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晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

どらほー健康法(3)12/27

2020-12-27 | 健康

2020.12.27(日)曇り
 最初は睡眠時のみの脱パンツであったが、夏場になってくるとウオーキングの時や日常でも脱パンツを始めた。暑さ寒さに対応できる体作りのため始めた脱パンツ睡眠だが、それ以外の効果が現れてきた。とにかく気持ちいいのだ。気持ちがいいからよく眠れる。寝付きは以前からいい方だったが、今では一分くらいで寝てしまう。そして寝起きも爽快でさっと起きられる。たまに本が読みたく、本を枕元に置いているが、まあ二,三行で眠ってしまう。とにかく布団に入ることが楽しいのである。
 ここでお風呂の話をしよう。日帰り温泉によく行くが、そこで子供が騒いだり、泳いだりすると妙にイライラして大声で怒っていた。親を呼びつけて注意したこともよくあった。ところが最近ではちっとも腹が立たない、楽しく遊んでるなと思えるようになったのだ。あの子供たちはきっと普段はきちっと服を着て緊張した生活をしているのだろう。それが広くて温かい湯船で自分も兄弟たちも素裸で居ることが楽しくてしょうがないのだろう。大人はそれを表現することはできないけど、正直な子供たちは思わずキャッキャとはしゃいでしまうのだろう。そんな子供たちを大人の杓子で計って叱るのは無粋というものである。
 わたしは登山の際はスポーツ用のピチッとしたパンツをはいていく。運動をするときはいつもそうで、ウオーキングの際も水着の古くなったのを短く切って利用していた。(現在は使っていないが)サポーターとしての効果もあるが、さあやるぞと言う気になり、気合いが入ってくる。どうやらこれは交感神経を刺激して戦闘態勢に入るようだ。運動が終わってシャワーを浴びるためにパンツを脱ぐとすこぶる気持ちいい。副交感神経が優位になって、疲労を回復するモードになるのだろう。脱パンツ睡眠の最大の効果は副交感神経を優位にして、質のよい睡眠をもたらすことである。それによって脳と身体の疲れを癒やし傷んだ細胞や消耗した機能の回復と調整をし、増強を図るということだ。(「脱パンツ睡眠」がなぜ健康にいいのか?より)ところが脱パンツを始めてから様々な問題が起きてきた。つづく

【今日の”のびちゃん”】NO. 48
12月22日(火)おとーとおかーは今年の泳ぎ納め、のびは芝生広場の散歩納め、この前の雪が嘘のようなよい天気。


 

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どらほー健康法(2) 12/26

2020-12-26 | 健康

2020.12.26(土)

 クールビズではじめたと書いたが、裸なのでクールは当たり前で、実は逆のウオームビズ、特に就寝時に温かく眠れるようという目的でもあった。 それは40年ほど前、冬山にせっせと通っているころのことである。当時は衣類も装備も貧弱で、雪上でのテント生活、特に就寝は辛かった。それ以前も大変だったが、20代の頃はさほど気にならなかった。背中や足が冷えて眠れないのだ。疲れもあって最初は眠りにつくが一度目を覚ますともう眠れない。靴下から目出帽まで着られるだけ着込んでシュラフに入るのだが-20度にもなる冬山では耐えられない。シュラフの中で考えると、お腹側は温かくて背中側が冷たいのだ。それならばとヤッケとセーターを脱いで背中側に敷いてみる。これが正解で、背中と腰の冷えは解消できた。足も同様に靴下を脱いで下に敷くのだが、素足はやっぱり寒い。そこで首に巻いていた絹のスカーフで素足を風呂敷よろしく包んでみる。これまた大正解で、温かくしかも疲れがとれて、ぐっすりと眠れるのだ。
 山の本か何かで「雪国の女の子は素裸で眠る」というのを読んだことがある。勿論昔の話だろうが、そうすると温かく眠れるそうだ。ただなんで女の子なんだと思った、男はどうなんだよと思うが、男だって温かいはずだ。最近読んだ「追われゆく坑夫たち」(上野英信著)の中に、寒い蛸部屋で男が二人ずつ裸で布団に入って眠る話がでてきた。頭と足を互い違いにして寝たそうだが、暖房具がなくても温かく眠る苦肉の策だそうだ。
 いずれにしても衣服を着けて寝るより素裸の方が温かく、しかも疲れがとれるのは確かなようである。それがどらほー健康法(脱パンツ睡眠法)を始めた大きな理由である。つづく
【今日の”のびちゃん”】NO.48 
 17日今年初めての雪が降った、じょんのびで30cm久々の大雪だ。もちろんのびにとっても初めての体験なので心配したが、それなりに歩いていた。じょんのように楽しんでいるとは思えない。

 

 

