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對龍山荘1 對龍台(南禅寺別荘群散策13)


写真は、門前

對龍山荘(たいりゅうさんそう)は一般には公開しておらず、定期的な公開もありません。
今回は、2012年9/23の五感で体感! にほん文化シリーズ シリーズⅦ・聴覚「静けさを楽しむ」での模様です。
内部の撮影は可能でしたが、webへの掲載は禁止です。

場所は、南禅寺前の交差点から南禅寺への参道を進みます。
右手の“八千代”を過ぎるとすぐに“菊水”の案内のある小さな坂を登り右折します。
右折してすぐの左手に對龍山荘があります。

まずは全体の配置から。
表門が西向きにあります。
手前(西側北)に對龍台という書院があり、これに連なり西側中央にお茶室群などがある居間棟があります。
對龍台の前方、東側北には大きな池があり東山借景の池泉回遊式庭園があります。
この庭は1階分ぐらい低く、いわば地下1階ぐらいの位置にあるため、1階の對龍台からでも見下ろす感じになります。
また居間棟のさらに南には、川の流れる芝生と苔の庭があり、この南の庭と北の池庭をつなぐようにお茶室群前の露地庭園があります。

さてまずは表門の正面の玄関から入ります。
玄関の左手には大きな書院、對龍台があります。
ここからの見下ろした庭園が、1番写真でよく見る光景です。
中央に大きな池があり、池は對龍台の下にまで及びます。

池には中島があり対岸右奥には大滝があります。
この滝の音が對龍台からも妙によく聞こえるのですがその謎は、後程解明します。

そして対岸中央には水車小屋、目を転じて遥か遠くは東山の借景です。
広大で優雅です。




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2012 9/23の拝観報告3(キセキの3日間 3日目)


写真は、パンフレット

「キセキの3日間」の3日目、バックスクリーン3連発最後の岡田です(笑)。

このブログ内で、”しん”さまに教えて頂いた物件!?ですので、ご存じ方もおいででしょう、

歴史街道と近鉄文化サロンのコラボ企画の

南禅寺別荘群の、對龍山荘(たいりゅうさんそう)

です。

13:30に蹴上駅に集合し、約30名で對龍山荘へ。
10人ずつ3組に分かれます。
室内、庭園の北、庭園の中央、庭園の南を20分ずつ観賞しました。

今回のテーマが、
五感で体感! にほん文化シリーズ シリーズⅦ・聴覚「静けさを楽しむ」
でしたので、”聴く”ことがメインの解説した。

1例を挙げると、滝の音が聞こえてきます。
しかしそこを過ぎ去るともちろん音が遠ざかりますが、景色の切り替え(飛び石や橋)とともに次の水落(川の段差)の音が迎えに来るような構造になっているなどです。

今まで庭園を視覚中心で捉えていたので、今後特に小川治兵衛氏の庭園を観る際には、視覚と聴覚の両方に注目するという新しい視点を御教示頂きました。

さて内部の様子ですが、これはもちろん今後の本編に掲載します。

庭園の感想は、今までに参観した南禅寺別荘群の中(野村碧雲荘、清流亭、流響院、清風荘、無鄰菴)では、
野村碧雲荘に次いで2番目によかったです。
ダイナミックかつ繊細な庭園ですね。

さて、最後にウェスティン都ホテルでお茶がセッティングされていたのですが、そこでとある20代の男性の横に座ってお話していると、なんとその方、
WANさま
だったのです(笑)!

他にも2人の”お姉さま”と御一緒させて頂いたのですが、ウチのテーブルは上記の件もあり話が盛り上がって、ほぼ最後までお話していました。
とても楽しい1日でした。

御紹介いただいた”しん”さま、本当に貴重な経験のチャンスを頂き、ありがとうございました。

そしてWANさまこれからもよろしくお願いいたします。

アンケートを実施中です。
左サイドバーにあります。
是非ご協力を!
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洛東遺芳館(柏原家住宅)


写真は、庭園

江戸時代の豪商 柏屋の住宅を、年2回春(4/1~5/5頃)と秋(10/1~11/3頃)に特別公開しています。

アクセス
川端五条付近にあり、半兵衛麩のすぐそばです。
京阪の清水五条駅の2番出口から出て右折し、五条通を歩きます。
すぐにある最初の小さな道(問屋町通)へ右折します。
しばらく進んだ右手にある大きな門構えの京町屋が、洛東遺芳館です。

