林明子さんが描いた絵本
絵本のひきだし 林明子原画展
ひろしま美術館
「7月15日から8月27日まで、広島市中区にあるひろしま美術館では、「絵本のひきだし 林明子原画展」が開催中です」
「その「林明子原画展」を、キャラクター編と観戦編の2回に分けて紹介してみようと思うとります」
「前回がキャラクター編だったので、今回は観戦編です」
「展示してあった、林さんの絵本の原画やラフスケッチを見た感想について話していこうかの」
↓「絵本のひきだし 林明子原画展」については、こちら↓
「絵本のひきだし 林明子原画展 特別展」ひろしま美術館
「今回の「林明子原画展」では、林さんが初期に描かれた絵本を、初めて見させてもらいました」
「『かみひこうき』(1973年)は、子どもたちが紙飛行機を飛ばす様子もえかったけど、出来上がった紙飛行機を広げて1枚の紙に戻していくという表現の仕方が面白かったよ」
「机の上にずらりと並べてある紙飛行機を見て、これはマイティ号にウルトラホーク1号、マットジャイロ2号、おぉ、これはジャンボフェニックスじゃないか!…なんて想像してしもうたで」
「…んな見方をするのは、お父さんくらいじゃろ」
「次が、『しゃぼんだま』(1975年)で、これは変化するシャボン玉の色をきれいに描かれとったのう」
「グラデーションの部分も手を抜かずに、ていねいに描いとっちゃったね」
「女の子の髪の毛なんか、1本1本、微妙に色を変えて描いてあった」
「そうそう、あれはすごかった」
「こういう原画を見ていつも思うのは、絵を描く方は、「えっ、こんなところまで?」ってうくらい細かいところまで手を抜かずにきちんと描いておられるということじゃのう」
「『はじめてのおつかい』(1976年)は、えんぴつで描かれたラフスケッチが展示してあったのう」
「『はじめてのおつかい』は、お母さんからおつかいを頼まれた5歳のみいちゃんが、ひとりでおつかいにでかけるという話」
「あるラフスケッチには、心配そうな顔で見送るお母さんをよそに、特に緊張するでもなくふつうに家を出ていく様子が描かれとった」
「実際の作品で、緊張のあまり手と足が同時に出て、ギクシャクと歩いとるみいちゃんとは大違いじゃね」
「しかも、このときのみいちゃんは後姿で描かれとって、その表情を見ることはできん。そこは見る人が想像して補うしかないんじゃが、このあたりの表現は上手じゃと思うで」
「こうやって、原画とあわせて、スケッチやレイアウト、下絵が見られるって、製作の過程が読み取れて面白いっていうか、楽しい」
「緊張して家を出たみいちゃんが、それでも歌を歌いながら歩いていると、自転車に乗ったお兄さんが、びゅるーんとすぐそばを走っていって、みいちゃんが思わず身をすくめる、という場面」
「林さんは、最初はやさしそうな顔のおじさんじゃったのを、少しこわそうなお兄さんに変更したと発言されとったよ」
「これも確かめてみると、写真家のアラーキーこと荒木経惟さん似の、サングラスをかけたやさしそうな顔のおじさんじゃった」
「このおじさんが自転車でゆっくりと走っていたら、みいちゃんがびっくりすることはなかったじゃろうね」
「少しこわそうなお兄さんが、みいちゃんのすぐそばをビューンと自転車を飛ばして走っていったけぇ、はじめてのおつかいでドキドキしているみいちゃんの緊張感を高めることができたと思うで」
↓自転車に乗ったお兄さん・おじさんについては、こちら↓
「林明子 Q&A」絵本ナビ
「『こんとあき』(1989年)には、「こん」という名前のキツネのぬいぐるみが出てくるんじゃけど、この「こん」のぬいぐるみが展示してあったね」
「絵本の標題紙(ひょうだいし。本の中で本のタイトル(標題)が書いてあるページ。タイトルページとも)の部分がこんの型紙になっとるのは、ぬいぐるみを実際に作られたときのことを参考に描かれとってんかもしれん」
「林さんは、実際にぬいぐるみを作ってポーズを取らせて、それを参考に描かれとってんよ」
「参考いうたら、絵本の中に出てくる子どもたちは、林さんの姪っ子や甥っ子を写真に撮って、ふとした表情や服のしわを参考に書かれとってんじゃのう」
「林さんが描く、子どもたちのちょっとしたしぐさ、細やかな感情の変化は、ここから生まれてきとるんじゃね」
「今日は、「林明子原画展~観戦編」ということで、林さんの絵本づくりについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
