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ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その75
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で物凄い量のものを見る、読む、聴く。
とにかく私もビックリ。私も見習いたいと思っております。
読者の皆様、感想等ございましたら私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。
では、レッツゴー。
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◇鴨肉というと、フレンチだとソテーかロースト+ソースが一般的ですが、
今の季節、日本では「鴨鍋」です! 『鴨がネギをしょってくる』のことわざ
はネギが鴨肉の臭みを取り、料理の甘みを増すことから「好都合なこと」
のたとえで、話題となっている製紙会社の前会長さんなど、その筋の方
からみるとまさに“鴨ネギ”状態で、引き出せるだけ資産をむしり取られ、
料理されてしまったようです。 市内の手打ち蕎麦屋でM記者と四品肴⇒
山芋そうめん⇒鴨つくね⇒鴨鍋⇒蕎麦を食べながら翌日が出産予定日
となっているT記者の話で盛り上がり、少し早めの忘年会になりました。
◇背広の左エリに、社章などをつける「フラワーホール(flower hole)」と
呼ばれる穴があり、もともと軍服の第一ボタンの名残(なごり)だそうで、
トレンチコートでは左エリを立て右側で留めることのできるアレです(笑)
今は社章・バッジをつけるためだけの穴ですが、英国のエドワード8世が
そこに“花”を挿したことから、この名前が一般的に広がったようですね。
以前穴が縫いつけてあり、ピンで無理矢理こじ開けたことがありますが、
ここに花を挿したことは今まで一度も無く、多分今後も花とは無縁です。
◇自宅マンションから距離にして50mもなかった、すぐ近くのコンビニが、
先週移転のために閉店となりました。今週末(12/2)大きな幹線道路の
交差点角に新しいお店としてオープンします。旧店舗と新店舗の距離は
400mくらいなんですが、この400mの差は、自分にとって気軽にフラッと
立ち寄れる“コンビニ=便利”とはいえなくなり、家内曰く、かえって余分
な買い物(ドリンクやスイーツ類)をしなくなるメリットがあるということで、
確かに本当に必要なモノなら、深夜400m先でも買いに行きますからね。
【演劇】
■NYLON 100℃ 「ノーアート・ノーライフ」(本多劇場、11/11/26 ★★★★)
10年ぶりの再演。 1974年パリのモンマルトル界隈にある酒場に集まる
自称芸術家たちの物語。 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、客演:
温水洋一と山崎一でほぼ10年前の出演者たち。 学生運動からの離脱
と逃避、芸術家の挫折が描かれ、ある時代の終焉=祭りのあとです。
贋作画家(大倉孝二)が他のメンバーのセリフに対して敏感な道化役を
演じ、前衛画家として売れてしまった山崎とバーテンダーの温水の掛け
合いが面白く笑える舞台で、スイカを割って食べる演出にも驚きました。
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon37th.html
【映画】
■GEORGE HARRISON: Living in the Material World (★★★★)
M・スコセッシ監督が元ビートルズのジョージ・ハリスンの生涯を追った、
210分(3時間半)のドキュメンタリー映画。2部構成で彼と交友のあった
E・クラプトンを中心に、ポールとリンゴ、小野洋子ほか家族のコメントと、
本人の映像がメイン。1980年に暗殺されたジョンのコメントがないのが
意外でした。 ビートルズ解散後に発表した『All things must pass』から、
バングラデシュ・コンサート(1971)、映画製作、「Traveling Wilburys」の
結成。肺がんで58歳で亡くなったのは10年前の昨日(29日)なんです。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.gh-movie.jp/
■新少林寺 <原題 SHAOLIN>(★★★)
「辛亥革命」(1911)のころの河南省の少林寺を舞台にした話。 傲慢で
暴君ともいえる将軍(アンディ・ラウ)が、部下の裏切りに遭い、娘を失う
ことで改心して、出家⇒僧侶となって元部下であった兵士たちとの戦い
を描いています。 突っ込みどころが満載のちょっと強引な物語進行で、
あまりに簡単に危機から脱出してしまい、「アレッ?」と思う省略が続き
ます。少林寺への総攻撃シーンは迫力あるものの、人物描写に手抜き
が多く料理人役ジャッキー・チェンの出演も笑いを誘いますがイマイチ。
公式HP(音声注意) ⇒ http://shaolin-movie.jp/
■指輪をはめたい (★★☆)
製薬会社の営業マン(山田孝之)がスケートリンクで頭を打ち、一過性
の健忘症と診断されたことから起きるラブ・コメディ。カバンの中の婚約
指輪を、付き合っていた3人:小西真奈美、池脇千鶴、真木よう子の誰
に渡そうとしたのかが分からず、その記憶を取り戻すために彼女たちと
付き合い続けた結果、3人が彼の部屋で鉢合わせ(笑) 主人公がなぜ
そんなに女性にモテルのか?説明不足で、最後のオチは“反則”です。
公式HP ⇒ http://www.yubiwa-movie.com/
【Book】
■立川志らく 「落語進化論」(新潮選書、11/06/25 ★★★★★)
落語好きにおススメの一冊。 2001年に亡くなった古今亭志ん朝の座
に収まったのは著者の兄弟子「立川談春である」と断言する冒頭から、
古典落語の名人の基準は「江戸の風を吹かせられるか」と思う志らく。
笑いに特化した軽い落語より、泣ける長尺物の人情噺のほうが優れて
いると勘違いしている客、落語とギャグの関係、マクラ不要論、大切な
持ちネタ、小津安二郎の映画に触れ「落語は日常の中の非日常を語る
もの」と定義、オチを自分なりに変える具体例など落語の魅力が満載。
http://www.shinchosha.co.jp/book/603681/
■伊藤裕 「腸!いい話」(朝日新書、11/11/10 ★★★★)
人間の臓器の中でも意外と知られていない「腸」に関して、その働きや
最新知識に言及。血液を一番使う“贅沢な臓器”である「腸」と「腎臓」が
最も早く老化すると考えられ「人は血管とともに老いる」そうです。 適度
の食事量を決められた時間にきちっと食べることが腸の規則的な運動
となり「塩分、糖分、脂肪分」が“大敵”です。 “通常の”食事量を20%
から30%減らすとすべての生命体で見事に寿命が延び、加齢に伴って
起きる心血管病、糖尿病、がんも減るそうでやはり食べすぎはNGです。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=13199
【オマケ、今週の気になった言葉】
■努力は馬鹿に与えた希望である
(by 立川談志、落語「やかん」のセリフ、上記『落語進化論』より)
「葬儀をしない」 「お経を上げるな」 「骨は海にまいてくれ」が本人の希望
だったという、21日に75歳で亡くなった立川談志。 本人が考えた戒名が
「立川雲黒斎家元勝手居士」(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)!
テレビ・ニュースで読まれることを想定して最後の“受け狙い”ともとれて、
放送コードギリギリ有名な落語家でなければ読み上げられることのない
戒名です(笑) 彼の功績はなんと言っても、「立川流」の旗揚げと弟子の
育成です。志の輔、談春、志らく、談笑といった、現在落語界を牽引する
それぞれが個性的な落語家たちを育て上げました。 ここ10数年は闘病
生活で入退院を繰り返していたようですが、彼のいかにも江戸っ子的で
まっすぐ歯に衣着せぬ毒舌=正論が聞けなくなるのが残念です。合掌。
では。