毎日バイクに乗っている。
素人さんたちからは、えらく古風でボロイバイクを乗っている、と思われていることだろう。確かに。でも、玄人が観ればちょっと「お」と思うはず。
ホンダの単気筒、500CCのクラブマン、GB500TTである。
これはさるバイク屋さんが自分で乗っていたのを譲ってもらったんだが、じつにクラシカルでいい。しかもマン島でレースに使ったもののレプリカなので実はレーシーである。クラブマンの400CCも乗ったことがあるがこれは、車体に比してエンジンが非力であった。たぶんヨーロッパのレースの500をベースにスペックダウンしたからだろう。
そのバイク屋には、クラブマン500のPHOTOが飾ってあるぐらいの名車だ。
で、それを乗っていたんだが、実は夏前からピットインしておらず、かなりガタガタだったのだ。
オイルは汚れて減ってしまい、前ディスクブレーキはキーキー泣く。クラッチは重く、あまりパキパキと切れず、下手をすると信号待ちでスタートのときにエンストする。が、これが毎日少しずつ悪化しているとなんだかダマシダマシ乗ってしまうモノなのだ。ゆでガエルと同じ。だんだん熱くなる風呂だと煮えてしまうまで出られないという悪い習慣の慣れである。で、そのバイク屋に要ってみてもらったら、ま、酷い有様だった。主治医が嘆く嘆く。オイルを換える。すでにバイクがオイルを喰っていてずいぶん減っているし残りのオイルはドロドロだ。クラッチケーブルは切れそうだった。これも交換。ブレーキのパッドはもう、紙のように薄くなっていた。ディスクがどんどんえぐれてしまっていた。
交換したら、もう見違えるように若々しくいきいきと走り出した。クラッチはスパっと切れて反応も素晴らしい。ブレーキは意志に反応してよく効く。バカ効きは危険だが、意志に反応した柔らかくも鋭い反応だ。そしてオイルを換えたことでエンジンが快くコロコロと滑らかに回る。ついこないだまではジャキジャキと金属の異音がしていたが、これはオイルが足りなかったんだ。ほんとうにバイクに申し訳ないことをしたと反省。これからはバイクの点検はルーティン化し、二ヶ月に一回は必ずピットインすることにしようと心に決めたぞ。
これは楽器の手入れにも言えて、吹けているウチは多少悪くてもダマシダマシ吹いてしまう。ま、吹けるんだが実は酷く寿命を短くしている可能性があるので、サッサとピットインするべきだな。こちらも反省してます。