毛羽、生ず可ければ、則ち賞典謬まる。刑濫るれば、則ち小人、道長じ、賞謬まれば、則ち君子、道消す。頁650
(訳)毛羽を生じさせるように、むりに賞揚すれば、賞は誤りとなります。刑がでたらめであれば、悪い者がのさばり、賞が誤れば君子の道が行われません。651
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書籍の紹介
『戦国武将の語録』黒田如水
総じて人の上に相口、不相口ということあり。主君の、家臣を使ふに、殊に之あることなり。家人多しと雖も、そのうちに主君の気に応ずる者あり。これを相口といふ。この者善人なれば国の重宝となり、悪人なれば、国家の妨となるものなる故に、大事なりと思ふべし。
各々、かねて知る如く、士どもの中にも、わが相口の者ありて、傍近く召仕ひ、軽き用事をも勤めさすると雖も、彼に心を奪はるべき覚悟にあらず。然しながら、自然と相口なれば、品に寄り、もしくは、悪事を見隠すこともあるべければ、各々随分心を付け見出し、左様の事あらば我を諫めよ。