かぶれの世界(新)

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38.2度

2008-07-20 22:54:33 | 日記・エッセイ・コラム

数年前に近所の知り合いが言うには大洲市は全国区になった、NHKニュースの全国向け放送時間帯に名前が出てくるようになったからという。夏場の最高気温が全国一になることが近年増えたからだという。そして今日も又38.2度という記録的な暑さだった。お約束で全国放送にも出た。

だが、体感的には昨日の36度の暑さの方が厳しかった。多分、昨日は湿度が高かったせいだろう。98年の7月末にサクラメントに引っ越した丁度その日、市始まって以来の記録的な華氏111度(摂氏44度)だった。その時は20%程度の湿度で日陰に入るとそれほど暑さを感じなかった。

だが、家族とオールドサックという西部開拓史時代を再現した古い町並みを歩いているうちに頭がふらふらした。体感温度はそれほど高く感じなくても、頭皮を通して脳に到達する熱は湿度に関係なく111度で、そのうち脳みそが沸騰するぞと脅かされたことを後から思い出しぞっとした。

いずれにしてもこのところの田舎の暑さには堪えている。悪いことに月曜日からぶり返した通風の痛みがしつこく、クーラーの風邪は痛いし、寝返りすると足がひどく痛み寝不足が続いている。大きい家で寝室が2階にあり、別棟の風呂が遠いのが恨めしい。母のためにつけた手すりで何とか階段を上がり降りしている。

今朝は市一斉の美化運動、通称「ドブさらい」、を取り決めの3千円払って免除させて頂いた。私が通風だと近所中に触れ回ったようなものだ。日程が重なっていたバドミントン大会も当然棄権させて頂いた。これじゃ町中の人に宣伝したと同じになった。

このブログを健康ネタと介護ネタだらけにしたくなかったが、どうも意図どおりには進んでいない。田舎で独り通風でうなりながら母の介護を見届けるというのは、ちと寂しい。何時まで続くか。米国の大きな一軒家で独り通風に苦しんだ時の侘びしさを思い出した。悪いことだけではなかった、駐在員の奥さん達が手作りの料理を持って見舞に来てくれた時の天にも昇る嬉しさも思い出した。■

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野茂の時代

2008-07-20 16:22:22 | スポーツ

先日、プロ野球の野茂の現役引退が報じられた。彼は日本のプロ野球から舞台をアメリカに移しメジャーリーグ(MLB)で活躍した開拓者というのが一般の評価だ。私は別の形でずっと彼を意識してきた。野茂がLAドジャーズで活躍し始めた同じ年の1995年、私も米国シアトルに渡り仕事を始めた。ある意味同期のサクラだ。

その前年の1994年ドル79円まで円高が進行し、バブル崩壊後も人件費が上昇していた日本企業、主に製造業、は一斉に海外進出を開始していた。私もその大波の中にいた。私の場合、野球の本場でやりたいと考えていた野茂ほど意識は高くなく、ある日突然指名されて気が付くと波に乗っていた。

日本では野茂の活躍に全ての注目が集まっていたと聞いているが、米国の田舎で新聞やTVなどメディアは地元のニュース報道が主でたまに野茂の活躍が報じられるだけだった。その頃はインターネットでニュースを見る習慣は私になかった。ネットサーフィンする米国人同僚も少なかった。日本から野茂の大活躍を伝える報道を見聞きして初めて知った。

正直言うと、日本最後の年1994年の野茂は不調で、私はバッターが決め球のフォークに慣れ通用しなくなったと思っていた。仮にMLBで最初は成功しても直ぐに慣れられるだろうと。野茂が大活躍しブームになっているとは最初信じられなかったが、それを聞いてとても嬉しくなった。

そのうち、私にとっての野茂は当時あらゆる分野で海外進出する日本人・企業のシンボルになった。日本企業の特徴であるチームとして力を発揮するのではなく、個人の実力で戦い生き残らねばならないスポーツ選手の活躍は、私には大変勇気付けられるものだった。そういう時代になったのかと。

