goo blog サービス終了のお知らせ 

味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

令和3年7月9日(金) 貞観政要・頁653 是に知る

2021-07-09 10:06:32 | ブログ
是に知る、貴は驕と期せずして、驕自ら至り、富は奢と期せずして、奢自ら至るとは、徒語に非ざることを。頁653

(訳)そこで、貴は驕と期せずとも、驕は自然に至り、富は奢と期せずとも、奢は自然に至る、という語が、でたらめではないことがよくわかります。頁654
--------------------
   書籍の紹介

  『「陰しつ録」を読む』

  心学とは人間の根本を培養すること

 こういう風に世界を通じて、昨年あたりから人心の動向が変ってきておる。ところが今の日本はどうか。イデオロギ-万能というか、流行ですね。浅薄な進歩的文化人とか、暴力学生の振り廻すイデオロギーの何たるかを問わず、ああいうもので人間のことが解決されるなどと考えるものがあったら、これぐらい浅薄で愚劣なものはない。少し常識のある人ならわかる筈であります。やはり人間に大事なことは、真人間になるということです。真人間になるためには学ばなければいけない。人間の人間たる値打ちは、古今の歴史を通じて、幾多の聖賢が伝えてくれておる道を学ぶところにある、教えを聞くところにある。これを措いて頼り得るものはない。イデオロギーも法律も、科学も技術も、長い目で見ると、何が何だかわかるものではない。これが今日、世界の識者の結論であります。それがわからぬ人間ほど騒ぎ廻っておるわけです。
-----------------------
 今回、この書をご紹介しようと思い読んで見たところ、30年前に目を引きつらして読んだ日々が思い出されます。
 何がいいと言って学問ほどよいものはないと存じます。先ずは自分の人間を磨き育てることが大事だと思います。

令和3年7月8日(木) 貞観政要・頁653 皆、治を致す

2021-07-08 11:32:11 | ブログ
皆、治を致すの急にする所に非ず、實に驕奢の漸するところを恐る。頁653

(訳)これらは皆、よく治まる世を作り出すにおいて重要なことではございませず、実に驕奢の心が、しだいしだいに進み高まることを心配いたします。頁654
------------------
   書籍の紹介

  『巨悪言論』立花隆

 政治改革と政治家改革

 九十三年六月二十三日、自民党を離党した羽田派は新しい政党を作り、新生党と名乗った。三十八年ぶりの保守大分裂ということで、マスコミは一斉に新生党をもとはやした。ほとんどお祭り騒ぎだったといってよい。私は、これはおかしいと思った。そこで、『朝日新聞』から感想を求められたのを幸い、「新生党に問う」と題して、翌二十四日、次の一文を寄稿した。
「羽田新党とは何か。あなた方は、要するに経世会の分裂した片割れではないか。経生会とは何か。要するに旧田中派ではないか。田中派とは何か。五億円収賄犯・田中角栄をかついで、日本の政治を十年余りにわたって滅茶苦茶にしてきた徒党ではないか。





令和3年6月7日(水) 貞観政要・頁653 或は供張の

2021-07-07 09:58:58 | ブログ
或は供張のたらざるを以てし、或は榮作の差違するを以てし、或は物の心にかなわざるを以てし、或は人の欲に従わざるを以てす。頁653

(訳)ときには,饗応の用意が足りないとか、営造が少し違ったとか、品物が御意にかなわないとか、人が御希望に従わないとか、〔という小さい問題でお怒りになって責罰をお加えになります。〕頁654
---------------------
  書籍の紹介

  『教養のすすめ』

   明治の人は偉かったか

 日露戦争百周年ということで、明治の人は偉かった、という説をよく聞きます。
 何となく常識のように皆に思われていることですが、いざ、こういうテーマについて書けといわれると、私のような懐疑主義者としては、同じ人間であり、同じ日本人である明治の人々がほんとうに、現代人と異質な偉さをもっていたのだろうか、一体どこが異質なのだろうかなどと、まず、そこで筆がとまってしまいます。

 まぎれもない歴史的事実として、明治の人たちが戦った日清、日露の大戦争は半世紀にわたる大日本帝国を築きました。
 今でもわれわれがアジアで最も高い生活水準、教育水準を享受しているのは明治の人々があの苛酷な帝国主義時代の競争を勝ち抜いてくれた遺産です。もし負けて、あれから半世紀以上植民地化、または半植民地化されていたらと思うだけでぞっとします。
 戦前の日本はすべて悪だったというのが戦後の偏向史観の一つのステレオ・タイプです。それは、たとえば、成功した父祖のお陰で豊かな教育を受けた子供が、父の成功の蔭で競争に負けた人々に同情するのは良いとしても、自分の父祖たちについて、その恩を忘れて、悪逆非道の人だったように悪口を言うようなもので、よほど人為的に偏向した教育を受けないかぎり、通常の人間性では起こりえない状態です。われわれは今でも明治の人たちに感謝すべきことは多々あります。
-------------------------
 岡崎さんが『教養のすすめ』を出版してくれましたので、お人柄に好感を持っている一人として、著書そのものに合掌して拝読いたしました。人間も素晴らしいと拝見していますが、御著書も素晴らしいと思いました。

 静岡県熱海市での土石流の所では、海上保安庁、自衛隊、警察官の方がたが懸命に作業をしています。   


令和3年6月6日(火) 貞観政要・頁653 安んぞ思う

2021-07-06 14:24:23 | ブログ
安んぞ思はざる可けんや。此者、責罰稍多く、威怒微しく励し。頁653

(訳)このごろ、陛下の責め罰することがやや多く、お怒りになることがやや多く、お怒りになることが少し激しいようでございます。頁653
-------------------
    書籍の紹介

  『日本精神通義』安岡正篤

  今春(昭和十一年)四月十一日の夜、心友大島辰次郎君と空しく永訣いたしました。道を求めること篤く、多忙な公務の間にも絶えず書に親しまれた君は、病床に就いてひとしお思索に耽り、信仰を深められました。その清談の折々に、よく、日本の神道と儒仏との交渉・発達を明かにしたいと思うが、どうも、学者の専門的考証の類か、それでなければ、通り一遍の書物が多くて困る。わが国の思想的見識なくして新しい思想を論じても、何だか不安で軽薄な感がしてならない。是非一つこれを簡明厳正に講じて下さらぬか。自分ばかりではない。世の多くの人々がきっと同感であろうと話がありました。まったく、神道だ、儒教だ、仏教だという言葉だけは聞き古しておっても、案外漠としてとりとめのない、あるいは無知といっても過言でないのが現代人一般のありさまであります。



令和3年6月5日(月) 貞観政要・頁653 惟だ人の招く

2021-07-05 17:40:25 | ブログ
惟だ人の招く所のままなり。頁653

(訳)ただ人の善悪の行いによって、招かれてやって来るものでございます。どうして思わないでよろしゅうございましょうや。頁653
----------------
   書籍の紹介

  『論語の講義』諸橋てつじ著

 子曰く、学びて時に之を習ふ、亦よろこばしからずや。朋、遠方より来る有り、亦楽しからずや。人知らずしていきどおらず、亦君子ならずや。