かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

山陰旅行記(3)伯耆富士

2019-12-16 18:01:46 | 旅行記
山陰の旅の個人的な目的は鳥取砂丘と足立美術館を自分の目で感じることだった。だが、全く期待してなかった大山の美しさに出くわしたのが、旅の最大の成果だった気がする。私の知る大山は広島から見た1700メータークラスの平凡な山、近年縦走路が崩落し登山の対象でも無かった。

ところが高速道路を西に走り名和を過ぎた頃から大山の形が変わり、大山ICを出て南に走りホテルに向かい始めるとまさに富士山の様に美しく変身した。大山は見る角度によって山の形(魅力というべきか)が激しく変わる。ここまで来て何故「伯耆富士」と呼ばれるか分かった。

ガイドによるとこの季節に大山の全容が見えるのは珍しい、殆どの日は曇りか霧に覆われ山は見えないのだそうだ。ホテルの前に駐車した観光バスも4台だけ、通常は8台駐車し宿泊客で溢れレストランや風呂は混雑するという。何処に行っても閑散としており、我々は運が良いのだそうだ。

ということで、勧めに従い部屋に荷物を置いて揃って最上階に行き大山全体を見た。富士山等に比べ規模が一桁小さく、周囲の山から裾野を含め一際美しい山容が窓から見えた。ならばもっと他の場所から見てみたいと思い、フロントでお勧め散歩コースを聞き地図を貰って歩いてみた。

薄暮の中歩き始めたが勧められたコースを間違え途中から急坂になった。かまわず歩き続けると別荘群を抜け、山中なのに平坦で広い畑が続く道に出た。南側に緊急避難用の飼料倉庫が見えた。あぜ道を北側に歩くと大山が右(南東)に、左(東)に丸い月が登り始めていた。絶好のシャッターチャンスだった。

畑を歩き回って山と月が両方入る場所を見つけ写真を撮った。夕闇の中では旧型スマホにとって光量不足で、鮮明な写真が取れなかったのが残念だ。ガイドに熊が出ると脅されていたのを思い出し怖くなり、早々にホテルに戻り一風呂浴びて家族に合流した。下山途中、美保湾沿いに光る境港の夜景も美しかったが時間切れだった。

翌朝も暗いうちにホテルを出て昨日勧められた散歩コースを歩いた。これが私だ。ホテルの最上階で家族と一緒に見た山が美しかったので、それならと家族を部屋に残しもっと美しい姿が見える場所を探して山道を歩き回る。素晴らしい景色に出会うと、次は時間と場所を変えてどうなるか見る。

ガイドからは西から夕陽にあたる大山が最も美しいと聞いていたが、朝日の中の山影の姿(シルエット)も見たかった。散歩コースを更に延長して林の中を歩いたが、大山は雲と霧の中、里の風景も幽かに見えただけだった。二日続けて晴天とはいかなかった。山陰の富士は嬉しい驚きだった。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山陰旅行記(2)足立美術館 | トップ | 日韓関係を公平に見よう »

コメントを投稿

旅行記」カテゴリの最新記事