「昨日(2013年1月3日)は、二葉の里へ初詣に行ってきたで」
「去年はストラップを買うて回ったけど、今年はふつうにお参りしたん?」
「今年は門松の写真を撮りに行ったんじゃ」
「門松か…。飾ってないところもあるよ」
「ま、行ってみにゃわからん。今回は、聖光寺(しょうこうじ)から饒津神社(にぎつじんじゃ)まで、東から西へ順番に紹介していきますけぇの」
聖光寺
「聖光寺(しょうこうじ)には、門松としめ飾りがあったんじゃ。しめ飾りの写真は撮り忘れてしもうたがの…」
「この門松は、ええお顔をしとってよ」
國前寺
「國前寺(こくぜんじ)には、門松としめ縄が飾ってあったんじゃが、こんなまん丸に切ってある竹は見たことがないのう」
「丸いところが、木目込人形(きめこみにんぎょう)みたいに見えるね」
「このしめ飾りは、南天(なんてん)の赤色がきれいじゃのう」
尾長天満宮
「尾長天満宮(おながてんまんぐう)は、こんな門松じゃった」
「……? これが、門松?」
「門松は、もともと「松飾り」いうて、門(かど)に松を飾るのが古い形なんじゃそうな。ここでは竹が主役になっとるがの」
「「門」に「松」で、「門松」か。門って、なに?」
本来日本民家でカドというのは、母屋の前の庭のことで、そこは福の神がやってくる祝祭空間と考えられていた。
(岩井宏實『民具の歳時記』河出書房新社 1994年)
「門は、正月の門松だけじゃのうて、お盆に祖先の霊を迎えるための盆棚(ぼんたな)、ほいで、五月の節句のこいのぼりなんかを飾る場所でもあったそうじゃ」
「へぇ…」
「門松は、正月に家にやってくる神様を迎え入れるための依代(よろしろ)だったそうじゃ」
「依代って?」
「依代とは、神様が依り憑く(よりつく)ための目印になるものなんじゃ。門松の場合、ここを通って家の中に入っていくんじゃそうな」
「そういや、「松の内(まつのうち)」という言葉もあるね」
「正月の門松、松飾りを飾る間のことで、元旦から7日、または15日までを言うんじゃの」
広島東照宮
「広島東照宮(ひろしまとうしょうぐう)には、ふつうの門松と、尾長天満宮と同じタイプの門松が飾ってあるんじゃね」
「遠くてよく見えんのじゃが、しめ飾りの上に福扇が飾ってあるようじゃ」
巳(み)は蛇 ○_⊃ の象形文字。
「巳月(みげつ。四月)、陽気巳(すで)に出て、
陰気巳に臧(おさ)まる」(説文)
また、
「巳は注意深く、果敢の徳あり」
(周礼)と。
つまり「巳年は心機一転、鬱積した
沈滞感を脱して、
陽気に、果敢に、かつ、注意深く、
新出発をする年」であります。
城下町広島総鎮守社
広島東照宮
鶴羽根神社
「鶴羽根神社(つるはねじんじゃ)も、尾長天満宮と同じような門松が飾ってあるね」
明星院
「明星院(みょうじょういん)には、門松もしめ飾りもなかったのう」
「ここには、九曜星吉兆表(くようせいきっきょうひょう)があるよね。うちは気になるんじゃけど」
「おう、あったで。わしゃ火曜星で大凶。おまけに、来年も計都星(けいとせい)で大凶じゃ~」
「えっと…、うちは水曜星で末吉か」
饒津神社
「饒津神社(にぎつじんじゃ)には、茅(ち)の輪くぐりがあるよね」
茅の輪くぐりとは「ちがや」でできた輪をくぐり越えて罪・過ちを除き、心身の清浄ならんことを祈願するもので本来、六月の夏越祭(なごしまつり)にこれを行うのであるが、当神社では正月初詣、特にこれを設置し、初詣参拝の皆様と共に新しい年の弥栄(いやさか)を祈願するものである。
(案内板より)
