平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2005年12月11日 良い物

2007年03月22日 22時03分37秒 | Weblog
      良い物

 「急がば回れ」ということわざがある。
これは逆説的な言葉である。「安物買いの銭失い」、これもまた同じ。どちらもよく考えると的を得ていて真理と言える。急ぐのであれば近道をすればいい、安物を買うとお金を使わないで済むから金は貯まるはずだ。
 しかし実際は、急ぐあまり小さな道を近道と思って行くと混んだり迷ったりで、少々距離は長いが大きな道を行った方が早かったということがある。安物は、すぐにだめになって、また買わねばならなくなり、結局は高くつく。人生長く歩めば、これらのことわざが全く真実だと思うだろう。
 3年前、ちょっと良い靴を買った。私はO脚なため、すぐに靴の外側のかかとが磨り減る。その靴が気に入ったのは、最初から外側のかかとの部分が斜めにカットされていたからだ。
 O脚である私は、すぐにかかとの外側が磨り減ることに、これまで何とも言えぬ屈辱感をおぼえていた。その靴底を見たとき、すっとしたのである。ずっと昔から求めていた物に出会った思いだった。
 奮発して買った。履くほどにいい。裏底が幾度が剥げたが接着剤でとめた。かかとの部分が磨り減ってきて、修理に持っていったら、これは修理できないと言われた。
 そこを何とか頼み込んで直してもらった。自分が気に入っているので、捨てがたく、何とか使える状態に持っていっているだけの話じゃないか、と言う人もいる。そうかもしれない。良い物は、持ち主を動かすのである。人と神との関係は如何に。


平良 師