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鉱物の部屋へのいざない

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蝕像水晶

2012-01-24 11:23:37 | 日記・エッセイ・コラム

今日の話題は水晶の変種の中でも蝕像水晶についてです。

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?ロシア ダルネゴルスク産の水晶

この写真はインターフェレンスというタイプの蝕像水晶です。最初の写真だけ見るとどうしてこんな形になったのか?不思議に思いますが、次の写真を見るとその理由が理解できると思います。刻み目に詰まっているのが方解石で、それは水晶と同時に結晶成長したと思われます。そして、もろい方解石が溶けた後に残ったのが最初の水晶です。

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?長石と水晶の共生結晶

ゴツゴツした水晶の表面からはその部分にも長石が詰まっていた形跡が読み取れます。

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?マダガスカル産の蝕像水晶

このマダガスカル産の蝕像水晶にはヌケがあります。菱形の四角柱状のヌケがあることから方解石もしくは長石の共生結晶だった水晶だったと想像されます。

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?ヒマラヤ蝕像水晶

これはパワーストーンの分野でアイスクリスタルと呼ばれてる蝕像水晶です。インド北部のクル渓谷の氷河地帯から氷河の雪が解けたところで発見されたものです。それらはクラスター状ではなく一本一本単独で出てくるそうです。氷河の移動がアイスクリスタルの生成に関与したと予想されます。

以上は肉眼的な観察から推測可能な蝕像水晶の例でした。

ところで、蝕像水晶の研究で有名な福井県の故市川新松先生の事を忘れてはいけません。市川新松先生は特に遊泉寺銅山の蝕像紫水晶の研究が有名です。

昨年夏に市川新松展に行かれた方も多かったのではないかと思われます。北陸の地に偉大な先人がいた事を誇りに思います。

コメント
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