「茅の輪のくぐり方は、まず茅の輪の正面に立って、最初に左に回って、次に右に回る。ほいで、も1回左に回ってから、お参りをするんじゃの。その時、「祓(はら)え給え、清め給え、守り給え、幸(さきわ)え給え」という唱(とな)え言葉を唱えるんじゃ」
「もちろん、自分の願いを唱えてもええんよ」
金光稲荷神社
「ついでじゃけぇ、二葉山に登ってみようかの」
「どっから登ったん?」
「今回は、広島東照宮の裏手にある金光稲荷神社(きんこういなりじんじゃ)から登ってみた」
「最初は朱色の鳥居が続くんよね」
「結構、急な坂を登って行かんにゃいけん」
「奥宮じゃね」
「奥宮の大岩の上からは、広島市内を望むことができるんじゃの」
「ここから、さらに上に登ると…」
「山頂には、仏舎利塔(ぶっしゃりとう)があるんよ」
「正面に回ると…。ここにも門松があった」
「あー。これを見ると、むかしの門松ってこんな形じゃったじゃろうね、と想像できるよ」
「ご本尊の前には、鏡餅が供えてあったのう」
「二葉山(標高139メートル)の山頂からの眺めは、ええけぇね」
「右側手前には黄金山(おうごんざん。標高221.7メートル)。左側にあるのが安芸区矢野にある絵下山(えげさん。標高593メートル)で、そのむこうには呉市(くれし)の灰ケ峰(はいがみね。標高737メートル)が見えるんじゃの」
「マツダスタジアム(広島市民球場)も見える」
「左側のお椀を伏せたような島が峠島(とうげじま)、右側にあるのが似島(にのしま)にある安芸小富士(あきのこふじ。標高278メートル)。ほいで、中央の左よりに見える、木がたくさん生えとるところが比治山(ひじやま。標高約70メートル)じゃ」
「今日は、門松について話をさせてもらいました」
「門松についての話題が少のうて、すいませんでした。ほいじゃあ、またの」
「去年はストラップを買うて回ったけど、今年はふつうにお参りしたん?」
「今年は門松の写真を撮りに行ったんじゃ」
「門松か…。飾ってないところもあるよ」
「ま、行ってみにゃわからん。今回は、聖光寺(しょうこうじ)から饒津神社(にぎつじんじゃ)まで、東から西へ順番に紹介していきますけぇの」
聖光寺
「聖光寺(しょうこうじ)には、門松としめ飾りがあったんじゃ。しめ飾りの写真は撮り忘れてしもうたがの…」
「この門松は、ええお顔をしとってよ」
國前寺
「國前寺(こくぜんじ)には、門松としめ縄が飾ってあったんじゃが、こんなまん丸に切ってある竹は見たことがないのう」
「丸いところが、木目込人形(きめこみにんぎょう)みたいに見えるね」
「このしめ飾りは、南天(なんてん)の赤色がきれいじゃのう」
尾長天満宮
「尾長天満宮(おながてんまんぐう)は、こんな門松じゃった」
「……? これが、門松?」
「門松は、もともと「松飾り」いうて、門(かど)に松を飾るのが古い形なんじゃそうな。ここでは竹が主役になっとるがの」
「「門」に「松」で、「門松」か。門って、なに?」
本来日本民家でカドというのは、母屋の前の庭のことで、そこは福の神がやってくる祝祭空間と考えられていた。
(岩井宏實『民具の歳時記』河出書房新社 1994年)
「門は、正月の門松だけじゃのうて、お盆に祖先の霊を迎えるための盆棚(ぼんたな)、ほいで、五月の節句のこいのぼりなんかを飾る場所でもあったそうじゃ」
「へぇ…」
「門松は、正月に家にやってくる神様を迎え入れるための依代(よろしろ)だったそうじゃ」
「依代って?」
「依代とは、神様が依り憑く(よりつく)ための目印になるものなんじゃ。門松の場合、ここを通って家の中に入っていくんじゃそうな」
「そういや、「松の内(まつのうち)」という言葉もあるね」
