かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

異なる事情で消えゆく農業

2023-09-12 15:43:14 | 社会・経済
私が相続した田畑は昨年からK氏が市の仲介で得た賃借権を放棄し、今年から耕作放棄地になってしまった。川沿いの両岸の田んぼが合わせて1790平方mが雑草だらけになった。実家のある集落では表通りまで全て雑草地だったが、今年から表通りの外側にも雑草地が追加された。

昨年K氏から申し出を受けた時は突然だったが了解してた。米価下落が進み稲作の原価よりスーパーで購入する価格の方が安くなり、彼の家族からもコメ作りを放棄する様迫られたという。私の場合も農家が高齢化する一方、子供は外に働きに出て農業のやり手がいなくなるパターンの変形だ。

市役所や農業委員会に報告し助けを求めたが、彼らにも打つ手がなかったのか具体的な連絡を受けてない。私は母が生前地域の農民に田畑の面倒をみて貰っていたのを引き継ぎ、その農民も息子が継続してくれていた。貸し借り共に二代目が農業を諦める来るべき時が来た。

だが、この大洲盆地の農業の事態は複雑で別の事情があるようだ。

一昨日の午後、たまたま燐家の100歳の母親の息子と顔を合わせ、ここ大洲盆地の農業の高齢化と衰退について話し合った。近隣の農地の殆どはコメ作りだが、コメの値下がりと農協の中間搾取的対応の問題で困窮している、ここでは農協や自治体の支援が不適切で農民が困窮しているという。

隣の自治体の元五十崎町では農協が農地を預かり一括して農業を存続させている。農協が大型農機を購入し効率的な運営をしている。だが、ここでは「小銭を持った農民」が中型農機を所有して組織的な対応に反対し、残り大半の農民は小形農機具で非効率な農業している。更に高齢化と若者の離反で農地が有効に使われず組織的な対応がされてない。問題は「小銭を持った農民」なのだ。

岡山県や広島県や県内の他地区では、農協の代わりに大規模農業法人が最低100町歩規模の農地を1200万円程度の農機具で効率的に運営している。この地では「小銭を持った農民」がこのような大規模農業化を阻んでいると彼は繰り返した。彼等は政治力を持っており農協や自治体には説得する力がないという。

農協も自治体も夫々の土地ごとに異なる対応をしているという。ちょっと見渡せば隣の自治体とか、四国の隣の県とか、広島県・岡山県・熊本県等の自治体は新しい取り組みで持続可能な農業に取り組んでいるという。愛媛県は水騒動がない暮し易い土地で、他県に比べヤクザや強い政治家が生まれず、更に大洲気質はリーダーシップを生まない優柔不断な人柄が育ったと自論を述べた。

この地では外部のコンサルを活用して、古民家利用が世界的に持続可能な観光地と評価を受け注目された。観光は出来て農業は出来ないのは何故か。観光には「小銭を持った農民」がいないからだろうか。東京と田舎の家を持つ家計費の高騰から話題がすっ飛んだが、皆色んな苦労をしている。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジャニーズ報道の責任は誰? | トップ | 世界の政治は高齢化が進む »

コメントを投稿

社会・経済」カテゴリの最新記事