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どらほー健康法(1) 12/15

2020-12-15 | 健康

2020.12.15(火)雪
 どらほー→Dragon Horse→竜馬→脱藩→脱パンツ、とまあ複雑怪奇な命名なのだが実は気に入っているわけではなく、おしゃれな名称があれば改名したいと思っている。要はパンツをはかない健康法で、世間ではノーパン健康法とも言われている。クールビズの一環で2018年に始めたものだが、そのときは世間にそのような健康法があるものとは知らなかった。2013年から毎年クールビズを紹介しているが、2018年のお勧めはウオーキングサンダルとこのノーパンスタイルだ。今日まで続いているクールビズ用品はこの二つと汗知らず、ダイコーの作業ズボン、麦わら帽子とセンスぐらいだろうか。
 とにかくクールビズと言うことでノーパンを実行していたのだが、ある朝モーニングショーを見ていて驚いた。どういうわけか話題がノーパン健康法(そう呼んでいた)になって、有名なニュースキャスターやアナウンサー連中が「やってる?」って聞いたらなんとスタッフを含め多くの方がやってるというのだ。あの美しい女子アナも「やってますよ」って言うもんだから、思わずその寝姿を想像してしまった。(失礼)自分一人のオリジナル健康法と思っていたのが放送界の多くが実行しているとは、なんとも奇妙な現象であると思い、ネットで検索してみる。「ノーパン健康法」で検索してみるとあるわあるわ、体験談や講座の案内などわんさか出てきた。じっくり読める本がないかと見ていると、どうやら「脱パンツ健康法」というのが正統派らしく、その中の二冊の本を買ってみる。

 そこでこの健康法が北海道のHBCラジオのワイド番組で取り上げられ大反響を呼んだことが解った。「夜にパンツを脱ぐべきか、否か」なんて論争が何年も続いたようである。それでテレビ局のスタッフがこぞって実行していたことが理解できた。わたしの発明ではなくて、世間では多くの人が実行している健康法だったのだ。つづく
【今日の”のびちゃん”】NO.47
15日はのびの生還記念日である。昨年12月11日の朝から山に逃亡し、15日の朝奇跡的に救出されたのである。逃げ出した日は気温が低く、濃い霧の朝で河添いの堤防を散歩した後おとうの手が離れ逃げ出したのだが、ちょうど同じような気候の朝があったので、写真を撮ってみた。のびの服装はそのときと同じだが、首輪が増えていること、リードが二重になっていることが改良点となっている。


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楽しい肩痛-3 9/27

2020-09-27 | 健康

2020.9.27(日) 曇り、雨 楽しい肩痛-2は2020.9.4
 8月25日MRIをとってもらい、藤井先生に概要を聞く。さて今後どうしようかと糸井先生に詳細を聞くことにする。

 病名は腱板断裂、左棘上筋腱、肩甲下筋腱に断裂 というもの。
腕の動きから見ると程度は軽いようだが、画像では明らかに2箇所に白い箇所が映っている。これは水もしくは血液で断裂の部分。例示の画像よりは小さくて、断裂の程度は軽いようだ。
 ただし自然治癒の可能性はほとんど無く、現状維持すれば上出来らしい。現実にある痛みは五十肩のことを思えば無いようなもので耐えられないものではないが、これが永遠に続くとすれば恐怖である。60代で5人に一人という多くの患者も、手術数が少ないのは日常生活に支障が無いからだろう。中には症状のないひともあるそうだ。腱板がなくても筋肉で腕は上がり、力も出る。痛みさえなければ何でも無い病気なのだ。全快の道は手術だそうだが、これがまた日数的にも大変そうで行う気はしない。手術例が少ないせいだろうか施術される病院が少なく、北近畿では福知山ぐらいだそうだ。
 通院して治療するという性格のものではないし、自分自身で方針を決めるしかない。
 ・運動域を確保するためストレッチをする。(痛くなる手前まで)
 ・インナーマッスル運動で筋肉の強化
 ・肩周りの指圧、マッサージ
 ・温泉等で肩を温める
以上のことを続けて様子を見たい。そして可動域がなくなってきた時、痛みが増して動かすことが出来なくなった時、力が入らず作業が出来なくなった時、手術を考えたい。
 インナーマッスル運動については実は13年前から行っており、今回断裂が起きたことにショックを感じている。2006年自転車日本一周の最中に五十肩になり、スポーツドクターの笠次先生に教えてもらって続けているトレーニングなのだが、結果として腱板断裂の予防となっていなかったというのはつらい。しかし今となってはやるっきゃなく、左肩については従来の倍の運動量としている。
 インナーマッスル運動は棘上筋腱以外の断裂の場合、逆効果という説もあり複雑な気持ちもある。診断では肩甲下筋腱にも断裂があるようで、これがインナーマッスル運動がどう影響するか調べてみる必要がある。
 このように不安な事項はいくつかあるのだが、この方向でリハビリを続け、痛みがなくなることを夢見て前向きに取り組みたい。努力をして自らの身体を治すのは楽しいことである。出来れば治癒という奇蹟がおこれば最高なんだけど。おわり
【今日
の”のびちゃん”】NO.42
 9月20日はのびがじょんのびに来た日だ。本当の誕生日が解らないのでこの日を誕生日としている、4歳の誕生日だ。お祝いを兼ねておおいの芝生広場に行く。近所に仲間が居ないので、ここに来ると大はしゃぎ、好きなだけ嗅いでくれ。

コンビニでお昼ご飯を調達。

写真撮るときは尻尾が下がるのよね。

白糸濱神社に植木屋の松下さんが来ていたので、記念樹を買う。(姫コブシ)