「正月の門松、松飾りを飾る間のことで、元旦から7日、または15日までを言うんじゃの」
広島東照宮
「広島東照宮(ひろしまとうしょうぐう)には、ふつうの門松と、尾長天満宮と同じタイプの門松が飾ってあるんじゃね」
「遠くてよく見えんのじゃが、しめ飾りの上に福扇が飾ってあるようじゃ」
巳(み)は蛇 ○_⊃ の象形文字。
「巳月(みげつ。四月)、陽気巳(すで)に出て、
陰気巳に臧(おさ)まる」(説文)
また、
「巳は注意深く、果敢の徳あり」
(周礼)と。
つまり「巳年は心機一転、鬱積した
沈滞感を脱して、
陽気に、果敢に、かつ、注意深く、
新出発をする年」であります。
城下町広島総鎮守社
広島東照宮
鶴羽根神社
「鶴羽根神社(つるはねじんじゃ)も、尾長天満宮と同じような門松が飾ってあるね」
明星院
「明星院(みょうじょういん)には、門松もしめ飾りもなかったのう」
「ここには、九曜星吉兆表(くようせいきっきょうひょう)があるよね。うちは気になるんじゃけど」
「おう、あったで。わしゃ火曜星で大凶。おまけに、来年も計都星(けいとせい)で大凶じゃ~」
「えっと…、うちは水曜星で末吉か」
饒津神社
「饒津神社(にぎつじんじゃ)には、茅(ち)の輪くぐりがあるよね」
茅の輪くぐりとは「ちがや」でできた輪をくぐり越えて罪・過ちを除き、心身の清浄ならんことを祈願するもので本来、六月の夏越祭(なごしまつり)にこれを行うのであるが、当神社では正月初詣、特にこれを設置し、初詣参拝の皆様と共に新しい年の弥栄(いやさか)を祈願するものである。
(案内板より)
「茅の輪のくぐり方は、まず茅の輪の正面に立って、最初に左に回って、次に右に回る。ほいで、も1回左に回ってから、お参りをするんじゃの。その時、「祓(はら)え給え、清め給え、守り給え、幸(さきわ)え給え」という唱(とな)え言葉を唱えるんじゃ」
「もちろん、自分の願いを唱えてもええんよ」
金光稲荷神社
「ついでじゃけぇ、二葉山に登ってみようかの」
「どっから登ったん?」
「今回は、広島東照宮の裏手にある金光稲荷神社(きんこういなりじんじゃ)から登ってみた」
「最初は朱色の鳥居が続くんよね」
「結構、急な坂を登って行かんにゃいけん」
「奥宮じゃね」
「奥宮の大岩の上からは、広島市内を望むことができるんじゃの」
「ここから、さらに上に登ると…」
「山頂には、仏舎利塔(ぶっしゃりとう)があるんよ」
「正面に回ると…。ここにも門松があった」
「あー。これを見ると、むかしの門松ってこんな形じゃったじゃろうね、と想像できるよ」
「ご本尊の前には、鏡餅が供えてあったのう」
「二葉山(標高139メートル)の山頂からの眺めは、ええけぇね」
「右側手前には黄金山(おうごんざん。標高221.7メートル)。左側にあるのが安芸区矢野にある絵下山(えげさん。標高593メートル)で、そのむこうには呉市(くれし)の灰ケ峰(はいがみね。標高737メートル)が見えるんじゃの」
「マツダスタジアム(広島市民球場)も見える」
「左側のお椀を伏せたような島が峠島(とうげじま)、右側にあるのが似島(にのしま)にある安芸小富士(あきのこふじ。標高278メートル)。ほいで、中央の左よりに見える、木がたくさん生えとるところが比治山(ひじやま。標高約70メートル)じゃ」
「今日は、門松について話をさせてもらいました」
「門松についての話題が少のうて、すいませんでした。ほいじゃあ、またの」
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