かぶれの世界(新)

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突然の訪問者からの突然の提案

2022-10-20 16:14:46 | 日記・エッセイ・コラム
午前中に予約した歯医者に診て貰う為に出かける直前に、農地バンク制度に基づいて農地を貸しているK氏の突然の訪問を受けた。直感的にこういう時は良い話はあり得ない、その通りだった。K氏は二つの理由で稲作を止めたいという。家族のお米の需要が無くなった、腰を痛め稲作を継続するのが困難になったという。

農地バンクの契約は令和7年までだが、来年から稲作は止めて管理のみ継続すると申し入れがあった。農地は合計2000平方メータ弱の3つの田に点在しており、賃料は約15千円余だ。お金はいらないが耕作放棄すると田が短期間に悲惨な状況になるのは明らかだ。衝撃的な提案だった。

趣味の山裾歩きで市内の山裾や山間部の集落や田畑に何が起こっているか見て来た。廃屋や耕作放棄地が点在しており悲惨な状況だった。聞くと生活の拠点が山間部から平地に、更に都市部に移っていった結果だ。纏まった土地なら農業法人が引き受けて農地を利用する例もあるらしいが、我が家の場合は難しそうだ。

何れこういう日が来ると予感を基に、近所の懇意にしている農業委員会の一人に数カ月前に相談した。そ時はK氏はまだ若いからまだ時間の余裕があると言われたのに、意表を突かれた。百姓の息子とはいえ学校を出て50年以上も東京や米国で働いて来た私にはどうしていいか全く分からなかった。

歯科医で治療が終ったあと待合室で農業委員会に電話をかけ事情を話した。泣き言を言った。農業委員会から市の担当に連絡してくれたようで、先ほど市役所からも電話があった。だが、どちらも「こうすればいい、ああすればいい」という具体的な提案があった訳ではない、決まったら連絡をくれと言われただけだ。

このように農業のやり手がなくなり全国に耕作放棄地が増えているという話を聞く。私は長男に対して実家と山林田畑を相続する様に言ったものの、彼がどうすれば良いか農業の知識などない。東京を動く積りもないと思う。私が元気で毎年田舎に戻って、何とか手を打っておきたい。だが、私も管理力も知恵もない。

かといって市役所の担当に聞いた範囲では、国や自治体に具体的な対応策を打つ動きはない。裏山の山林は田に先行して既に壊滅的な状況だ。ここ集落は廃屋はまだ1軒のみ、数軒は老婆のみ住む。数年内に廃屋が増えるだろう。その後に耕作放棄地が増えそうだ。■
コメント
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