参観
表門を入ると右手に受付があります。
入場料は300円です。
右手に主屋の玄関がありますが、こちらは後程。
まずは、左手奥の収蔵庫へ。
途中右手に主屋の庭園が見えますが、この左が収蔵庫。
1階と2階に合わせ貝や、池大雅、円山応挙の掛け軸などの家宝展示を見ます。

次に主屋に入ります。
6畳の玄関間があり、左へ。
5畳の廊下の左手に洋間があります。
洋間の天井は中央が縦の板で、周囲が網代。
部屋の右奥の隅が三角形の付書院のようになっています。

廊下の奥には右手に向かって手前から6畳間、9畳間、9畳間が並んでいます。
中央の9畳間の左手には12.5畳の大広間があります。
大広間には違い棚と床の間があります。
大広間の左手は庭園です。

奥の9畳間の右手には6畳間と水屋のようなスペースがあります。
奥の9畳間の右手で、大広間の奥は手前に4畳の仏間、その背後7.5畳の広間の茶室があります。

広間の茶室を抜けて奥に進むと、3畳間を経て4畳半の小間の茶室があります。
小間の茶室は天井が全面網代になっていました。



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白河院1 通常参観(南禅寺別荘群散策31)


写真は、紅葉の庭園内部

元々このあたりは平安時代、藤原良房の別荘でしたが、白河天皇に献上し巨大寺院の法勝寺が建立されました。
今の京都市動物園などこのあたり一帯がそうでした。
それも時代とともに失われ、以降は周辺と同じく南禅寺別荘群として7代目小川治兵衛により作庭されました。
現在は私学共済の宿泊施設の庭園になっており、無料で参観出来ます。

場所は平安神宮を出て左手の岡崎公園を過ぎ、二条通の交差点を左折します。
右手に京都市動物園を見ながら約400mの左手にあります。
法勝寺のバス停で下車すると目の前です。

まず本館に入り、フロントで「庭園を見たいのですがいいですか」と声をかけます。
これは必ずした方がいいでしょう。
こんなちょっとしたことを怠ると、「今後外部からの参観禁止」という事態に最終的になってしまうのでしょう
本館を出て左手の砂利道を進むと、庭園への柴折れ戸があります。

庭園は池泉回遊式庭園です。
中央に大きな池があり、時計回りに進みます。
すると芝生の広場になり左手に本館、正面に数寄屋の建物があります。
ロビーや中で食事をされている方も見ておられるので邪魔にならないよう配慮します。
ここが庭園の正面です。

さらに数寄屋の建物の方に進むと、池にそそぐ川の上流になり、このあたりはもみじが非常にきれいです。

川を渡り、対岸へ。
小高くなっている対岸の散策路は、苔が非常にきれいです。
しかし植栽が多いため、対岸側への見晴らしはよくないです。
庭園表側に戻ってくると、左端に茶室の無心庵があります。
お茶室の前を左に進むと1周して、最初の柴折れ戸に戻ってきます。

いつでも無料で参観出来るので有り難いです。

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桜鶴苑2 庭園(南禅寺別荘群散策12)


写真は、築山から母屋側へ

食事後に庭園に降ります。
和室からであれば、直接庭園に下りられます。

しかし鉄筋の桜の間で食事をした場合は、数寄屋の建物の玄関右手の戸口からお庭に入ります。
途中が苔のきれいな露地庭園になっており、3畳の小間の茶室があります。
露地庭園を抜けると、庭園の右手に出ます。

7代目小川治兵衛の作庭の池泉回遊式庭園です。
建物に沿って細長く奥行きが浅めです。
全体の大きさは無鄰庵の1/3ぐらいです。

中央に池があり、池の向こうは築山で小高くなり、苔や松の緑が鮮やかです。


池の手前(建物側)の真中あたりに苔蒸した木戸があり、向こうの視野を遮ります。
よって建物側から庭園全体を見ることができません。
木戸の向こうにも飛び石の道が続き、最奥にはお茶室があります。

池には橋が2か所と飛び石の橋が2か所あり、反対側に渡れます。
渡ると築山なので少し登ることになります。
こちら側から見ると遮るものがなく、小高いので、庭全体が良く見えます。
この築山沿いに小路があり、この道沿いの苔も非常にきれいでした。

