晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大栗峠考(2) 7/27

2011-07-27 | 上林地名考

2011.7.27(水)曇

 大栗峠の地名考は割合簡単だと思っていた。「栗」の付いた地名は、水流などによってえぐられた地形を表している場合が多い。刳る(くる)という動作から来ているようだ。綾部市には栗町という町がある。由良川と犀川の間の沖積地で豊かな土壌に恵まれ早くから開けたところだが、かつては洪水に悩まされた地域である。地図で見ると由良川の北に細い川が蛇行している。かつての由良川の跡かなとも思われるが、この蛇行によって土地がえぐられたことによる「栗」地名だろうと考えられる。
 栗の付く地名にはよく栗の木が生えていたという言い伝えが残っている。大栗峠についても「北山の峠」のなかで、金久氏は「連鎖的に丹波栗が思い浮かぶ」というふうに書かれている。これも胡麻峠と同様、えぐられた浸食地などと言ってしまえば文学的では無いと言うことだろう。
 栗は縄文人の主食である、日本中どこにでも生えていたのだろう。栗の生えていたところが栗地名なら日本中が栗というところになってしまう。
栗という地名の所は確かに河川による浸食地形が多い。「とちぎの地名を探る」(塙静夫著)に鹿沼市中粟野大栗というところの例が載っている。予想通りの地形で、粟野川の侵食で蛇行した川筋の地域である。そして気になったことは大栗峠の和知側も粟野だということだ。「粟」という言葉に何か意味があるのではないだろうか。粟、阿波、安房など様々あるが期待するような意味は出てこなかった。湖、池などの意味と粟の産地などというものが圧倒的である。なにか浸食されやすい地とか暴れ川的な意味が無いかと調べたが、一向に出てこなかった。鹿沼市の粟野と大栗のセットに気をよくして、和知の上粟野周辺に大栗の地名を探す。ところが期待に反してそれらしい地名は出てこない。Img_3356
 
右手下辺りが上粟野(シデ山頂から)


遂に諦めて上林側の小字名を拾ってゆく。中上林地区は大字毎に小字名の入った資料を持っているので簡単だが、奥上林地区は町名毎の資料しかないので大変である。何度か試みて遂に睦寄町に大栗を発見、しかしこれがどこにあるのか特定できない。大栗峠の道と関係のないところにあっては意味がないのだ。他の小字との表記の位置関係などから志古田にあることが解った。Img_3363
 
大栗峠、志古田への降り口。


 あとは大栗が大栗峠の街道沿いにあり、いわゆる「栗」地形であるかを確認するだけだ。
 と言いつつ、坪坂峠の関屋の坪も、胡麻峠の多門院の胡麻も訪問しなければならないし、猪鼻峠の猪鼻も探さなければならないし、宿題の多い峠名探訪ではある。つづく

今日のじょん:今日はかみさんが大津に行って留守なんで一日ごろごろして過ごしている。「じょんちゃん今日は留守番か」なーんてお客さんにいわれている。私は居るんだけど、、、、。Img_3377


リーダーが留守で寂しそー。

コメント
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