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エモい報道は勘弁して

2024-04-08 18:14:56 | 社会・経済
先月29日の朝日新聞の西田亮介氏の提言「その「エモい記事」要りますか 苦悩する新聞への苦言と変化への提言」は、マスコミ報道の傾向を「エピソード主体のエモい記事」とか「お涙頂戴の日常描写ものの記事」だと厳しく指摘しており、私は的確で正しい評価だと思う。

テレビニュースを見ながらの我が家の夕食では、能登半島の被災者個人情報を詳しく伝え始めると「ドキュメンタリーニュース」だと言ってチャネルを切替るようになった。西田氏の「エモい記事」は我が家が指摘する「ドキュメンタリーニュース」をより的確に表現していると思う。

データや根拠を前面に出すことなく、なにかを明確に批判するのでも賛同するわけでもない、・・・「読む意味」が定まらない、記者目線のエピソード重視、ナラティブ重視の記事だと西田氏は指摘する。例えば「被災者Aさんが深刻な問題Xを被ったと詳細に伝える」のではなく、「全被災者のX%が深刻な問題Yを被った」と報じないと、問題の本質を伝えることは出来ないと思う。

実は私はこの記事を読むまで「エモい」の意味を知らなかった。ネット検索によれば、エモいとは英語の「エモーショナル」から生じるスラングだという。若い人が何とも表現しずらい気持ちになった時によく使う言葉だという。それならそういえば良いと私は思うのだが。

この記事に対して評論家の江川紹子氏が絶妙な言い回しだとコメントしていた。江川氏の評論を見て普段共感することはないが、朝日新聞の夕刊にこの手の「エモい記事」が多いとの指摘に私も全くその通りと思った。同時に新聞だけでなくテレビニュースにも同じ傾向があると。

江川氏はこんな傾向が続くなら夕刊をとるのはやめるかも知れませんと言い切った。だが、私はだいぶ前に朝日新聞の朝夕刊の購読をやめて、「ナラティブでエモい記事」より「データ重視」の報道を続ける日本経済新聞の購読のみに切り替えた。ただ、この西田氏の厳しい指摘は自社に都合が悪くても朝日新聞が自ら掲載したことを理解する必要がある。■

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