ここは小川治兵衛の庭園にしては芝生がありません。

全体として非常にまとまった印象で、散策すると一層楽しい庭園した。




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桜鶴苑1 概要 (南禅寺別荘群散策11)


写真は、母屋側からの庭園

南禅寺交差点からまずは南禅寺を目指します。
順正を過ぎてすぐに、「桜鶴苑(おうかくえん)」の案内があり、ここを左折します。
小路の突き当りに立派な門が見え、これが桜鶴苑です。
ここにも7代目小川治兵衛の作庭の庭園があります。

ここは普段は結婚式場で、式がない時は食事が可能です。
逆に言うと、オンシーズンの土日はほぼすべて式が入っているので、週末ならオフシーズン、オンシーズンなら平日しか厳しいです。
ですから必ず事前に電話で確認し、予約をされた方がいいでしょう。
そして食事後に庭園を散策します。

門を入ると左手に鉄筋の建物、右手には数寄屋造の看松居があります。
左手は桜の間で、大きなホールになっています。
庭園は1段低くなっているので、階段で降ります。
芝生で奥に人工的な池があります。
春は桜がきれいです。

右手の数寄屋の和室に上がります。
玄関間を経て、正面には庭に面した広間があります。
左手は7畳半で違い棚があり、右手は11畳で1畳分が上段の間になっています。
庭園を眺めながらの食事です。

食事
お昼のメニューは
湯豆腐御膳 4620円、弥生 味めぐり 6930円があります。
夜もありますが、庭園を見るならお昼でしょう。

今回は湯豆腐御膳を頂きました。
先付け、湯豆腐、御重(2段)、煮物、御飯、留椀、水物と順に出てきます。
非常に丁寧に作っておられるのがわかるような美味しさとサービスでした。
正直お値段以上の価値があったと思います。




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野村碧雲荘3 能舞台、大書院 (南禅寺別荘群散策10)


写真は、花菖蒲の咲く西門前

ここは昭和3年の昭和天皇の御大典(即位の礼)の際に、昭和天皇の皇后の父である久邇宮殿下(くにのみや)が宿泊されることになり、それに合わせて造られたそうです。

大玄関ですが、大豪邸を越えて離宮のような雰囲気です。
しかし華美や威圧的な印象ではなく、むしろ車寄の柱を敢えて細くして控えめにしています。そうすることで一層周囲と調和した数寄屋造りにしたそうです。

内部に入り廊下を進むと、左手の手前に応接の間がありこれに隣接した奥に能舞台があります。
能舞台の背景は通常松だけですが、ここは応接の間でもあるために松竹梅が描かれているそうです。

さらに渡り廊下を進み大書院に向かいます。
手前に12畳の次の間、奥18畳の主室と4畳の上段の間があります。
これらを囲うように3方に入側(通路)があります。
襖は金地に鮮やかな松の絵などが描かれており、欄間の透かし彫りは流水に漂う扇です。

大書院からの庭園の景色も見事です。
大書院の前は芝生を挟んで池があります。
池は上流にあたり水深が浅いため、せせらぎが聞こえます。
さらに大書院の角から突き出るように滝見台があり、先の滝が見えるそうです。

また大書院の“碧雲荘”の扁額は、ここに宿泊された久邇宮殿下の親筆です。

大書院を出た植え込みに、小さな雪見灯篭があります。
これは金沢藩の御用商人であった銭屋五兵衛の所持していたものを買い取ったそうで、当時で5万円だったそうです(当時の大卒の初任給が80円ぐらいです)。

表門から鹿ヶ谷通に出ます。

ここは、もはやこちらが評価できるものではないです。

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野村碧雲荘2 花泛亭、蘆葉舟 (南禅寺別荘群散策9)


写真は、不老門

花泛亭に戻り、内部に入ります。
まずは広間へ。
至ってシンプルそうな造りですが、造り付けがよく、さらにシンプルに見せるのが数寄屋造りの神髄だそうです。
奥にはお茶室が2つ、又織庵(ゆうしきあん)と南光席があります。
2畳の南光席は見られませんでしたが、3畳の又織庵は5人ずつ交代で入りました。
通常は薮内家なら燕庵の写しを造るのですが、敢えて織部好みの茶室を造ったところに野村得庵のこだわりがあったのではないかということです。
又織庵に隣接した外部には露地庭園があり、推古時代の酒造石と云われる長い石が筧に利用されています。

