かぶれの世界(新)

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視野狭窄の日本株式市場

2014-05-27 16:14:27 | 株式

 日経平均株価が一時14700円台をに付けた。市場関係者の中には局面の転換とか潮目が変わったと明るい展望を予測する声が多いと報じられている。だが、目線を上げると日経平均株価は先週半ばに年初来14%も下落、その後今日まで数日間値を戻したがそれでもマイナス10%だ。

 実は私の金融資産は昨日現在で年初来6%余りプラスになった。年頭の記事「2014年大胆占い」の予測に基づいた安全な資産を外貨建てで持つ投資方針で、グローバルな分散投資がここまではプラスに働いたように思う。一方で、正直こんなに調子良くいくはずがない、続かないと思う。これは自慢ではない、この後の議論の前振りに。

 ともあれ好調な要因は世界経済が何とか成長を続けているからだ:
 
①米国経済は順調に回復もイエレン総裁はQE3縮小に慎重
 
②ウクライナ情勢が予想より悪化せず、欧州経済に落ち着き
 
③中国経済減速も踏みとどまり、新興国経済も持ち直し

 だが、今年になってNISAの口座を作り日本株を購入した初心者の人達は、軒並み含み損を抱えていると私は推測する。投資を年単位で長期的に考えればプラスに転ずる時は来ると思うが、今暫くは我慢するしかないと思う。明るい出だしを期待した多くの人達は失望しているはずだ。時間軸に加え教訓は、上記の裏返しで投資を日本株に集中することが危険過ぎるということだ。

 投資を始めるなら、市場参加者がどういう連中で、どんな動機で、どんな時間軸と規模で動いているか知っておくべきだと思う(私もよく分かっている訳ではないが)。世界のプロの市場参加者の多くは四半期ごとにパフォーマンスを評価される。長くとも3か月、実際にはもっと短い時間で儲けたか評価される。そういう時間軸で動いている連中と勝負することを理解しておく必要がある。

 日本の株式売買の7割はこういった外人投資家であり、その多くは超短期に売買するヘッジファンド(しかもコンピューターを使った高速売買がある)と、少し長い目で成長を期待する機関投資家(年金基金や保険会社)だ。残りが日本の企業や機関投資家で、最後に個人投資家が来る。売買高ではなく保有高では個人投資家が2割を占めると言われている。

 私の失敗経験からいうと、どう頑張ってもヘッジファンドや機関投資家とか金融機関のアナリストの方が圧倒的に個別銘柄の情報を知っており、やる前から勝負は決まっている。私のような素人投資家は如何にして連中が激走するレースに逆らわず流れに乗っておこぼれを手にするかと肝に銘じるべきと思う。それに疲れて私は株式投資を止めたと以前投稿した。

安倍首相は株価にとても敏感だそうだ(支持率と連動しているのかも)。日本における株式市場の外人投資家の圧倒的な存在があるからこそ、海外に出かけるたびにアベノミクスを買えと演説しているのだ。だがこの1年外人投資家(特に短期利益を求める)は成長戦略に取り組む安倍政権の姿勢に失望し、日本株は年初来主要国で最悪の下げを記録した。短期の利益を追求する彼等の発想からいえばやむを得ない結果だと思う。しかし、改革の良いプレッシャーになっている。

 ここまで言った上で、投資家のすそ野を広げようという理屈でNISAを勧める政府や金融機関のやり方に不純なものを感じる。初心者の金を使って株価を吊り上げようという魂胆があったとしたら話は逆だ。寧ろ、徹底的に成長戦略を追求して断行して外人投資家を戻ってこさせ、それでもって初心投資家を儲けさせ政治の信頼を得る。それが話の順番だ。だとしても、私は株はやらないが。■

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