味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

示子弟・世俗相反処 英雄却好親。

2016-04-16 11:10:04 | ブログ
第2664号 28.04.16(土)
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世俗相反く処、英雄却て好親す。 
難に逢うては肯て退く無く、利を見ては全く循ふ勿れ。
過を斉しうしては之を己に沽ひ、功を同じうしては是を人に売れ。
平生偏に勉力し、終始身に行う可し。

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 上の漢詩は西郷南洲翁の作で、「子弟に示す」であります。この漢詩と出会ったのが40年前のことでした。当時、早速書幅を購入し床の間に掛けて、朝夕声を出して読んでいます。西郷南洲翁が真摯に学問に勉めよと檄を飛ばして下さっていると心得ています。
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 漢詩が訓戒するように、「難儀な事に出逢っては、あへて退くようなことをせず、利益を見ては、善悪の見境いもなく之について行ってはならぬ」という教えは真面目に励行しています。
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 先に問題を起したバドミントンの選手の方々もこういう勉強をすればいいのにと思うことしきりです。
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 連日拝読している『西郷隆盛』は、徳之島に流されて、年寄りのお婆さまに二度も島流しにあうというのは、お前は怠け者なのだね、というくだりがある所です。
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 「平成28年 熊本地震」は、またまた被害続出です。有難いことに、地震速報には鹿児島の地名がなく、ホッとしています。

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『臥牛菅実秀』(第200回)
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 実秀はこの時期に、一方では三、四千トンの蒸気船の購入計画を進めている。この汽船については 
   船長は五十才ぐらいの米人、英国人は水夫長、機関係に四人、支那人數名、ほかボーイ、以上全部を買上げ----。
という記録があるが、この蒸気船は運悪く座礁して大破してしまったために、どのように活躍させようとしたのか明かでない。しかし実秀は移封中止の運動に全力を挙げながらも、つぎの新たな飛躍を目ざしていたと解して間違いはないかと思う。

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『農士道』(第476回)
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 かくて生産の実際に當る農を職業とする農民の生産に於て、道徳と経済、----換言すれば、「義」と「利」とを如何に見るかといふことは、実際問題として相当重大な問題と思はれるので、改めて一章を設けて此処に述べることとする所以である。
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 道徳と経済との関係、----之を東洋哲学的用語を以てすれば、義利の弁といふことになるが、これについて大体次の三つの見方がある。
  一、義を立てれば、利を捨てねばならぬといふ考へ。
  二、利にさへなれば、義などいふことは敢えて顧みぬといふ考へ。
  三、義と利とを一体的関係に見るという考へ。

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