かぶれの世界(新)

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とんだ茶番

2011-05-26 22:43:51 | ニュース

3日前に投稿した記事の枕で、復興委員会で福島第1原発1号機の海水注入の一旦停止を、菅首相の責任と非難する野党の優先順位と場所をわきまえない見識のなさを指摘した。が、まさかとんだ茶番劇が待っているとは予想もしなかった。

斑目原子力安全委員長の「ゼロではない」発言にはあきれたが、後になって実は現場責任者の判断で注水を続けていたと東京電力が発表したと聞き、当事者達のいい加減さに驚きを越え暗然たる気持ちになった。こんな人達が我国の原子力エネルギー政策を担っているのか。

だが、谷垣自民党総裁が「開いた口がふさがらない、・・・全ての責任は首相にある。即刻やめるべきだ」と強調した(読売新聞5/26)と聞いて、私は筋違いだと思った。本件を事実関係が曖昧なまま最も重要な復興会議に持ち出し、本来すべき議論の時間を無駄にしたことを国民と首相に陳謝すべきだと信じる。

谷垣総裁を初めとする野党や小沢系議員の発言を国民がどう見ているか。「政府の対応の検証は重要だが、海水注入の中断をめぐる野党の追及と政府側の説明の迷走は、政局の思惑がらみの動きに見える」(日本経済新聞社説5/25)だろう、国民に見え見えのはずである。

この件に関しては、マスコミも茶番劇を報じるというより主要な出演者になったと思う。何が重要で優先順位が高いか、どういう視点で報じるべきか判断基準の危うさを感じる。マスコミはもっともらしい事を言っても国民視点に欠け、政局の手助けをし復興を遅らせる役割を果たした。

最後に、東電は指示に反して注水を続け、今までその事実を隠していた現場責任者の処分を検討していると報じられたことについて。指揮系統が破られたら組織は機能しない。だが命令が間違っていたらどうか。大昔から繰り返されてきた問題だ。多くの場合は悲劇で終っている。

私にとって直近の最も鮮明に残っている記憶は、サブプライム取引に反対した金融機関の幹部は首になり同じ職場に戻ることはなかった。彼らの主張が通れば世界恐慌は防げたかもしれない。組織の論理と人間関係の複雑な織物が彼等の運命を変えたと思う。だが、今回に限って言えば現場責任者の処分は軽微にしてもらいたいと願う。■

コメント
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