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がん・認知症・老化(10)9/17

2020-09-17 | 健康

2020.9.17(木)曇り、雨 「がんに効く生活」-3
 本書は、「がんの進行を予防し云々」とあるので、がんになった患者が、それ以上進行しないようにするための生活を書いているものと思いがちだが、実はそうではない。がん細胞は誰でもが持っていて、やがて発症するか、消えてなくなるか、増殖しないで留まっているかなどの差があるだけだ。だとするとがんと闘病している人にも発病していない人にも同様の効果があるとすることが出来る。つまり治療的効果と予防的効果があるということだ。がんを怖れてばかりいないで、少しずつこういった生活を取り入れるのは意味のあることだと思う。
 がんのなんたるかを知り、がんの弱点を知れば如何なる生活をすればよいか解ってくる。本書ではそれらのことが詳しく書かれている。食生活について多くのページが割かれているが、それは他の書物も沢山出ており参考にしていただければいいが、本書ではこころの問題について詳しく書かれている。著者が精神科医であることも影響しているのだろうが、自分自身ががん患者であることで、恐怖、苦悩、孤独、生死など精神的心理的な面について臨場感をもって語られている。
 医療の現場では過去のトラウマや心的ストレスなど相手にされない、ましてや治療としての心的な療法などなにも無い。食事療法にしてもがんの治療現場では語られない。著者はそのように感じておられるが、それはがんだけでなく、他の病気についても同じようなことだと思う。

 免疫力を高め、がんを発症、成長させないために、マインドフルネスや呼吸法などのストレス調整法を取り入れ、PTSDに対してEMDR療法(眼球運動によりPTSDに効果がある)などを取り入れている。「ロザリオの祈りとマントラ」という項ではそのリズム、バイオリズム、呼吸などから科学的に検証され、免疫システムの正常な作動、炎症の減少、血糖値のよりよいコントロールとがんに対して効果的な状況を生み出しているとされている。先般、般若心経やマントラ(オンマニペメフム)について言及したわたしも(2020.6.8~参照)大変満足している。
 著者のがん治療の現場では、食事療法や心理療法など一切無かったようだが、最近のがんに関する記事など見ていると、こういった方面の研究や治療法も出てきているようだ。放射線治療の最先端で活躍しておられるドクターが、早寝早起き、腹八分目、快便、運動、よく笑うなどの生活習慣を推奨しショウガや人参といった食べ物を推奨されていた。また、笑うことでナチュラルキラー細胞が活性化されがん細胞を殺す、などとも語っておられる。シュベール先生はそういう意味で先駆者だったのだろう。
 がんと戦っておられる方、がんを怖れておられる方、がんなんて関係ないと思っておられる方も必ず役に立つ良書である。おわり
【今日の”のびちゃん”】NO. 41
15日に天橋立に行ったのだワン。ワンコも一杯居て楽しい楽しい、松が斜めになっているなんとかの松まで歩いたのだ。


 

 

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がん・認知症・老化(9) 9/11

2020-09-10 | 健康

2020.9.11(金)「がんに効く生活」-2
 「がんに効く生活 Anti Cancer」 ダヴィド・S・シュレベール著 NHK出版 2009年発行 古書
 
375頁の大作
 著者はピッツバーグ医科大学院臨床精神医学教授で1961年生まれ、31歳の時に脳腫瘍を患い、余命宣告を受ける。手術、投薬を続ける傍ら、自らの力でがんを克服できないかとあらゆる研究を始める。食事療法、運動療法など多岐にわたって科学的に探究されているが、特に専門分野である心の問題についても詳しく書かれている。それらを実践し、死の宣告を受けたにもかかわらず、51歳まで命を長らえたのは彼の説に大きなエビデンスを与えるものではないだろうか。特にこころの問題は、著者が実際に体験した、がん宣告の恐怖、闘病の苦しさそして死の恐怖など実体験から編み出されたもので、信頼感がある。
 このたぐいの本は数多くあるが、非科学的なものが多く説得力に欠けるものが多い。また医師によって書かれた本は数多くの論文から、自説に都合のよいものだけを取ってきて利用しているものがよくみられる。本書を読んで、「あの説はこの論文からとられたものか」という説がいくつか見られた。本書では他の論文を引用した場合に、詳しくその概要や周辺情報まで書かれている。(英語の部分が多いが)
 がん治療に関して免疫力とか自然治癒力を説く本は、外科手術、放射線治療、化学療法などを否定するものが多い。本書はこういった西洋医学に基づく治療の効果をあげるために自然治癒力を高めるという考え方で、がんの治療に関して最も妥当な方法と思う。
 本書を読んで、今まで解らなかったこと、不思議に思っていたことがいくつか解明できた。その例を少し紹介してみよう。
・それは血管新生抑制因子のことだった
 近藤誠先生の著書で(2020.4.10参照)元のがんは既に転移したがんの増殖を抑えているので、手術によって元のがんを切ってしまうと、転移したがんが暴れ出す。というようなことが書かれていた。一体何のことか解らなかったが、どうやら新生血管を造ることを抑えている化学物質を出しているようだ。がん細胞は新生血管を造り出し、そこから栄養を補給して増殖する。だとすると医学としては、手術をしないという発想より、転移したがん細胞に新生血管を造らせない薬とか方法を追求すべきだと思うのだが。
・祈りはがんに効く
 瞑想、マインドフルネス、祈り(ロザリオ、マントラなど)をすると、・免役システムの正常な作動・炎症の減少・血糖値のよりよいコントロールの効果があるとされる。(ニューヨーク科学アカデミー年報)これは将にがんの成長を妨げる要素である。ここで以前に紹介した般若心経(2020.6.8~参照)やオンマニペメフム(マントラ)におまじない効果があると書いたが、やはりそのリズムにバイオリズムを調和させる効果があると言われている。こういう方面は科学的に証明される事は少ないが、本書は科学的にわかりやすくアプローチされている。つづく
【今日の”のびちゃん”】NO.40
 定期の検診にキャドックさんに行く。当初は怖がって震えていたのびも慣れてきたのか、随分落ち着いている。エコー診断の結果心臓にフェラリアの影はなく、次回血液検査で陰性となれば全快と言うことなのだろうか。とにかく元気でいることがありがたい。
 
