洞爺湖で開催されたG8サミットは、中印などの新興国を含め2050年までに温室効果ガスを半減する長期目標を共有することで合意したという。具体的な実行目標がない、遅い、など色々批判もあるだろうが、世界が温暖化を阻止する為初めて長期目標を共有したことは画期的なことだと私は思う。
世界の総排出量の40%以上を占める米中が勝手なことを言って参加しない地球温暖化対策の効果は期待できない。中国・インドの気持ちは分かるが、両国にまたがる大氷河が温暖化の影響を受け、将来広範な影響が出る予測をもっと深刻に考えるべきだ。長期目標を「共有」したのは彼らも馬鹿ではなかったということだ。
大風呂敷を広げましたが、話題を変えて私の身の回りの田舎暮らしの中でのエコ生活について紹介したい。
田舎は予想より車社会だった
1ヶ月前に中古車を買って四国の田舎に戻って来た。母の入退院や何やで、田舎暮らしに車は必須と改めて実感した。いつでも車が使えるようになると、行動範囲が広がりショッピングから趣味まで何にでも車を利用するようになった。
だが、燃費が馬鹿にならない。ガソリン価格が土地によって随分違うことにも気が付いた。6月初め長野県の駒ヶ岳SAでリッター172円、徳島では165円だった。ところが6月半ば田舎の大洲市で181円(店員は全国3位の価格と言った)、思わず3000円分だけ入れてくれと言ってしまった。こんなことは初めてだ。
10日後の6月末50km北の松山で給油すると170円だった。店員に聞くと南予(愛媛県の南側)に行くとガソリンが馬鹿高いのだという。昨年同じ時期に談合坂で139円、5月東京にいるときは157円だった。凄い勢いでガソリン価格が上がっているのを実感した。
購入した中古車はコンパクトカーでオート・マニュアル切り替えできるが、マニュアルでどの位燃費が良くなるのか分からない。今までのデータをチェックすると高速道路走行でリッター13km弱、市内走行だと11.5km程度だ。なるべく急発進しないように、ブレーキを踏まないよう経済運転に気をつけている。
ふと気がつくと、実家の近くの用事まで車を使っている自分に気が付いた。これじゃ、米国にいた時と同じ車社会の生活だ。このところ成るべく自転車で用事を済ませるようにしている。だが東京近辺の郊外ではお馴染みの自転車に乗って買い物に行く主婦の姿を全く見かけない。僅かに自転車通学の生徒を朝夕見かける程度だ。
究極の“0”フードマイレージ
多分、私の田舎生活で最も省エネルギーに貢献しているのは食生活だろう。母屋の前の家庭菜園はとても便利だ。冷凍うどんを茹でてから、急いでネギを取ってきて刻んで入れれば間に合う。超新鮮なネギだ。これぞ究極の“0”フードマイレージだ。
他に母がまだ元気だった2月頃に植えたと思われるキュウリやニンジン、トマト、ナス、枝豆、それに軒下に吊るした1年分はあろうかと思われるタマネギ(来年はもうないかもしれない)。他に頂き物のジャガイモが山ほどある。問題なのはキュウリやナスなどが一度に実って食べきれないこと。
キュウリの成長は驚くほど早く、たった2株なのに最盛期は毎日5個くらい穫り入れた。ほっとくとお化けみたいに大きくなる。手が緑になるくらい食べたが食べ切れず、何度か介護カウンセラーの方に差し上げたり、近所に配って歩いたりした。ところが最盛期を過ぎると1本も取れなくなった。次はナスの番だ。
コストゼロの太陽風呂
実家には「太陽風呂」と呼ばれる太陽熱を利用した給湯器がある。家庭菜園の隣に建てられた風呂と広さ2畳の着替え部屋とトイレのある小屋がある。その屋根に設置した器械で、太陽熱で湯を沸かし風呂に使う。冬でも晴れた日は湯が出るし、夏だと薄曇りでも熱湯が出てくる。農作業で汗と土で汚れた身体を外の風呂で洗い母屋を汚さないようにしたのと火災予防の為建てたと想像される。
今の時期だと晴天の翌々日まで曇天でも熱湯が出る。太陽熱が十分でない時は併設された強力なボイラーを点灯させると、同じ操作でお湯が出てくる。母が元気な頃はこの風呂が大好きだったが、体が弱った今は母屋の中にある風呂を使っている。
太陽風呂は父が生きていた40年以上前に設置したもので、器械の外側は赤く錆びているが今でも全く問題なく利用できる。父は一時期市の建設と上下水道の責任者だったことがある。当時彼がエコを考えたというより仕事の関係で知った製品を自宅にも利用したのではないだろうか。
理由はどうあれ、私もこの小屋の風呂を気に入っている。これまた無料の太陽熱を利用できるコストゼロの給湯システムといってよい。夏の間はずっと利用する積りだ。■