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2007年大胆占い、見事に外れる

2007-12-26 18:36:46 | 社会・経済

「2007年大胆占い」は冒頭で世界経済の減速を予測し、最後は次の文で締めた。2007年は米国が内側に向かい、困難を抱えながらも経済的にはユーロが第2基軸通貨としての位置を固め、政治的には米国は欧州との連携を求め、相対的に欧州が中国インドの台頭とあいまって多極化する政治経済の世界で久しぶりに存在感を示す年となるであろう。」大局観は間違ってなかった。

しかし、具体的なところで今年の「大胆占い」は見事に外れた。国内外に影響を与えた重要な二つの事件、サブプライム問題に端を発したグローバル金融不安と、年金不信で安倍内閣が崩壊しポピュリズム政治が国内を覆い改革が停滞した。原油高騰は想定範囲内だったが、1年前にはこの二つは予想できず、事態が変化し始めた時も本質が何かを中々飲み込めなかった。

サブプライムの問題の大きさを読めず

サブプライム問題が地球規模で信用不安を引き起こし、経済をスローダウンさせると予想できなかった。米国の低所得者向けローンの焦げ付きは、最初住宅ローン専門会社に問題を限定する見方をし、その後ヘッジファンド、欧州の銀行、米国の大手銀行に問題が波及していくのを追いかけ、いわば「後知恵的解釈」をした。

元々世界経済がスローダウンするとは予想した。しかし、サブプライムの本質を最初から理解して問題の核心に迫り、何処まで影響が広がるか予想できなかった。住宅ローンの証券化がリスクを薄めて拡散し、高利回りを狙うヘッジファンド及び欧州等の銀行に損失が広がり、世界規模の金融システム不安を引き起こした。

更には、未だに米国の大手銀行が次々と巨額の損失を報告し一向に収束する気配を見せない事も予想しなかった。表面的には傘下の子会社の損失が簿外に隠れていて、決算期が来て突然オンバランスし表面化した為といえる。しかし、私にはその可能性を軽視する思い込みがあった。

勘違いと思い込み

2000年にITバブルが弾けた時、米国の銀行は殆ど影響を受けなかった。それには理由があった。90年代に銀行は歯止めなく信用リスクが広がるのを防ぐ為BIS規制が導入され、資金調達の場として市場型間接金融が成立した。

言い換えると資金仲介者(銀行)と資金運用者(機関投資家等)の分離が進み、信用リスクが銀行から保険や年金などに分散され、信用不安リスクに強い合理的な金融システムに移行したという理解があったからだ。

ところがこの仕組みには穴があった。特別運用会社(SIV)に資金を投入しサブプライムを組み込んだ高利回りの証券をバンバン買わせた。銀行はそういうSIVを何社も抱えていたのだ。これら証券は殆ど値がつかず、時価評価で損失決算してお金がなくなり信用不安というのでは、BIS規制は何だったのだろうかということになる。そこに私の勘違いがあった。

安倍首相の唐突な退陣に驚く

もっと驚いたのが突然の安倍内閣の崩壊だった。私は参院選大敗後に安倍首相が退陣しないという判断はありうるとは予想した。一方、彼の内閣が起こした問題ではないとしても、理由は何であれ国民の信を無くしたままで国政運営をするのは危険な賭けだとは思った。それがあの放り出す形で突然の辞意表明をするとは予想だにしなかった。

この見込み違いについて、再び私には思い込みがあった。それは「現実に目覚めたクリーンなタカは最高の指導者になる」という思い込みだ。過去20年くらいの例でいうとレーガン大統領であり、中曽根首相が該当すると私は思い、構造改革の断行を期待した。

しかし、宙に浮いた年金問題は何もかも吹き飛ばし、我が国は一気にポピュリズム政治に陥ってしまった。それでも自分の信じる政策で中央突破しようとする安倍首相は、テレビでKYと散々揶揄され、矢尽き刀折れて文字通り倒れてしまった。私の思い込みが見事に外れてしまった。

同じ辞任騒ぎでも殆ど間を置かないで起こった小沢民主党代表の辞任騒ぎの場合、彼の政治経歴を見れば別に驚くことではなかった。明らかに彼の場合、辞任も政治的な取引カードの一枚であったと思う。福田首相は食いついたのに民主党内支持を得られず短気を起こした、とも言われている。だが、彼にはクリーンなタカ派というイメージはない。

最後に、お楽しみのスポーツ占いは意外と読みが当たった。オシム監督が病で倒れたのはいかにも残念だった。彼は日本サッカーを変えそれを世界に認知させることが出来た人だと思う。日本人メジャーは頑張った。日本プロ野球は思ったより頑張ったと思うが、自己改革が出来ず依然将来が見えない1年だった。■

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