池の南側に沿って進みます。
先ほど待月軒から見えた船型の茶室、蘆葉舟と観月台の羅月に来ます。
これらは外部からの鑑賞ですが、船型の茶室は日本に3つしかなく、今尚使っているのはここだけだそうです。

散策路に沿って飛び石を渡り、池の北側にあたる“鷺序”の前の芝生に降り立ちます。
先程とは反対に、この芝生から待月軒側を見た景色も東山借景はないものの格別でした。
見る方向が変わると印象も随分変わります。
さらに奥(東)にある大書院や能舞台の前を通過しますが、この前の池の中央に半夏生が円形に植えられています。
これが6月になると綺麗に白くなり、あたかも池に映る満月のように見えるそうです。
さらに奥右手には石橋があり、ここから池に流れ込む3段の滝が見えます。

散策路にそって進み正面に現れる去来門をくぐると、道が大きく拡がり、左手に大玄関があります。

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野村碧雲荘1 待月軒、龍頭軒 (南禅寺別荘群散策8)


写真は、西門の前

最初に
建物は北村捨次郎が、庭園は7代目小川治兵衛が主に造り、そこにオーナーたる野村得庵の意見が入っているそうです。

西門から入ります。
西門の右奥に見えるのが不老門です。
西門を入ったところは小さな前庭になっており、右手の木戸をくぐります。
すると左手前方に大きな池が拡がります。
池は奥(東)から手前(西)へ琵琶湖疏水の水が流れています。
右手には待合の“待月軒”があり、ここに荷物を置いておきます。
ここからの池の眺望(東側へ)が秀逸です。
琵琶湖疏水の水が流れくる池の周囲には赤松が並び、左手の建物は意外と木々で目立ちません。そのように設計されているそうです。
左前方の対岸には芝生があり、ここに桜が一本あります。
ここから奥に大書院などがありますが、ここからは目立たないように設計されているそうです。
右前方には船型の茶室、蘆葉舟と観月台の羅月が見えます。
借景は東山連峰の南禅寺山がすぐ目の前で、この視野の中央に永観堂の多宝塔が見えます。
さながらこの庭園のために造ったように見えるほど、きれいに借景としてはまりこんでいます。

さらに奥に進みます。
右手奥にはお茶室の“花泛亭(かへんてい)”がありますが、一旦ここは通過して、“不老門”に向かいます。

見学の際は不老門も開かれます。お茶会の時はこの門から入るそうです。
不老門の右手に隣接して“龍頭軒”があります。
龍頭軒の土間には豊国神社の鳥居の古材が使用された丸柱があり、この真ん中に四天王寺の五重塔についていた龍頭が差し込まれています。
龍頭は結構大きいです。
この柱を中心に天井の柱が放射状に広がっています。

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清流亭2(南禅寺別荘群散策7)


写真は、桜の時期の寄付

庭園に降りる沓脱石は畳1畳分ほどもある鞍馬石で、非常に希少なものだそうです。
脇にある手洗いは“自然石の手洗い”で、大きく角ばった石に大きな穴が2つ並んで開いており、ここに水が溜まって手洗いになっています。

庭園は書院から池は見えず、まさに露地庭園です。
石畳の散策路があり、左手奥に最初に触れた“寄付”があるので、本来はここから茶室へ向かう訳です。
この途中の散策路も流響院と同じで、散策路が周囲より低いため、苔に包まれているような感覚です。
十三重の塔が途中にあり、これは大和高麗寺から移設したものだそうです。

右手に進むと池があります。
飛び石もあり、回遊出来ます。
庭園自体の大きさは、印象的には無鄰庵の半分ぐらいでしょうか。
ただし庭園の植樹が結構高く無鄰庵のように見渡せないため小さい印象になるのかもしれません。

最後に茶室の白露に入ります。
この茶室の設計は、千利休が堺に造ったものと同じように造ったものだそうです。
客座の上座、下座、手前座と天井の高さも順に下がり、素材の質も順に落ちるようにして、謙りを表現する仕様です。

小川治兵衛色はやや薄く、大きめの露地庭園といった印象で非常にきれいでした。

実は清流亭は内部の撮影が”可”でしたので、上記すべての写真がありますが、写真の公開は不可です。
そもそもこのような迎賓館的な庭園は、その”神秘性”にこそ価値があるので、やはり見せるべきではないと思います。