実は同じ頃最も勇気付けられたのは、単身イタリアに渡り世界最高峰といわれたセリエAでプロサッカー選手として成功した中田だった。郊外のメキシカン・レストラン(概して治安のよく無いところにあるが安い)で昼食をとっていると、サッカー中継をやっていた。2得点を挙げて派手に活躍する選手が「ナカータ」と連呼され、そのうち彼が中田選手だと分かり驚いたのを記憶している。

私の若い頃といえば、野球にしろサッカーにしろ、日本と世界のレベルの実力差は端から議論にならないほど大きいものだった。ハイテックの世界でも米国は聳え立つ巨人だった。

それが気が付けば野茂や中田は世界最高峰の舞台で活躍し、「私」はハイテック本家の米国で米国人を使って仕事をしている。私の想いは勘違いであったが、兎に角当時は野茂の活躍は米国で働く日本人にとって勇気付けられ誇りに思うものだった。

その後海外に進出したプロスポーツ選手が必ずしも成功しなかったように、企業も又明暗が分かれた。報道での野茂の発言を聞く限り、彼の成功はMLBで野球をやりたいという強い執念だったように思う。

私は貴重な体験をさせてもらったが、ビジネス成果を上げることなく帰国する苦い思い出になった。今思うと私には彼ほどの執念は無かった。個々には経営の巧拙もあるが、一般論としては製造業の世界では成功の分かれ目は商品が「摺り合わせ形」か「モデュラー形」かであったように思う。スポーツの世界では「チーム戦略」の差ということだろうか。■

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織り込み済み?

2008-07-18 22:59:59 | 社会・経済

インターネットでマーケット状況をチェックしていると、米国発金融不安の震源地の一つであるシティグループが46月に$2.5B3000億円弱)の巨額損失を公表したという速報が目に留まった。その見方に随分大きな違いがあるので紹介したい。

CNNMoney.comはシティグループの発表がアナリストの予測($2.86Bの損失)よりも少ない損失で、ウォール街を驚かせた、既に市場が開く前の事前取引で同社の株価が急上昇している、とプラスの捉え方をして報じた。

直後に見たNHK9時のニュースの終わり際に伝えた速報は、また巨額の損失が出たと青山キャスターが深刻な顔で伝えて終った。その後テレビ朝日の古館氏がいつもの大げさな表現だけど中身の無いコメントで伝えた。これを見た視聴者の多くは先行き漠然とした不安をもったと思う。(このことでテレビを非難する積りは無い)

このギャップは市場が常に業績予測を織り込んでいる為に起こる。ライブドア事件のとき堀江氏が良く使った言葉「想定内」を思い出す。市場は業績が黒字か赤字かではなく事前予測内か外かで動く。日本時間2240分現在NY証券市場はやや下げで始まっている。今度はテクノロジー株が足を引っ張っているというから難しいものだ。■

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腑に落ちないこと三題

2008-07-16 22:58:22 | ニュース

母の介護は何とか落ち着いたが、私の通風が再発、何時になってもじっくり物事を考えることが出来ない。このところニュースを見聞きして納得できないというか、腑に落ちないことを話題の「素粒子」風に、つまり無責任に、書いてみたい。直感的な思いつきで深く考えたことは無いが気になる三題です。

大分県教委の不正採用取消し

大分県教委は教員試験の点数改ざんで採用された合格者の採用を取り消すと決定したことが伝えられた。随分思い切った決定だ。若い教員にとっては立ち直り困難な厳罰のように私には感じる。まだ進行中のことではあるが、このままでは公平性に欠けてないだろうか。やむを得ない処置だと納得する為には、口利きをした地方政治家や自治体の幹部は放置出来ない、公表し処分すべきだ。話は大分だけではないようだ、私の周りにも噂はある。

