通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

寒に干す 倉橋町で大根干し

2011年02月02日 | 季節の話題
「お父さん、お母ちゃんが作ったらっきょうをもろうてきたけぇ、食べてみんさい」

「おお、とうがらしが効いて、うまいのう。そういや、最近はたくわんを食うとらんのう」

「ほうじゃ、買(こ)うとらんね」



夏は海水浴場になる呉市倉橋町の「笹子島(ささこじま)ビーチ」で、漬物用の大根干しが続いている。
寒風の中で水分を抜き、うま味を凝縮させる。

漬物など製造の中元本店(呉市)が依頼して8シーズン目。
完成品は6月ごろから市内のスーパーなどに出回るという。

(「大根干し潮風でうま味 倉橋」中国新聞 2011年2月1日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201102010032.html




「漬物用の大きな大根を干したことはないけど、干し大根は作ったことがあるよ」

「おお、輪切りにした大根の真ん中にひもを通して干しよったのう」

「思い立ったけぇ、今から作ってみようかね」



「今日は、「大根を干す」「雨は大敵」「寒さも大敵」について調べてみようかの」





↓笹子島ビーチについては、こちら↓

「笹子島ビーチ」チェッ呉
http://www.checkure.jp/kure/shop/sasakojima/






↓中元本店については、こちら↓

トビキリ 創業大正14年 手作りの飲料・漬物・佃煮の中元本店
http://www.tobikiri-n.com/






【大根を干す】

「輪切りでも手間なのに、まるまる1本の大根を干そうと思うたら大変じゃろうね」



大小の島を望む南向きの入江。
地元産の約4千本を雨よけの天幕を張ったテラスに並べている。
3回に分けて計約1万本。
下岡秋信社長(80)たちが1本ずつ向きを変え、約2週間かけて仕上げる。
下岡社長は「堅かった大根が徐々に曲がってくる。潮風と日差しが重要」と天候を気にしながら作業を進める。

(同上)




「1万本も干してんじゃ」

「2週間もかけて仕上げてんじゃね」

「干しとるうちに、まっすぐじゃった大根が、くの字曲がってくるんじゃのう」

「干すほど、大根の甘みやうま味が凝縮されておいしゅうなるけぇね」

「そういや、ばあちゃん家(ち)で作ったたくわんは、しわしわで、曲がっとったよのう」

「うちのお父ちゃんも、毎年じゃないけど、作りよったんよ」

「うまかったんか?」

「辛いし、臭いし、あんまり好きじゃなかったねぇ」

「古漬けのような臭いがするけんのう」





【雨は大敵】

「輪切りの大根を干すのでも、雨に濡れんように気をつかうんよ。これだけの数を干そうと思うたら大変じゃろうね」

「梅干しを干すときも、雨に濡れんように気をつかうよのう」



雨は大敵。
ぬれると表面に黒ずみがでる「雨ずれ」が出ます。
味は変わりませんが見た目が黒くなるので2級品として扱われてしまいます。
わずかな雨の合間でもこまめにシートの開閉を行い、貴重な冬の日差しを少しでも大根に当てて乾燥を速める作業は手作業でないとできない話です。
12月の寒いなか、農家はいつも夜明け前にはやぐらに向かいます。
少しでも早く長く大根を日に当てるためです。

「お漬物大根生産量ダントツ宮崎県。「本干し漬物」特集」まるごと宮崎
http://www.miyazakiya.jp/webshop/tsukemono/




「やっぱり、雨は大敵なんじゃね」

「見た目が黒くなって、2級品として扱われるそうじゃ」

「このあたりじゃ、やぐらを建てて干しとってんじゃね」

「高さが6メートルにもなるそうじゃ。わしのばあちゃん家じゃ、大根を軒先に吊るして干しとったで」





【寒さも大敵】

「ほかには、干しとる大根が、冷え込んだ夜に凍らんようにせんといけんそうじゃ」



このほか大根を干している間、特に気をつけなければならないのが寒さです。
大根の細胞は凍ると細胞壁が壊れてしまい、歯ごたえがなくなり出荷できないものになってしまいます。
気温が0度を下回るときは、昼夜を問わずやぐらに向かいシートをかけ出入り口もしっかりふさぎます。
やぐらの中ではボイラーを炊き、送風機でやぐらの中の温度がまんべんなく上がるように温風を回し、凍結しないように気を配ります。
ときには正月の初日の出をやぐらで迎えるときもあるとのことです。
干している期間はひとときも気が抜けません。

(同上)




「寒いと大根中の水分が凍って、すが立ってしまうんよね」

「大根が凍らんように、気をつけとってんじゃのう」

「大根を干すっていうと、すごく簡単そうに聞こえるけど、ほんま、手間ひまかけとってんじゃね」

「宮崎県は干し大根の一大産地で、中でも田野町(たのちょう)が一番多いそうじゃ」

「宮崎県いうたら、鳥インフルエンザに続いて、新燃岳(しんもえだけ)の噴火で、大変じゃねぇ」

「地図で見たら、田野町は新燃岳から直線で約40キロ離れとるのう」

「大根は大丈夫なんかいね?」

「お前は、大根の心配しかしとらんのか? プロ野球のジャイアンツ、ライオンズ、ソフトバンクが宮崎でキャンプをしよってじゃけぇ、とりあえずは大丈夫なんじゃないんかのう」

「噴火が早く止(や)んでくれりゃあええのにねぇ」

「噴火はともかく、鳥インフルエンザは他人事じゃないよのう。広島で起こっても不思議じゃないんじゃけぇ」





「今日は、「大根を干す」「雨は大敵」「寒さも大敵」について勉強をさせてもらいました」

「今日もひとつ勉強になったでがんす。ほいじゃあ、またの」

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