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今株を買うのは危険!?

2013-03-27 17:17:55 | 株式

 アベノミクスの効果で株式市場は元気になり、あれよあれよという間に日経平均はリーマンショック前まで回復し更に上昇が見込まれている。何にもまして日本全体が明るさを取り戻したのが良い。高い支持率を維持しているのは当然だ。先日、投資セミナー4000人を越える参加者が詰め掛けたと報じられた。証券会社に新規口座開設を申し込む個人投資家が急増しているらしい。

 先日、米国ではNY証券市場ではダウ平均が史上最高値を付け、ミリオネア(いわゆる100万長者、1億円弱の資産保有者)が900万人を越えたそうだ。凄い数だ。手元にデータが無いが、日本でも昨年末からの株高の資産効果で百貨店の高額商品が売れているそうだから富裕層がかなり増えているはずだ。投資セミナーに群がる人達の気持ちが分からない訳ではない。

 こんな時ケチをつける積りは無いが、私は大丈夫かなと思わずにはいられない。私自身、最近の活況で今迄溜まり溜まった損を取り戻し、お釣が来るほどに回復したのに水を差すようなことを言うなと叱られそうだ。だが、投資で痛い目にあった経験者として一言言いたい。私みたいな失敗を犯さないでと。私は今とても株を買う気にはなれない。最大の関心はこの活況が何時まで続き、何時売るかだ。

 私の保有している投資物件で値を取り戻しているのは、昨年秋まで底を這いずり回っていた。今、その頃の安い価格で買える金融商品はないことを認識すべきだ。極端にいうと、今は逆に分不相応に値上がりしている。嘘だと思うなら、どんな株式を買うべきか入門書でも読めば分かる。東証1部株価の妥当性の目安は、平均PER>20、平均PBR>1を突破しているのだ。

 株価はもう十分高くなっており、普通なら更に株価上昇の余地は少ないはずだ。実際は上がるだろう。というのは、世界は金融緩和で金余り状態、アベノミクス下の日本企業に期待して海外から資金が流入して株価が上昇、今後日本の個人投資家の買いが株価を更に吊り上げるかもしれない。だが、株価が上記目安を越えそろそろ過剰流動性相場に入ると私は感じる。万一、高過ぎると見なされれば現在の株高は短期間で調整に入る恐れがある。

 実力以上の株価だと判断した瞬間海外投資家は高値で売り抜け、残ったのは急落した株を持っているお人好しの日本人投資家だけという事態になる恐れがある。バブル時代にこんな悲惨な経験をした投資家が沢山いるはずだ。私も、というか世界中が、リーマンショック直前の高揚感から経験したこともない深い谷底に突き落とされた。

 投資は自己責任の世界だ。失敗すれば誰も助けてくれない、銀行を除き。最悪ケースに対処できる覚悟がなければ投資は止めたほうが良い。しかも、その危機は直ぐそこまで来ているかも知れない。私の経験が今は止めたほうが良いと待ったをかけている。万一深い谷底に落ちたら這い上がる覚悟はない。こんな時、乗せられ群れに入って株を買う気にはならない。

 【参考】 「株高の誘惑」と題して「今絶好の買い場」は売り手の論理だと警告する専門家の記事(経済ジャーナリストの西野武彦氏日本経済新聞3/27)の一読をお勧めします。証券会社の勧めに易々と乗るなと、分かり易く理論的に解説されている。■

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