晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 古代海人の謎 5/23

2011-05-23 | 雨読

2011.5.23(月)雨

 「古代海人の謎」田村圓澄、荒木博之編、海鳥社1991年3月初版、売価1,700円、購入価525円
Img_2949  海人とは何かという疑問を解決すべく購読した本だが、その目的は達せられなかった。私の海人に対する認識は、「弥生時代に稲作と金属生産技術などをもった航海術に優れた人々が江南地方、朝鮮半島、あるいは東南アジア方面から日本の沿岸にたどり着き、定着してやがて勢力を拡げ国家を形成するまでに至った」というようなものである。特に丹後、丹波、若狭などの古代の歴史には海人族の影響が色濃く存在すると考えるのだが、その実状、実態というのは案外模糊としているのだ。
 稲作の伝来といえば日本の文化の根幹なのに、それを伝えた人々のことは何も解らない。歴史の授業にだって海人族なんて出てこなかったぞ。稲籾だけが船に乗ってきたわけでもないし、ある個人が単独で稲籾を大事に持ってきたわけではあるまい。そういう意味で、いつの時代に、どこから、どうやって、なんの目的で、どこの地にたどり着いたかという極基礎的なことを知りたいのである。安曇族、宗像系、住吉系あるいは尾張氏系とか様々な海人族が出てきて訳が解らない。その辺の系譜というものも是非知りたいと思って読んだわけである。
 本書のサブタイトルは「宗像シンポジウム」である。宗像市で1989年に開かれた日本で初の海人に対するシンポジウムの講演やシンポジウムの内容をまとめたものである。大林太良、谷川健一、奥野正男氏をはじめ古代史のお歴々が持論を述べられており、新しい知識や各論は得られたものの、基礎的な情報や知識は得ることができなかった。つまり読む対象を誤ったということである。将来もっと海人に対して理解が深まった末に再度読んだらきっと素晴らしいものが得られることだろう。

今日のじょん:ユキちゃんが来た。いつものように興奮して大騒ぎし、飛び回って遊ぶのだが、その後同じところに繋いでおくと妙な行動をする。それは人が見ていないとシラッとしていることである。ドアを開けて出ていくと、急に仲良く遊び出す。隠れて見ているとシラッとしているのだ。これは一体どういうことだろう。Img_2948

 

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