海自の警備犬も診察に来ていたよ。待合でも落ち着いて待てるようになった。 


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がん・認知症・老化(8) 9/10

2020-09-10 | 健康

2020.9.10(水)曇り 「がんに効く生活」-1
 70歳以上ではがんは二人にひとりといわれる。事ほどさように周囲にはがんの方が増えてきて、若くして亡くなられる方も出てきた。これでは平静でおられるはずもなく、身体の異変があるとすぐにがんではないかと不安になってくる。病院に行くとまずがんではないかと尋ね、そうでない病名を確認してから治療するという始末だ。先日もお尻にほくろ状のものができ皮膚科に行った。50歳代に出来たもので、一度取ってもらっている。老化でがんとは無関係という事を聞いているが、形がいびつでまたぞろ大きくなってくれば不安である。今回も凍結処理で取ってもらったが、先生は意を察して症例の書かれた本を開き、「がん化はしない」と書かれているところまで見せてくれた。病名は脂漏性角化症というものだった。
 このようにがんをおそれるのは、亡くなられた方、闘病されている方を見ているからともいえるが、がんの発生や治療について知らないことがおおきな要素だと思う。そこで雑誌や新聞の記事や流行の本などを読んでみたが、どうも体系的に理解できない。信頼している冊子「ひと・健康・未来」に「(できるだけ)がんにならない暮らし がんは運である?」という阪大教授仲野徹先生の講演文の中に推薦してあった「がん-4000年の歴史」を読むこととした。上下2巻の大作だが、がんのなんたるかを知ることが出来た。(2020.8.11~参照)

・がんは遺伝子の変異で発生する。だから分裂回数の増える老年期にがんが増える。また、誰にでも発生し得る。
・ウィルス、化学物質、放射線などの発がん性物質によってもがんは誘発される。
・がん細胞が発生して10年~15年かかってがんが発症する。通常のがん検診で見つかっても早期発見とは言えない。
・がんが治療困難なのは、がん細胞が元々自分自身の細胞であり、正常細胞と同居している事が大きい。
・がん細胞は常に変異しており、一人ひとりの形が違うので、統一的な治療法は無い。
・がんは血液に乗ってありとあらゆるところに転移する。
・免疫はがんに対抗する効率的な手段だが、がん細胞は免疫が効かないように変異する。
アトランダムにがんの発生について書いてみたが、これらのことからがんの発症が見られない人も、がんにかかったらどうするかを考えておく必要がある。
1.がんのなんたるかを知る。
2.(なるべく)がんにならない暮らしをする。
3.がんになったらどうするかを(暫定的に)決めておく。
4.常にがんに対する情報を集めておく。(治療法、病院、医師等)
 こう決めておけばいたずらに不安がることもなく、前向きに生きていけるだろう。
では「(なるべく)がんにならない暮らしをする。」といのはどういうものだろう。つづく
【今日の”のびちゃん”】NO. 39

 一日中サークルから出てこないのびちゃんだが、寝るときはおとーのソファーに出てくる。じょんもそうだったが、どうもこのフカフカ感がいいらしい。今日はおかーが上等のカバーを買ってくれたのでご機嫌さんだ。

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死の起源-2 9/9

2020-09-09 | 健康

2020.9.9(水)曇り、雨 がん・認知症・老化(7)
 
 老化については本書の目的ではないので詳しくは書かれていないが、再生系細胞の分裂寿命がつきると細胞の老化となり、個体の老化に繋がっていくという風に書かれている。非再生系細胞についても同様である。
 前回紹介した湊先生の講演では、正常細胞は一定の寿命を持ちやがて死んでいくのだが(アポトーシス)このプログラムを外れるケースがある。一つはがん化でもう一つは強いストレス下で安全装置が働いて分裂を停止する場合でこれを「細胞老化」という。という風に書かれている。本書の細胞老化とプロセスは違うようだが、できあがった老化細胞は同一のようだ。老化細胞は細胞としての機能は徐々に失いつつかなり安定的に生き、多くの炎症因子を放出する。これは個体の老化と同一の現象ではないか。

 いくつかの文献で、遺伝子、細胞から見た老化、死、がんについて大まかに理解することができた。
「死の起源」は遺伝子、細胞と言った生化学的、科学的な方面から死を探究されているが、最終二章は哲学的に死を解説されている。第7章「なぜ死ぬのか」第8章「有限による無限」は本書の真骨頂である。死を科学的に見ることと、哲学的に見ることはアプローチが違っても同じ頂に到達する登山道の様に思える。
「生を明らめ、死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」修証義の冒頭にあるように、生死の意味を見極めるのは人間の最も大切なことである。特に遺伝子操作により永遠の命や同一個体の発現等の可能性が見えてきた今日、生死について確たる信念を持ち得ないと、人類の未来は多分に危険なものとなってしまう。そういう意味で遺伝子や細胞に興味のない方でも本書は一読して欲しい一冊である。おわり

