「勝っちゃった!」というのが昨夜のオマーン戦の印象。とにもかくにも一時劣勢にたっていた第3次予選をトップ通過したのは立派、岡田監督は最低限の責任を果たした。しかし、最終的に予選を勝ち抜き本戦でも戦えるチームにする為には戦略の見直しが必要と感じる。
同時に開催されているユーロ杯は良い所だけ放映されているせいもあるだろうが、世界最高レベルの技術とスピードでゲームが展開され、見ていてスリリングでワクワクする。
私は出足でつまずいたと思われたが見事にベスト4に勝ち残ったドイツとロシアに注目している。ドイツがW杯に勝ち世界のトップに立った頃は、どんなに追い込まれても他を圧する精神力で最後に勝つ「ゲルマン魂」で恐れられていた。
ドイツの強さの説明として、ラテン民族はどんなに調子が良くても集中が続かず長丁場の大会を乗り切れないが、ゲルマン民族は乗り切れる精神力があるともっともらしく言われていたのを記憶している。今大会は久しく落ち込んでいた「ゲルマン魂」が甦るきっかけになるかも知れない。
一方のロシアも絶好調のオランダを撃破、予想を覆してベスト4に残った。ロシアの勢力的で衰えることのないスピードがオランダを圧した。得点場面はオランダが疲れた時間帯に速攻から生まれた。W杯予選決勝リーグに臨む日本チームにも示唆するところが大きいのではないだろうか。
レベルは低いがJリーグでジェフが後半30分を過ぎる頃から走力で相手チームを圧して勝っていた頃を思い出した。ロシアのようにテクニックで直ぐに追いつけないとしても、90分走りまくり相手に恐怖を与えるのは今の日本にとってベストの戦略だと思う。
試合後のインタビューで岡田監督は松井や長谷部などが欠けて、中盤が薄くなったのが決め手を欠いた理由であることを仄めかしていた。多分そうだろう、だが海外組の個人技に頼るチーム戦略では限界がある、予選クリアできても本線では苦しいのではないだろうか。■