止組織(ロクパル)の設立を求めて断食を続ける社会活動家アンナ・ハザレ氏のニュースで持ち切りである。インド各地でハザレ氏を支持する集会が開かれ、社会階層を越えた多数の人々が支持を表明している。マハトマ・カンディーがイギリス植民地支配に対抗する手段として用いた断食により汚職根絶を訴えるハザレ氏は、「現代のガンディー」ともいわれている。
 ハザレ氏の人気はとどまるところを知らないが、それでもハザレ氏やその運動には批判の声もある。これらは今のところ少数意見に過ぎないが、ハザレ氏の運動を客観的に位置付けるには役立つはずであり、ここにまとめた。
(1)議会制民主主義の否定
 議会による法律制定の手続きに従わず、断食により自分たちが提案している法律の実現を試みるのは議会制民主主義の否定であるとする意見で、政府の基本的立場。ハザレ氏への対応について政府を激しく批判しているインド人民党(BJP)や共産党マルクス主義派(CPI-M)も、この点については同意見であり、ハザレ氏側の法案をそのまま受け入れることはできないとしている。
(2)ヒンドゥー教寄り
 デリーにあるモスク、ジャマー・マスジドのイマーム(宗教指導者)であるサイード・アフマド・ブハリ氏は、ハザレ氏の運動は反イスラム的であり、イスラム教徒は運動を支持しないように説いている。ブハリ氏は「バンデー・マータラム」(インドの愛国歌)や「母なるインド万歳」などの掛け声を用いるハザレ氏の運動をヒンドゥー教寄りとして批判するとともに、運動の資金が民族義勇団(RSS)などのヒンドゥー至上主義団体から出ているのではないかとの疑念を呈している。
 ブハリ氏の意見は、あまりに狭量であるとして、他のイスラム教徒指導者からも批判を受けた。しかし、ハザレ氏の運動とヒンドゥー至上主義団体とのつながりを不安視する人は少なくない。
(3)上流階層による運動
 ブッカー賞受賞作家のアルンダティ・ロイ氏は、22日付「ザ・ヒンドゥー」紙に「私はアンナ氏になりたくない」という記事を発表した。ロイ氏は、ハザレ氏の運動は、農民の自殺、先住民族の抑圧、開発による住民の強制立ち退きなど、社会の下層に位置する人々の問題を無視したものであると批判した。ロイ氏は、ハザレ氏が過去に2002年グジャラート州でのイスラム教徒虐殺事件への関与を疑われているナレンドラ・モディ州首相の開発モデルを称賛したことがあるほか、ハザレ氏の側近グループのメンバーのほとんどが多国籍企業などから資金を受け取っていると指摘している。
 何事にも必ず反対意見がでてくるのがインド社会であり、国民の広い支持を受けているハザレ氏の運動ですら例外ではない。これからもこうした反対意見が相次ぎ、運動の足元を崩してしまう可能性すらある。しかし、ハザレ氏の運動もインド社会の「反対意見の表明の自由」に依拠している部分が大きい。多様な意見が許される風潮はインド社会の弱みであると同時に、強みにもなっている。
http://indonews.jp/2011/08/post-5007.html

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