【今日の”のびちゃん”】NO. 38
 
のびちゃんなんでか田んぼが大好きなのだ。カエルだのイナゴだのいるとダッシュする。保護されるまでこういうの食ってたんかと思うと愛おしくなってくる。
 

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死の起源 9/6

2020-09-05 | 健康

2020.9.6(日)晴れ  がん・認知症・老化(6)(5)は2020.8.15
 がん・認知症・老化のカテゴリーで、正常細胞の死(アポトーシス)、老化細胞等について語ってきたが、アポトーシスとヒト個体の死、老化細胞とヒトの老化をパラレルに考えてきた。故に自然淘汰には死が必要という進化論的な結論を導いていたが、これは「ヒトはなぜ死ぬのか」という命題には答えていない。特にアポトーシスについては、個体の死というよりもむしろ生きるための方策ではないかという疑問が残っていた。以前に紹介した湊先生の講演時(2020.8.15参照)には、「正常細胞はがん化しないために死んでいく」とさえ言われていた。これこそ個体が生きていくために細胞が死んでいくということである。そんな時に見つけたのが本書である。
 「死の起源 遺伝子からの問いかけ」田沼靖一著 2001年発行 朝日選書678 古書

減数分裂をする有性生殖が死をもたらしたというのが本書の趣旨である。
 田沼氏は薬学博士だが細胞の生と死の決定機構を、アポトーシスの視点から研究されている。私の疑問にかなり答えてもらえそうな内容なのだが、専門的な文章も多く、正しく理解できたのか解らないが、要点を書いておこう。
 人間の細胞を、常に生まれ変わっている再生系の細胞(皮膚や血液、肝臓など再生するもの)と非再生系の細胞(神経細胞や心筋細胞など置き換わることなく何十年も機能するもの)に分け、前者の死をアポトーシス(自死)、後者の死をアポビオーシス(寿死)と呼び分けておられる。後者のこの言葉が学界で定着しているものか否か知るよしもないが、細胞死と個体の死を理解するには大変わかりやすい。この二つの細胞死は遺伝子に支配されており、火傷や凍傷、打撲や病変で無理やり死滅させられるネクローシス(壊死)は遺伝子には支配されない。
 アポトーシスは先ほどの「がん化しないために死ぬ」などの生体防御、発生の過程において臓器や生殖器、骨格や筋肉など身体の形成を行っており(細胞の塊から不要な部分の細胞が死んで消えて形を作る)、新陳代謝や自己免疫リンパ球の死などの生体制御を行っており、個体の死とは直接関わっていない。むしろ個体が生きていくためのシステムと考えてよい。
 アポビオーシスは非再生系細胞(心筋細胞や神経細胞)の細胞死だからこれは個体の死に直接関係する。
 アポトーシスが直接個体の死に関係しないと言っても、細胞の分裂の回数は決まっており、これはアポトーシスの回数と比例するわけだから、分裂の寿命が来れば、細胞の寿命が終わり、個体の死に繋がることは容易に理解できる。非再生系の細胞についても分裂はしなくても寿命は長く、その寿命は遺伝子にプログラムされているのだから、細胞死が個体の死に大きく関係していることが理解できた。
 本書では老化細胞(分裂はしないが細胞死はしない細胞)については余り述べられておらず、細胞寿命に近づいて行く事が細胞老化であり、個体の寿命に近づいてゆくことが個体の老化だと言うのみである。
                                           つづく

 

 
 

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楽しい肩痛-2 9/4

2020-09-04 | 健康

2020.9.4(金)曇り
 肩痛なら五十肩か変形性肩関節症しか知らなかったが、腱板断裂なんてのもあるわけだ。しかも60代で5人に一人、70代で4人に一人という高率で発症すると言うから、一種の老人病と言ってよいだろう。この病気(というより傷害というべきか)肩の腱板(板状の腱)が切れたり、裂けたり、すり切れたりするものなのだが、五十肩と違って腕は動くし、痛みもさほどではない、力も入るし、日常生活には問題ない。もちろん命に関わるということはあり得ないので、スポーツ選手や腕を使う職業の人以外は手術をすることは無いようだ。唯困ったことは、自然治癒の可能性はほとんど無く、悪化の一途をたどると言うことだ。今まで腰痛、膝痛、手のしびれなど自分の努力と工夫で治して自信をつけていただけに、なにをやっても治らないというのはなんともやるせない。しかし自分の身体は自分で始末しなければ誰も代わってくれない。どうすればよいか、ネットの情報や冊子をあさる。結局どうなりたいか、そのために何をするかと言うことを自分で決めなければならない。例えばスポーツ選手ならば一も二もなく手術を選ぶだろう。現役で岩登りやトライアスロンやってるときなら手術するかもしれない。ところが今の生活で困ることといったら、スイミングトレーニングが難しいこと(現在は片腕で泳いでいる)、薪割りが不安なこと(まだやってないのでわからないが)ぐらいで特段困ることはないのだ。入院とリハビリでひと月以上かかる手術を行う選択は無い。傷んでいるのは蕀上筋の腱板で残りの3本は無傷のようだから、この3本をうまく機能させて可動域を確保し、インナーマッスル体操で周囲の筋肉を鍛える、それで痛みが無くなれば水泳も薪割りも可能だし、もちろん日常生活にも問題ない。インナーマッスル、ストレッチ以外にも指圧、マッサージも試行中で、温泉では徹底的に温めている。

いろんな方面から対処法を探る
 傷んだ腱板は現状維持ならよしとし、仮に悪化しても可動域を確保し痛みが無ければよしとする方針だ。逆に可動域は狭くなり、痛みが増した場合は問題だ。その際は手術も視野に入れて考えておかなければならない。そのためには、再度糸井先生に受診し、傷害の位置、程度を再確認するとともに今後の処置についても相談すべきかと思っている。
 

