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ロシアの歴史的評価を予測する

2023-02-24 18:14:49 | 国際・政治
ロシアがウクライナ侵攻して1年目の今日、日本経済新聞はロシアを「20世紀型大国の落日」との見出しで報じた。朝のテレビニュース番組は大々的に伝えると思いきや、意外にも地味な扱いだった。私は例によって根拠曖昧な論理で、世界の歴史は100年後のロシアをどう評価するか予測してみたい。

100年後の歴史家は20世紀のヒットラーと21世紀のプーチンを並べて非道で野蛮な二大独裁者と指摘すると予想する。私の予測はIブレマー氏の指摘をそっくり頂き、「ならず者国家」だったと教科書に書かれるだろう。20世紀の第2次世界大戦を引き起こしたヒットラーと、21世紀の「プーチン率いるロシア」の引き起こした非道な蛮行と歴史の教科書に書かれるだろう。

但し、それは日欧米の自由民主主義陣営が依然として世界の中心に位置する場合の歴史の教科書のことだ。何としても避けなければならないのは、ロシアや中国が強権国の発展形として政治体制を維持して(残念ながら可能性はある)、100年後も世界の教科書は異なる二つの歴史評価が存在することだ。

今朝の日本経済新聞の転載記事(Gラックマン)はシカゴ大教授の珍説「ロシアの存続を危うくした西側に戦争責任がある」を論評した記事は興味深かった。勿論私は珍説を支持しないが、問題なのはこのような危険な論理を信じる人がヒットラーやプーチンを権力の座に選び、トランプも大統領になったことだ。ニュース番組を見ていると長年の国際政治を見て苦い経験をした評論家にはこの手の発言をしがちだ。

冷静に考えればあり得ない主張でも国民の大半が支持して結果的に戦争の道を選ぶ、これが人類の歴史でもあるのだ。国連はロシアを非難する決議を下したが、次の世界のリーダー候補大国の中印は棄権した。今後米中印が世界をリードしていくのは間違いない。多分、10年後には新しい風景が見えているだろう。既に世界は中国の姿勢に失望し始め、一方で曖昧な姿勢のインドに期待を持ち始めたように感じる。

多分、10年後の教科書ではまだ決着がついてないだろう。第2次世界大戦の場合は日独伊が敗れ日本の教科書は書き換えられた。10年後の最悪シナリオは世界の中心に米中印がいて、夫々に異なる考え方が存在し、誰が誰と手を組むかによって形を変えて勢力争いが続くと予想される。問題のインドが一時的にはご都合主義の意思決定に走っても、長期的には民主主義プロセスで強国に向かうと予測する。

私は最終的に自由で民主的な世界で先進的で競争力のある世界に向かうと信じる(正しくは信じたい)。そういう歴史教科書の下で私の子孫たちが学び進歩の道を歩んで欲しいと思う。それが世界を正しい方向に導く強い力を与えてくれると。その為、第一歩としてプーチンのロシアに戦争を勝たせてはいけない、そしてロシアの戦争責任を世界とロシア国民が一体になって問うべきだ。その時、100年後の教科書が見えて来る。■
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