タイトル---租税を薄くして民を裕にすは---。第822号 2304.22(金)
租税を薄くして民を裕にするは、即ち国力を養成する也。故に国家多端にして財用の足らざるを苦しむとも、租税の定制を確守し、上を損して下を虐げぬもの也。(『南洲翁遺訓』第十三章)
税金を軽くして国民を豊かにするのは国力を養成する基である。それによって、はじめて国力が養われることになるのである。その為には、国家の仕事が多くなり財政が不足して苦しむことがあっても、定まった税金の制度を守り簡単に改めることはすべきではない。上を損じて下を虐げぬものなりと言うことは、政府が損をしても民間を苦しめないということである。(小野寺時雄著『南洲翁遺訓』)
損上益下
易経の言葉に「上を損じて、下を益すれば、民悦びて限りなし」とある。このことを南洲翁は国家多端にして財用の足らざるを苦しむとも、租税の定制を確立し、上を損じて下を虐げぬもの也と教えられておる。上とは支配する治者のことであり、下とは支配されておる一般住民のことである。(前掲書)
俗吏を用いてはならない
俗吏とは、無理やりに税金を集めることには能力があり上手であるが、他の仕事では普通より程度が落ちる役人のことである。(前掲書)
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『南洲翁遺訓』を繙いて30年が経過しました。荘内南洲会・小野寺理事長の『南洲翁遺訓』といい、頭山立雲先生の『南洲翁遺訓』に対する解説といい、今の政治家の方々に読んで聞かせたいくらいです。小野寺先生は、「政治家の方々に読んで欲しい」と言い続けています。
南洲翁の精神といい、潔さといいこれからも『南洲翁遺訓』は読み続けられるであろうし、読まれなければならないと思います。
西郷隆盛を慕う荘内南洲会の方々は、かくあるべしというお手本と『南洲翁遺訓』に言う「人民の標準」としての生き方を示されているのです。
『南洲翁遺訓』を改竄しようとするような人間は、本当の『南洲翁遺訓』を理解していないのです。