見たい方、是非ご自分の目で見てみてください。
そこに辿り着くまでの過程が困難な分、空想も膨らみ、実際に見た時の感動も大きくなります。

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清流亭1(南禅寺別荘群散策6)


写真は、清流亭の正門と母屋

大正天皇の御大展(即位式)の際に、東郷平八郎の宿舎となりました。
その際に東郷が「清流亭」と命名してからそう呼ばれるようになったそうです。

玄関の正面に立つと、右手に母屋、右正面に正門、左手に寄付および腰掛があります。
本来は正門から入って左に進んで、まずこの寄付で待ち、露地庭園を経て茶室へ向かうのでしょうね。
寄付の前には苔蒸した蹲踞があります。
これは元々は智識寺の塔心石といわれ、非常に珍しいものだそうです。

今回はまず母屋に入ります。
母屋は後世に便宜上増築されたものです。
母屋の奥には中庭があり、右手に“七畳の間”が、左手に廊下があります。

次に左手の廊下を進みます。
廊下の先には書院の“残月の間”があります。
残月の間の正面には露地庭園が、左手奥には茶室の“白鷺(はくろ)”です。
左横は正門から入った場合に正面にある露地庭園で、丸炉の蹲踞と茶室に隣接する“丸炉の間”があります。
ここも苔が深く、円柱の丸炉の蹲踞が非常に風情があります。

“残月の間”の欄間は“扇絵の欄間”で、透かし彫りの扇が横に連なった意匠です。
また床の間は上段の間を利用しているので、随分前に出ており、“清流亭”の掛け軸があります。

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流響院2(南禅寺別荘群散策4)


写真は、外観

この庭園を池の外周に沿って反時計まわりに散策します。
まず庭園南縁からです。
ここは周囲が一面苔の中に曲りながら続く砂利道を歩きます。
砂利道が周囲の苔より少し低いため、「苔に包まれている」感じが一層増すように工夫されています。

小川治兵衛氏の庭園の特徴として、池の水を流すように作庭されるので、散策路に沿って常に小川のせせらぎが聞こえてきます。
庭園中央の滝の裏手にはお茶室”涼流亭”があります。

涼流亭の奥にあたる庭園東縁は下が芝生になっていて、ここだけ東山借景が見えず、代わりに桜などの花モノが植えてあります。
他の東山借景が見えるところには、敢えて借景が霞むような花を植えていないそうです。
庭園北縁は木々が茂り森のような感じです。

そしてまた主屋に戻ります。
庭園自体の大きさは無鄰庵より少し大きいぐらいの感じです。

少し小高い主屋の縁側から見る景色が1番きれいです。
東山借景までよく見えます。
内部の襖絵は、2009年森田りえ子氏作のもので、劣化しにくいようにプラチナや金を使って描かれています。金閣寺の方丈なども手掛けられています。

しかしまあ見事な庭園でした。

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流響院1 (南禅寺別荘群散策3)


写真は、待合の前庭

真如苑が所有する南禅寺別荘群の庭園です。
通常は非公開で、1年のうち春と秋の3日ずつの計6日だけ一般に公開されます。
拝観予約の詳細は、「流響院の拝観予約」を参照してください。

門前に係の方がおられるので、ハガキを渡し受け付けをします。
門内の前庭が待合になっているので、そこで時間まで待ちます。
時間になると係の方が来られ誘導されますが、1グループ約16人をさらに半分に分けて案内されます。
それぞれここを手入れしている庭師の方が案内して下さいます。
前庭脇にある築地塀の門をくぐるといよいよ庭園です。

築地塀の門をくぐり砂利の小路を進みます。
右に池から流れ出る小川があり、周囲は一面の苔です。
この小路の左手から松の幹が斜めに張り出し、視界を遮ります。
これを避けた瞬間、前に広大な庭園が拡がります!
最初からすべてを見せないように計算されているのです。

庭園内の左手に数寄屋造りの主屋が階段を5段登るぐらいの小高くなった上に建っています。ここは庭園の西縁になります。
中央に大きな池がありますが、池はいわばY字型になっており、奥ほど広くなっています。こうすることで空間的にさらに広く見せられるそうです。
砂利道の周りは石組と苔、池の周囲を松と“もみじ”が囲み、さらに視界の奥は東向きなので東山連峰が借景になります。
この東山連峰の借景がすごく近くて見事です!