絵本のひきだし 林明子原画展
ひろしま美術館
「7月15日から8月27日まで、広島市中区にあるひろしま美術館では、「絵本のひきだし 林明子原画展」が開催中です」
「その「林明子原画展」を、キャラクター編と観戦編の2回に分けて紹介してみようと思うとります」
「前回がキャラクター編だったので、今回は観戦編です」
「展示してあった、林さんの絵本の原画やラフスケッチを見た感想について話していこうかの」
↓「絵本のひきだし 林明子原画展」については、こちら↓
「絵本のひきだし 林明子原画展 特別展」ひろしま美術館
「今回の「林明子原画展」では、林さんが初期に描かれた絵本を、初めて見させてもらいました」
「『かみひこうき』(1973年)は、子どもたちが紙飛行機を飛ばす様子もえかったけど、出来上がった紙飛行機を広げて1枚の紙に戻していくという表現の仕方が面白かったよ」
「机の上にずらりと並べてある紙飛行機を見て、これはマイティ号にウルトラホーク1号、マットジャイロ2号、おぉ、これはジャンボフェニックスじゃないか!…なんて想像してしもうたで」
「…んな見方をするのは、お父さんくらいじゃろ」
「次が、『しゃぼんだま』(1975年)で、これは変化するシャボン玉の色をきれいに描かれとったのう」
「グラデーションの部分も手を抜かずに、ていねいに描いとっちゃったね」
「女の子の髪の毛なんか、1本1本、微妙に色を変えて描いてあった」
「そうそう、あれはすごかった」
「こういう原画を見ていつも思うのは、絵を描く方は、「えっ、こんなところまで?」ってうくらい細かいところまで手を抜かずにきちんと描いておられるということじゃのう」
「『はじめてのおつかい』(1976年)は、えんぴつで描かれたラフスケッチが展示してあったのう」
「『はじめてのおつかい』は、お母さんからおつかいを頼まれた5歳のみいちゃんが、ひとりでおつかいにでかけるという話」
「あるラフスケッチには、心配そうな顔で見送るお母さんをよそに、特に緊張するでもなくふつうに家を出ていく様子が描かれとった」
「実際の作品で、緊張のあまり手と足が同時に出て、ギクシャクと歩いとるみいちゃんとは大違いじゃね」
「しかも、このときのみいちゃんは後姿で描かれとって、その表情を見ることはできん。そこは見る人が想像して補うしかないんじゃが、このあたりの表現は上手じゃと思うで」
「こうやって、原画とあわせて、スケッチやレイアウト、下絵が見られるって、製作の過程が読み取れて面白いっていうか、楽しい」
「緊張して家を出たみいちゃんが、それでも歌を歌いながら歩いていると、自転車に乗ったお兄さんが、びゅるーんとすぐそばを走っていって、みいちゃんが思わず身をすくめる、という場面」
「林さんは、最初はやさしそうな顔のおじさんじゃったのを、少しこわそうなお兄さんに変更したと発言されとったよ」
「これも確かめてみると、写真家のアラーキーこと荒木経惟さん似の、サングラスをかけたやさしそうな顔のおじさんじゃった」
「このおじさんが自転車でゆっくりと走っていたら、みいちゃんがびっくりすることはなかったじゃろうね」
「少しこわそうなお兄さんが、みいちゃんのすぐそばをビューンと自転車を飛ばして走っていったけぇ、はじめてのおつかいでドキドキしているみいちゃんの緊張感を高めることができたと思うで」
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「林明子 Q&A」絵本ナビ
「『こんとあき』(1989年)には、「こん」という名前のキツネのぬいぐるみが出てくるんじゃけど、この「こん」のぬいぐるみが展示してあったね」
「絵本の標題紙(ひょうだいし。本の中で本のタイトル(標題)が書いてあるページ。タイトルページとも)の部分がこんの型紙になっとるのは、ぬいぐるみを実際に作られたときのことを参考に描かれとってんかもしれん」
「林さんは、実際にぬいぐるみを作ってポーズを取らせて、それを参考に描かれとってんよ」
「参考いうたら、絵本の中に出てくる子どもたちは、林さんの姪っ子や甥っ子を写真に撮って、ふとした表情や服のしわを参考に書かれとってんじゃのう」
「林さんが描く、子どもたちのちょっとしたしぐさ、細やかな感情の変化は、ここから生まれてきとるんじゃね」
「今日は、「林明子原画展~観戦編」ということで、林さんの絵本づくりについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」