晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大唐内のこと(64) 丸山とイモリ村 7/12

2011-07-13 | 歴史・民俗

2011.7.12(火)雨、曇

 徳島、香川県境、国道32号線の猪ノ鼻峠について地図を調べていると峠を香川県側に下ったところ東に猪の鼻という地名を見つけた。人家もなくこんもりとした森の様で、その地が峠名の由来となっていることは理解できるが、果たして猪の鼻とはどのようなところかうかがい知ることは出来なかった。インターネットで探ってみると「阿波学会研究紀要」というサイトに徳島県の地名についての研究発表が掲載されていた。徳島県方言学会の三名の方が研究を重ねて書かれたもので、熱心に研究され信頼性がありそうなので参考にさせていただくこととした。
 猪ノ鼻と言うところは徳島県に三ヶ所あり、前述の猪ノ鼻峠の徳島県側、池田町西山猪ノ鼻、海陽町小谷猪ノ鼻、阿波市土成町平間猪鼻である。猪ノ鼻峠の猪ノ鼻は香川県側のみならず徳島県側にもあったとはなるほど峠名にもなろうかというところだ。海陽町小谷の猪ノ鼻も以前ユリ地名の件で調べた地域であり、すぐに探し出すことができた。猪峠(いのとうげ)という峠があり、これも猪ノ鼻にちなんで付けられた峠名だろう。土成町の猪鼻は徳島自動車道土成インターから国道318号線を宮川内川に沿って北上し宮川内ダムの辺りである。徳島県の地形的特徴かもしれないがいずれも山間部の狭隘なところである。猪鼻地名について詳しく現地踏査され検討されているが、結論は「清水のある断崖」と書かれている。
 詳しい調査の内容はここで紹介することは出来ないが、この結論に私も大賛成であり、ほんの数カ所の例で柳田国男先生の説に異を唱えたことが大変気になっていたのだが、少し胸をなで下ろすこととなった。
 老富の猪鼻峠については若狭側を歩いてみたくなった。その前に福井県の地名を調べる方が早いかもしれない。麓に猪鼻の地名があればもう間違いないし、無くてもそれらしい地形の箇所が見つかるかもしれない。
 ほんの数カ所の猪鼻地名を訪ねただけであったが、いくつかの発見があった。それは総てに共通することでもないし、単なる偶然かもしれないので、気に留めておくだけのことなのだが、忘れてしまうといけないので、メモ的に書いておこう。
 別所地名が国道32号線猪ノ鼻峠を降りきった西に存在する、これは京丹波町の猪鼻にも言えることで、冠石峠を越え国道173号線を下り、国道9号線に合する手前にも別所が存在する。また猪鼻川を下り土師川に合して、三和町菟原にも別所は存在する。
 また、国道32号線の猪ノ鼻峠の西、稜線上には若狭峰(786.8m)という山がある。その南池田町西山は猪ノ鼻があるところなのだが、ここに引地、引地ヶ尾という地名がある。別所、引地は古代の金属地名ではないかと思っている地名である。
 海陽町の猪ノ鼻については、この地がもともと海部郷であり、海人族に所以のある地だと云うことだ。これは老富についても京丹波の猪鼻についても共通するところだと考える。特に京丹波町の猪鼻については由良川から大簾、大原を経由し猪鼻に峠を越えて海人族の文化が流入したのではないかと考えている。つづくImg_1732 Img_0291 Img_3157




大唐内、大原、猪鼻と海人族の文化が峠を越えて伝搬したのではないか。

【作業日誌 7/12】
看板ニス塗装
ジャガイモ収穫

今日のじょん:今日はじょんシャンの日、体重は18.2Kg。暑さにもかかわらず食欲があるので、体調も万全のようだ。おとーの作る夏野菜は食べるものがほとんど無いが、ジャガイモだけは大好きでもりもり食べている。Img_3273
 
キタアカリの収穫、生育は良くなかったが味は上々、じょんも大喜び。

コメント
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