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アクセス(南禅寺別荘群散策2)


写真は、簡易地図

地下鉄東西線の蹴上駅で下車し、出入口1から出ます。

ウェスティン都ホテルが目の前にあり、まずこのなかに“佳水園(かすいえん)”があります。
出入口を出て右折し右上から下って来るインクラインに沿って三条通を直進すると、右手にトンネルが現れます。
これが“ねじりまんぽ”です。
ここへ右折します。
しばらく歩いた左手に“智水庵(ちすいあん)”があり、さらに進むと道なりに左にカーブします。
この突き当りに“何有荘(かいうそう)”があります。
さらに道なりに進んだ左手に、南禅寺の塔頭の“大寧軒(だいねいけん)”が、さらに進んだ左手に“金地院(こんちいん)”があります。

ここを直進すると南禅寺の前の道に突き当たります(A地点)。

まずはA地点を左折します。
すぐ右手に“桜鶴苑”の看板が見えます。この細道の奥に桜鶴苑(おうかくえん)があります。
さらに70m程先の左手に坂があり、これを左折して登ります。
この道の奥の左手に“對龍山荘(たいりゅうさんそう)”があります。

A地点に戻ります。
A地点を左折して、南禅寺に入ります。
南禅寺の勅使門から山門を右手に見ながら北上しB地点に至ります。
B地点で道なりに右折して進むと、再度道なりに左折します。
この先に北門がり、鹿ヶ谷通になります。
永観堂を過ぎた先、丸太町通の突き当りに“有芳園(ゆうほうえん)”があります。
さらに少し先を右折した哲学の道沿いに“和輪庵(わりんあん)”があります。

B地点に戻ります。
本道は道なりに右折しますが直進して、左クランクを進みます。
そこから約150m先の右手にある豪邸が野村碧雲荘(のむらへきうんそう)で、左手が“清流亭(せいりゅうてい)”です。
春はここの紅枝垂桜が非常にきれいです。

この先がT字路で、突き当りが“怡園(いえん)”です。
ここを左折します。道なりに右にカーブしながら進むと、白川通に突き当たります(C地点)

このC地点は、市バス5系統の南禅寺・永観堂道バス停のすぐ南に位置します。東天王町のバス停から徒歩でも来られます。
C地点で左折します。
最初の信号があり、ここは二条通との右折のT字路になっています(D地点)。
ここの左手が“流響院(りゅうきょういん)”です。
D地点を右折し二条通を約120m進んだ右手に“白河院庭園”があります。
D地点に戻り、白川通を直進した左手に“洛翠庭園(らくすいていえん)”と“真々庵(しんしんあん)”が順に現れます。
さらに南下すると南禅寺前の交差点に到着します。
この左手の仁王門通に沿って無鄰菴があります。

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はじめに(南禅寺別荘群散策1)


写真は、桜の時期の清流亭(左)と野村碧雲荘(右)の前

かつて南禅寺の塔頭だった敷地が、明治時代の上知令によりお上に取り上げられ民間に売却されました。
その土地に当時の政治家や富豪が別荘を造るのが流行し、今なお残っています。

これらのうち参観できるものもあり、それらを分類し順に紹介します。
なお正確には“南禅寺別荘群”に含まれないものもありますが、南禅寺別荘群とその周辺の庭園ということで許してください。

1.観光地として常に参観可能なもの。
  無鄰菴
2.本来の施設の一部として参観できるもの。
  白河院、桜鶴苑など
3.定期的な予約参観で当選すれば参観できるもの。
  流響院、清風荘ともう1ヵ所(具体的には書けません)。
4.不定期の予約参観を探して予約できれば参観できるもの。
  野村碧雲荘、清流亭など

1は岡崎散策にあるので、その記載を参照してください。
2はそれぞれの項目で説明します。
3は流響院の予約、清風荘は秋に抽選で参観があるので10月頃京大のHPを参照してください。

問題は4です。
南禅寺別荘群のほとんどがこれで、定期的な参観がありません。
何らかの企画で予約特別参観があり、それらを狙うしかありません。
しかも大抵定員が30人程度と狭き門です。
かなりアンテナを高くしておかないと無理でしょう。

当然まだ参観出来ていないところもいくつかあります。
それらは参観出来次第、随時追加掲載します。

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