通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

門松 「そぎ」と「寸胴」

2012年01月04日 | 季節の話題
「うー。寒い、寒い」

「ありゃ、今朝は雨が降っとるね」

「一昨日の朝も、雨が降っとったのう」

「今日は昨日より気温が5度低い、いうて天気予報で言よったね」

「明日から仕事じゃ。今日は家でゆっくりしようかの」



「今年(2012年)の正月三が日は「初笑い門松」ということで、広島市と呉市に飾ってあるいろんな門松を紹介してきたよね。その門松について、ひとつ、分からんことがあったんじゃけど」

「なんじゃろうかの?」

「門松の竹の先のことなんじゃけどね。うちは今まで、竹の先を斜めに切ったのしか見たことがなかったんよ」




福屋 広島駅前店
(撮影日:2011年12月29日)




「ところが、そごう広島店新館に飾ってある門松の竹だけ、節のところで真横に切ってあったよね」




そごう広島店新館
(撮影日:2011年12月29日)




「おぉ、これか。この切り方、実はわしも初めて見たんじゃ」

「なんで、竹の切り方が違うんじゃろうか?」

「まず呼び方なんじゃが、上の写真のように斜めに切ったものを「そぎ」、下の写真のように節のところで真横に切ったものを「寸胴(ずんどう)」と呼ぶそうじゃ」

「どっちが本来の形なんかね?」

「もともとは「寸胴」じゃったらしいんよ。これが「そぎ」になった逸話というのがあるんじゃ」

「どんな?」

「元亀3年(1573)、武田信玄と徳川家康の間で「三方ヶ原(みかたがはら)の戦い」という戦(いくさ)があったんじゃ。この戦いは、家康にとって人生最大の敗戦じゃったそうな」

「へぇ…」

「その翌年、信玄から家康に届いた新年のあいさつに、次のように書いてあったそうじゃ」



まつかれてたけたくいなきあしたかな



「? ま、疲れて…?? 竹炊く…??? ひらがなで書いてあると、全然わからんね」

「これは、次のように読むそうじゃ」



松枯れて 竹類なき あしたかな



「松というのは、そのころ「松平」と名乗っていた徳川家のことで、竹は「武田」のことじゃの」

「「松枯れて」じゃけぇ、信玄は「松平家を滅ぼしてやる」と言いたいんじゃね」

「これを家康の家臣が、次のように読み替えたそうじゃ」



松枯れで 武田 首なき あしたかな



「武田の首がない。つまり、「次はやり返してやるぞ」と言いたいんじゃね」



門松の習慣は平安時代からあったが、現在一般的となっている竹をななめに切って並べる「そぎ」にしたのは家康。
竹を武田家になぞらえて「(三方ヶ原では大敗したが)次は斬る」との意味合いを込めたとされる。

(「三方ヶ原の戦い」ウィキペディア)




「家康は、門松の竹を槍に似せて斜めに切り落とした。門松の「そぎ」はここから生まれて、江戸時代以降、関東を中心に広まったそうじゃ」

「なるほど。そんな由来があったんじゃね」

「この「そぎ」が、広島近辺では今では一般的になっとるんじゃの」



↓初笑い門松についての関連記事は、こちら↓

初笑い門松 広島市・広島駅~八丁堀

初笑い門松 広島市・紙屋町

初笑い門松 呉市




「今日は、門松の竹の切り方には「そぎ」と「寸胴」があるということついて話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」

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