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楽しい肩痛-1 8/30 

2020-08-30 | 健康

2020.8.30(日)快晴
 
 65歳で腰痛を治し、67歳でひざ痛を治し、手のしびれ(頸椎)を68歳で治してきた。肩は55歳で五十肩となり、56歳で治っている。五十肩だけは何もせず自然治癒を待ったが、噂通り一年余りで治った。あとの腰、膝、首は最初に徹底的に原因を突き止め、自分自身で工夫した治療法で治した。その大部分が運動療法なんだが、灸や指圧、入浴法なども取り入れている。運動は止めてしまうと再発の可能性があるので、全ての運動を続けていかなければならない。従って平均すれば一日約1時間の運動をこなしている。他人から観れば大変そうに思うかもしれないが、本人はいたって平気で、むしろストレスの解消になっている。どの痛みも一生続くかと思われ、医師にもそう言われていたので(ひどくなったら手術してあげると言われるのが常)それをすべて治癒できたのはずいぶんな自信である。ところが今回、その自信を揺らがす事態が起きてしまった。
 日記には昨年の10月3日となっているが、左上腕にかすかな痛みを感じた。(自分の痛み度基準では0.1)水泳の後に痛みが残るのだがささやかな痛みで気にもならない。筋肉のようだからそのうちに治るだろうと水泳も筋トレも続けていた。ひどくはならない代わりにいつまでたっても治らない。8月19日、出先で何気なくテレビを観ていると、肩の痛みについてやっていた。「腱板断裂(けんばんだんれつ」、なんとも恐ろしい名の病気なんだが、症状を見聞きしているとわたしの症状にぴったりなのだ。薬や運動から手術までの療法をメモし、テキストを購入する。

きょうの健康テキスト
 自分の診断ではこれに違いないと思うが、正確にはMRIの検査等が必要だ。早速明治国際医療大付属病院の整形に行く。

明治国際医療大付属病院、腰痛で初めて登院(2015.6) 
 腰の時は糸井部長、首の時は乾先生に看てもらったが、今回は糸井先生になった。なんで遠く南丹市の病院に行くかというと、ここの整形は触診してくれるから~(チコちゃん風に、、、)
 触診なんて医者なら当たり前と思うだろうが、最近触診する医者って貴重なんですぞ。それとわたしのように症状の軽い患者もちゃんと対応してくれるということ。特に整形なんかは、周囲には車いすや松葉杖、包帯ぐるぐるとか痛みに顔がゆがんだ患者さんばかりで、わたしのように日常生活には何の問題も無いような患者は恐縮してしまう。大抵の病院ではレントゲンだけ撮って、鼻であしらわれてしまう。「ひどくなったら来なさい」と言われてしまうのだ。ひどくなってからでは遅いのだ、今だからこそ対処のしようがあるんじゃないか。そんな患者でも親切に診察し、説明してくれるから明治を選んでいる。鍼治療を選べる利点もあるけどね。はっきり腱板断裂じゃないかと言って、MRIを撮ってもらう。8月26日、糸井部長は手術で往診できないので、藤井医師に説明を聞く。やはり腱板断裂で、治療について色々と聞くが、こちらの方針も定まっていないので一般的な話ばかりになる。手術のことも話されるのでドキリとするが、この病気根治は手術しかないようだ。つづく

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がん・認知症・老化(5) 8/15

2020-08-15 | 健康

2020.8.15(土)晴れ  老化とは何か:免疫系の二つの顔-1
                がん・認知症・老化(4)は2020.4.20
 2019年11月16日(土)メルパルク京都でひと・健康・未来研究財団の助成研究発表会が行われた。その際に「老化とは何か:免疫系の二つの顔」というタイトルで京大の湊長博先生の特別講演が行われた。湊先生と言えばオブジーボの開発でノーベル賞を受賞された本庶教授と共同研究をされていたという方で、こんな機会はそう無いと思い参加した次第である。湊先生は随分若い方だと言う印象だったのだが、実は私と同い年と知って驚いている。髪は黒々ふさふさ、顔は張りがあって艶やか、何か秘策があるのではないかと聞きたいくらいである。そしてもっと驚いたのは、今年の7月21日に京大の次期総長に選出されたことである。驚くことではないのかもしれないが、次期総長の講演を聴くことが出来たのは何か嬉しい気がする。

湊氏の次期総長決定の新聞記事、京大には立て看や吉田寮などの問題があり、前途多難か?