もう少し話を広げると、未だに毎週のように報じられる官僚の公金横領まがいの税金無駄使いは大臣の自粛発言とか幹部の謝罪はあっても当事者や監督すべき立場の上司がクビになったという話は聞かない。大分県の若い教師に対する父兄の怒りと同じ厳しさを官僚に求め、律することをしない政治に選挙で反映できないのだろうか。大分の父兄が口利きした議員を選んだことを反省する声が全く聞けないのは何故だろうか。そういう問いかけをしないメディアの意識にも問題がある。

一斉休漁

原油価格高騰を受け全国漁業協同組合が一斉休漁したと報じられた。欧州でも全く同じニュースが流れており漁業者の不安は理解できる。だが私にはこの国の農業と同じ構造的なものを感じる。それは高齢化が進む一方で後継者がいない農業に何十兆円も使った挙句、農業を徹底的に弱体化させたことだ。実際は農業ではなく農家に金をばら撒いたからだ。

政治的な支援が現在の漁業の構造問題をどう認識し、それをどう変えていくのかしっかりしたプランが無いと、支援策は又しても金をばら撒くいつもの問題先送りになるだろう。例えば魚の流通は複雑で最終価格のうち最も比率が高いのは中間コストだという。この構造をそのままにするのか、支援は一体誰の為か、もっと根本的に何の為か見えてこない。

竹島問題に対する韓国の反応

教科書指導要領の解説書に竹島は「我が国固有の領土」と文科省が明記したことは韓国の主権に対する明白な挑発行為として韓国政府は厳重抗議したと報じられている。最近の米BSE牛肉に対する抗議や過去の歴史問題に対する対日抗議の激烈さを思わず思い出した。

この問題について日本側の解説書を読む限り両国の主張に夫々理があるように私は思う。決して一方的とは思えない。だが、この問題になると普段は理性的だと思う韓国の人達が、何故かパニックボタンを押したように突如相手の言い分を圧殺するかのように激烈な反応をするのだろうか。もしかしたら日本の報道は意図的にそういう所のみ伝えている可能性もあるが。大いにある。だが今は分からない。■

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G8サミット総括

2008-07-13 16:17:44 | 国際・政治

温暖化ガス削減、初の世界的合意

洞爺湖サミットの評価が一通り出てきたところで、「評価の評価」をしてみたい。結論的に言うと温暖化ガス削減については、福田首相は大変良くやったと私は思う。米国の身勝手、新興国の無責任な姿勢を取りまとめて参加国間で問題を共有し、とにもかくにもCO2削減のスタートラインに立てた。私は識者が言うような「前回の独ハイリゲンダムサミットより後退した」などと思わない。素直に評価したい。

米国及び新興国政府の今までの発言を見る限り同じ認識を持つ事は非常に難しいというのが大方の見方であったと思う。それが何故ここまで来たかというと私は3つの要因を挙げたい。福田首相の執念、官僚の活躍、BRICs以外の新興国の存在感である。

奮闘した福田首相

福田首相の温暖化対応を纏める執念はサミット前から広く報道されていた。サミットの途中難航する場面でも福田首相は各国首脳に電話を掛け粘り強くギリギリで合意できる着地点を見出した。彼の執念なくして16カ国首脳宣言は無かったと言ってよい。その活躍はMVPに値する。

それを助けたのがシェルパと呼ばれる各国政府の事務方、つまり官僚達だった。彼等の緻密な準備と調整はG8首脳会談が短時間で結論を出し喧嘩別れにならない助けとなった。官僚的言葉使いとか玉虫色と非難されようと決裂を避ける大きな役割を果たした。縁の下の活躍に技能賞を与えたい。

意外な貢献国

正直言って驚いたのは、前日まで強硬意見一辺倒だったBRICs+南アの新興5カ国が、翌日16カ国首脳会議で一変して温暖化ガス削減の長期目標について前向きな姿勢を見せたことだ。これは同じくG8に招かれた豪・韓・インドネシアがG8宣言に同意し、新興5カ国が身勝手で後ろ向きと批判されるのを恐れて妥協した方針転換だったといわれている。

こういうシナリオを考えたのは誰だったか、偶然なのか知りたいところだ。もし意図してのことならその発案者に殊勲賞を出したいところだが、今日のところは豪・韓・インドネシア3カ国の良識に殊勲賞を差し上げることにしたい。

