通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

「やぶ」 呉の鬼

2020年09月27日 | 広島の話題


「「呉のやぶ」面展
やぶに魅せられた十四人の”作家”」が、
広島県呉市中通(なかどおり)にある
街かど市民ギャラリー90(くれ)で、
9月9日から11月9日まで行われています。





今日は、「やぶ」と呼ばれる
呉の鬼についてでがんす。





「やぶ」いうのは、
呉で行われる秋祭りにあらわれる鬼のこと。

秋祭りのために地上へ降りてきた神様の
警護と道案内をしたり、
みこしや稚児の隊列の前後を練り歩いたり
してんじゃそうな。





(「「やぶ」の出番だ 呉の秋祭り」2019年11月10日 中国新聞)

祭に鬼が出てくりゃ、
こんなこともありますわいの。

全国の祭で、何人の子どもが
鬼に泣かされていることか。

ほいじゃが、鬼に抱っこされることで
その子どもは健やかに育つ
ともいわれとるんじゃの。





話が横道にそれてしもうたが…。





呉の秋祭りにあらわれる鬼も、
地区によって呼び名が違うようで、
「やぶ」以外にも「ガッソー」「カッパ」
といった呼び方もあるといわれる。

呼び名が違えば、
身につける衣装や、かぶる面も違うてくる。





今回は、「呉のやぶ」面展ということで、
いろんな人が作った「面」が展示してあった。

企画した堀口悟史さんによると、
一昨年の秋「呉のやぶ」展を開催したとき、
「やぶの面を彫る方が減ってきているのでは」
とその将来を案じる声があった。

そこで、やぶの面を彫る方(=彫り師)は、
近年、実は増えていることを伝えると、
その方は驚かれた。

その驚く様子が、今回の展示をする
動機のひとつになったそうじゃ。





やぶの面の彫り師として活躍している方は、
実はプロの職人でなく、
仕事をリタイアした後に始められた方や、
本業の傍らに取り組んでおられる方が多い。

彼らは誰に習うでもなく、
面の彫りや塗りを試行錯誤しながら
我流で作っているため、
他の人がどうやって作っているかは知らない。

かといって、そのノウハウを
門外不出にするのではなく、
問われれば気軽に教えるという面もある。





彼らがこだわるのは、
「呉のやぶ」らしさ。

やぶの面を見た人に、
「これこそ、呉のやぶじゃ!」
と納得してもらえるものを作る
ことにこだわる。





四六時中やぶのことを考えた末の造詣がないと「紛れもなくこれはやぶだ」と呉の人を納得せしめる面は彫れない点が、やぶ彫りの奥深いところです。

(開催趣旨 堀口悟史)






というわけで、今回の展示のサブタイトル
「やぶに魅せられた十四人の”作家”」
とあるように、やぶの面彫り師の中で
比較的名前が知られた方の面が展示してあった。







面には、口を閉じたものや
もみあげのあるもの。





口を開けたものや、
角の長いもの。





歯が尖って、
角が上でなく前に向かって生えたもの。





鼻筋の通ったものや、ダンゴ鼻のもの。
いろいろな面がある。





鬼といえば、赤。
赤以外には黒もあれば、
黄や緑(青)のものもあるそうじゃ。





面は、かぶるもの。

ふつうは、面の耳のあたりの穴に
紐を通すことで面を固定する。

長い間かぶっていると面がずれるため、
口が開いたものはそこに紐を通して
固定しているものもあるそうじゃ。







以下、余談…。



昨年の秋、中国新聞に
「やぶ」に関する記事が掲載された。

それまで、まったく知らんかったわしは
「やぶ」に興味を持って、今年の秋は
呉に行って見てまわろうと思うとった。

が、新型コロナ感染拡大予防のため、
今年の祭ではやぶの出番を減らしたり、
やぶが出ん祭もあるそうじゃ。

残念じゃが、こればっかりは
来年以降に期待するしかないのう。




↓呉のやぶについては、こちら↓

呉のやぶ





訪問日:2020年9月13日






今日は、「やぶ」と呼ばれる
呉の鬼について話をさせてもらいました。

ほいじゃあ、またの。
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