講演当時は京都大学プロポスト 理事・副学長の肩書きだった。
新聞紙上に老化細胞の関連記事もよく見られる。
 講演内容は予想通りよくわからないもので、後日発行される会報の記事を待った。この間いくつかの文献を読み、新聞記事なども集めていたので、講演内容の記事を見るとその内容は概ね理解することが出来た。
 がんは遺伝子の変異が積み重なって発症するもので、加齢とともに変異の回数が増えるので老齢になるとがんの発症は増えるというのは誰でもが理解できることである。この講演では、老化細胞と老化関連T細胞(SA-T細胞)ががんの発症に影響するというものである。正常細胞は分裂をし、やがて死んでしまうのだが、加齢やストレスによって、死なないのだが分裂は止めてしまう老化細胞が出来てくる。細胞のがん化を防ぐという防御的側面もあるが、多くの炎症因子を放出するという一面もある。免疫細胞にも老化細胞があって、SA-T細胞と呼ばれているが、T細胞本来の機能はなく、大量の炎症因子を放出する。本庶先生の免疫チェックポイント阻害療法(オブジーボ)についてもこの講演でよく理解できたが、この素晴らしい免疫療法も全てのがんに効くわけでは無いというところにSA-T細胞の存在が関与しているとも言われている。
 加齢とともにSA-T細胞は増え、免疫機能の低下と炎症反応の増加といういわゆる老化現象を引き起こす。がんは炎症環境を好み、免疫機能の低下はがんの増殖を促進するものだから、細胞老化とがんは関連性が高いものである。
 ざっとこのような内容なのだが、身体の表面的な老化と細胞の老化は深くかかわっていることと、がんと老化の関係もよく理解できる。
 老化細胞は生理現象だから避けられないが、増加してくると様々な障害が出てきて病的老化が始まる。この対処について二つの方法が考えられる。一つは細胞を若返らせる、いわゆるアンチエイジングだが、湊先生は可能性の証拠は無いとおっしゃっている。それよりも可能性があるのは、老化細胞を取り除くことである。正常細胞を残し、老化細胞だけを取り除く事は困難が予想されるが、動物実験はすでに行われており、海外では人体での治験もあるとかないとか。これが可能になればがんだけでなく認知症や心臓病、糖尿病などあらゆる病気の治療に多大な貢献をするものと期待されている。
【今日の”のびちゃん”】NO. 37
 夏の散歩は人ものびも厳しい。おにいのお下がりのクールネックバンドをしてるのだが、水分に反応してぺろぺろとなめまくっている。
 
暑くても変わったところへは行ってみたいようだ。好奇心旺盛。
 
 

 

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がん-4000年の歴史(上下)ー補遺 8/14

2020-08-14 | 健康

2020.8.14(金)快晴

  自分自身の細胞が変異して増殖し、元の身体を滅ぼしてしまうというのは自然淘汰の考え方からみると大きな矛盾だと書いたが、よく考えるとそうでもないという気がしてきた。雨読「残酷な進化論」(2020.2.10参照)で書いたのだが、「生殖が終われば進化は個体の生存など考えてくれない」ということと「自然淘汰が働くためには死ぬ個体が必要だ」ということならば、老化した個体にがん細胞が発生し、その個体を死に至らしめるのは矛盾でもなく、進化の道理である。

 ただ先の文書で「生殖が終わる年齢は20代の中盤、、」と書いたのは間違いである。改めて訂正致したい。それは女性なら閉経となり、男性なら更年期障害の出てくる50代と見るのが妥当だろう。この年代ががん発生のひつのピークでもある。ここでがんについての興味深い実験を見つけたので紹介しよう。研究者が使うがん細胞株で最も悪性なのはS180という細胞株で、マウスにの体内に注入すると例外なく1ヶ月以内に死亡するという。ところがあるマウスだけががんにかかることなく通常に生きたという。研究を続けるためにはマイティマウスと呼ばれたそのマウスの子孫を作らねばならない。がんに対して抵抗力の無い雌との間に子孫が出来、その孫の1/2は同じように抵抗力があったという。(潜性遺伝であれば子にはで出ないので孫を使用した)何百倍のS180を投与してもがんにはかからず腹水もたまらなかった。ところが不在にしていて研究室に戻ったとき異変が起こった。全てのマウスががんに冒され、腹水が溜まっていたのだ。それが二週間(人間の1~2年の相当)するとまたがんが消え、腹水も無くなったのだ。がんに抵抗力のあるはずのマウスががんに冒されたのは生まれて6ヶ月後、人間に相当すると50歳ということだ。これは人間のいわゆる更年期障害の起こる時期ではないだろうか。マイティマウスではこの時期に免疫機能が低下したと考えられる。私の周囲で60代半ばでがんによって亡くなられた方が複数おられる。遺伝子の最初の変異は10年~15年前といわれており、50代ががん発生の一つのピークといわれているのもうなづける。
 生殖機能がある間は子供を作るのが仕事なら、それが終われば死ぬことが仕事になる、進化(自然淘汰)とは残酷なものだが、それが生物の宿命なら致し方ない。そうすると自分の細胞が変異して増殖をするというがんは、死に至るための約束されたメカニズムなのかもしれない。そう考えると、がんをむやみに恐れることはないのではないか。それよりも、がんと言われたときにどうするか、しっかりと心構えをしておくことが肝要かと思うのである。

【今日の”のびちゃん”】NO. 36
 かみさんがじょんの夢を見たという。わたしはじょんではなかったが見たこともない捨て犬を抱いて歩いている夢を見た。「お盆やし帰ってきてるんやで」線香を焚いて般若心経をあげる。

おにい、帰ってきてたらのびにおせーてやってくれ、「寝てばっかいんじゃねえぞ」

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がん-4000年の歴史(上下)その3 8/12

2020-08-13 | 健康

2020.8.12(木)
 