もう一つ意外だったのが強硬姿勢をとるものと思われたEUが極めて妥協的な姿勢をとったことだ。これについてのメディアの評価は見られない。歴史的に彼等は建前の裏に巧妙な政治的駆け引きが含まれている場合が多いが、今回は何であったか私には思いつかない。ブッシュ大統領も意図して玉虫解決に乗ったといわれている。次の舞台でその真意が見えてくるだろう。

地球温暖化だけでいいのか

福田首相は環境問題に政治生命を賭けた一方で、その他の問題には力が及ばなかった。そう指摘する国内メディアも例外はあっても大筋でいうと、事前報道は地球温暖化問題一本やりで、G8サミットが終って初めて知ったようにジンバブエ大統領選の混乱や原油高騰・食料価格の上昇の問題を付け足しで報じた印象を受ける。

ジンバブエ政治情勢はロシアの反対で共同宣言にならなかった。福田首相から北朝鮮拉致問題が議題とされたが、ジンバブエに限らず世界の政治問題に関わっていく覚悟が無い限り大した結果は期待できなかった。政治もメディアも国民もそんな覚悟など元々無かったと私は思う。我が国の一国平和主義はとうに見透かされている。

原油や食料価格高騰の原因は需給関係の変化か投機相場かに主張が分かれているが、今回突っ込んだ議論がなされた気配が全く無い。事務方のレベルで早々にギブアップされていた印象だ。もっと具体的に言うと商品先物市場の規制強化をすべきかどうかだ。

この問題は温暖化と並び最重要テーマだと思うが、米国は投機規制の議論に全くその気が無いことが端から分かっていた。この問題は更に深刻になる可能性があり、今回明確に方向付けすべきであった。だが、食料援助増とか根本原因より結果生じた現象への対応に議論は終始した。

G8の限界、しかしG13は最悪

先進国の首脳が集まって物事を決めるG8体制が機能しなくなったという議論をあちこちで見かけた。サルコジ仏大統領が中国・インド・メキシコ・ブラジル・南アを含めG13の提案があったという。私は全く賛成できない。問題は今回からも予見できる。例えば、ジンバブエ問題が中途半端に終わったのはロシアの反対だし、チベット問題では中国への遠慮があった。

13カ国になれば今までより物事は決まらなくなる。加えて、ロシアの民主化後退は既にG8国として違和感がある。価値観の大きく異なる国の参加は今後世界で民主主義が脅かされる事態が生じた時、G8が果たす先導的役割を弱める事になる。

当面G8は拡大せず、時々のテーマに適宜対応するのが良いと信じる。今回のように目的毎に関係する国を招待し議論すべきと私は考える。G8の核は人権重視の先進的民主主義国家としなければ、大事なところで判断の軸がぶれて重大な誤りを犯すことになる。

それにつけてもブッシュ時代の米国の役割は失望の連続だった。今回も積極的な役割は果たさなかった。しかし、幸いなことに次期大統領の足を引っ張るようなぶち壊しも無かった。次期大統領下で米国はかなり変化する、リーダーシップを回復する方向に変化すると考えて準備すべきだ。日本に有利か不利かは別として。

余談

サミット中の日米の報道を追っかけると、米国のメディアは扱いが冷淡とも思えるほど地味だった。その理由は、そもそも人権問題や核の非拡散など政治的な議論を避けるG8サミットが生み出す結果に期待していない為、特にレームダック大統領下で、ではないかと思う。米国だけでなく世界も焦点は既に次期大統領に移っている。

日本のメディアもサミット後の反応がいつもより静かな気がする。食料など物価高騰問題や具体性に欠ける温暖化問題などの指摘はあっても、福田首相は温暖化ガス削減という困難な問題に立ち向かいまずまずの成果を上げ、ケチを付けにくかった為ではなかろうか。むしろその成果を誇り更に高めていく提案を期待したいのだが。■

コメント (2)
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