 治療と予防に関する歴史が述べられてきたが、わたしが一番知りたいのはがんの真の姿である。がんの本当の原因、転移とはなにか、なぜがんができるのかこの三つがわたしの知りたいことである。
 下巻の中盤からこれらのことが主題になってきた。がんが細胞の過剰な増殖というのは十九世紀中頃には解っていたが、その原因がなぜかというのは解らなかった。十九世紀の後半に染色体が発見され(フレミング、1979年)、その弟子フォン・ハンゼマンによってがん細胞の染色体に著しい異常があることが発見された。がんの原因が細胞の内部、染色体の異常であることが解ったわけだ。その後遺伝子、DNA,RNAなどが明らかになり、突然変異が起こりうることも明らかになって、がんの発生する原因が遺伝子の変異に起因することが解ってきた。X線、ウィルス、タールなど発がん性物質も遺伝子の変異を誘引するものでがんの直接的な原因ではないといえるのだろう。そしてがんは部位によってもひとりひとりによっても少しずつ違うことが理解できる。変異は偶然的に何度も起きるものでがん細胞の遺伝子はすべてが違ったものとなって、人によって部位によって発症の仕方が違うのだ。だから同じ抗がん剤を使っても効果のある人とまるで効果の無い人が出てくるし、あっという間に亡くなる人もあれば、がんが消えてしまうという人もあるわけだ。もちろん患者の側の免疫力、体力、抵抗力などと言う要素もあるだろう。
 がんの原因については本書ではもっと詳しく書かれており、専門的でもありすぐには理解しにくいが、何度も読み返してその概要が解ったとき、がんに対するあらゆる疑問が解けてくるのである。寿命が延びるほどがんが増えてくるのは変異の回数が増えるからであり、がんが難治なのはがん細胞は元々自分の細胞であり、がんの活動というのは自分自身の活動であるということではないだろうか。
 がんの原因が分かればそれに対する治療法というのが随時登場する、本書では最終的に分子標的療法というのが出てくるが、本庶先生の免疫チェックポイント阻害療法はまだ現れない。仲野先生の解説の中にようやく登場するのだが、それらをもってしてもがんは無くならない。仲野先生が「大いなる未完」とタイトルされたのはそういうところなのだろう。がんはわたし達自身なんだから、がんが無くなるということはわたし達自身が無くなると言うことなのだろうか。と段々哲学的な思考に陥ってしまう。
 進化と言うことから考えれば、変異によってより環境に適した形質が残り、生存に有利になっていくのが普通なのだが、自分自身の遺伝子が変異によってがん化しやがては元の身体を滅ぼしてしまうと言うのは矛盾である。常々このように考えていたのだが、本書の最終項に近くなってそのことに書かれている。
 極端な話をすれば、正常の生理機能を絶え間なく模倣し、悪用し、濫用するがん細胞の能力は、何が「正常」なのかという不吉な問題を提起しているともいえる。-中略-がんはわれわれにとっても正常なのかもしれない。われわれはもしかしたら、悪性の終局に向かって歩き続けるよう運命づけられた生き物なのかもしれない。-中略-やがてがんはほんとうにわれわれにとっての新しい正常に-不可避なものに-なる可能性がある。だとしたら問題は、この不死の病に遭遇したらどうするかではなく、遭遇したときどうするか、となるはずだ。
 遭遇したときどうするか、わたしはまだ遭遇していないのだが、バイブルとなるかもしれないだろう一冊を見つけた。

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がん-4000年の歴史(上下)その2 8/12

2020-08-12 | 健康

2020.8.12(水)快晴
 X線は1895年にントゲンによって発見されたが、1896年には乳がんの治療に試用されている。年代の誤記ではないかと思ったが、事実のようで驚いている。その当時は根治的乳房切除術が行われ始めた時期で、がんの治療が切迫していたのだろう。患部以外を覆うために中国茶の箱の底に入っていたアルミ箔を使ったと言うからすさまじい。腫瘍は潰瘍を作り硬くなって縮んだというから効果があったわけだが、患者は他に転移したがんで死亡することになる。その後放射線治療は様々な進歩をするが、局所的な効果にとどまり転移したがんには使えないという弱点があった。そして逆にその放射線が新たながんを発生するというジレンマもあった。
 これで現在でも主流となっている手術、化学(薬物)、放射線療法が揃ったのだが、その発見から発展の経過は医師、研究者の凄まじいまでの奮闘があるのだが、本書では特に患者ひとり一人について実名で詳しく紹介している。がんの歴史において患者も主人公の一人だという作者の意図が感じられる。またがんを取り巻く行政組織や、研究や治療の資金などについても随所に書かれている。治療だけではがんの歴史は語れない。

下巻はがんに対する疑問の多くを解消してくれた。
 下巻に移ると、まずがんの予防という考えが出てくる。端的なものが喫煙問題だ。健康に対するたばこの害についてはわたしの記憶では三,四十年前に言われ始めた。その当時は男性ならほとんどが喫煙していたし、それが健康を害するという意識はなかった。ただスポーツをするには心肺能力の点で不利だろうなあと考えていた。十八世紀のイギリス、煙突掃除の少年たちの間で陰嚢がんの発症が相次いでいた。もちろんその当時がんとは解らないので、一種の性病とみなされていた。これが煤(タール)とがんの最初の結びつきのようだ。ところが増え続ける喫煙者とがんの関係は二十世紀中頃まで発見されなかった。発見されても社会には受け入れられなかった。企業にとっても国家にとっても煙草は大きな財源だったのだろう。研究者と煙草会社の長い戦いが行われるのだが、訴訟による賠償や広告の禁止、警告文の表示などに至り、喫煙者は激減することとなる。警告文が付き、値段が上がり、喫煙箇所が限られ、健康に悪いことがはっきりしても煙草は街角で売られており、止められない人はいつまでも吸い続け、新たに喫煙をする若者も出てくる現状はどうしたものか。
 がんになる前に予防しようという試みは、胃がんに対するピロリ菌除菌や乳がんに対するマンモグラフィー、子宮頸がんに対するワクチンなど様々な発見から発展して誰でもできる予防法となっている。つづく
 


 

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